歯科矯正で行われるレベリングってなに?

レベリングは歯科矯正の始めに歯のデコボコを改善する施術です


歯に恒常的に力を加えて徐々に歯の位置を動かす、ブラケット矯正などといった矯正方法では、「レベリング」「犬歯の移動」「前歯の移動」「ディテーリング」という流れで施術が行われます。

レベリングは歯科矯正の最初に歯の向きや高さ、並んでいる位置などのレベルを揃えるために行われる施術です。

これは叢生(そうせい)のようにデコボコに生えている歯をある程度整列させることができるといえます。

レベリング期間には歯並びが大きく改善されます

ブラケット矯正など歯の移動を伴う歯科矯正では、4つの段階に分かれた施術が行われます。

歯科矯正の最初に行われるレベリングは、歯並びがデコボコの場合からでも歯をまっすぐ1列に並べる施術です。

そのため、従来の歯並びから大きく改善される場合が多いといえるでしょう。

顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪いために歯並びが悪くなっている「前突」や、歯が重なったりデコボコに生えていたりする「八重歯」、「叢生(そうせい)」などでは、多くの場合で顎に歯が並ぶ隙間を空けるためレベリング前に抜歯が行われます。

抜歯後に歯が並ぶ隙間ができたら、その後にレベリングを行い、歯列からはみ出して生えた歯の位置や斜めに生えていた歯の向き、ねじれなどを改善します。

低い位置にある歯や高い位置にある歯もこのレベリングの段階で高さを合わせることになるのです。

レベリングが終わったときには、基本的に歯の高さや向きが改善され、歯列のデコボコがなくなっているので、歯並びの悪い状態のときからは大きく改善されているといえます。

レベリングでは歯の隙間や噛み合わせまでは改善されません


レベリングでは、歯の高さや歯列の並びなどが一定に整えられますが、レベリングの終了時には、施術前に抜歯した後の隙間が空いたままだったり、歯の噛み合わせも合っていなかったりという状態です。

歯科矯正前の抜歯では、前から4番目の小臼歯を抜く場合が多く、そこにできた隙間を利用して歯列を整えることになります。

レベリングで歯のレベルを整えた後には犬歯の移動が行われるでしょう。

犬歯の移動時には抜歯後の大きな隙間に犬歯を徐々に移動させることでさらに歯並びを整えます。

歯と歯の間の大きな隙間がなくなった後には、前歯の間に少しずつ残っている小さな隙間を無くすために前歯を移動する施術を行います。

前歯が前に出ていた場合にはこの段階で前歯は後ろに下がって前突が改善され、歯と歯の間に残っていた隙間もこの時点で改善が期待できるでしょう。

歯科矯正の最後には、上下の歯の噛み合わせに問題が生じないよう調整するディテーリングが行われ、すべての段階が終了した時点で審美性と機能性が改善されるといえます。

歯科矯正の痛みはレベリングのときに生じることが多いといえます

歯科矯正で歯を少しずつ動かすときには痛みが生じる場合が多いでしょう。

歯科矯正の最初に行われるレベリングでは、矯正装置をつけてすぐは痛みを強く感じるといわれています。

また矯正装置の調整後にも痛みが生じやすく、3日ほど痛みを感じることがあるといわれています。

ただ歯科矯正の痛みの感じ方には個人差があり、痛みをあまり感じないという方もいれば、痛みが1週間続いて通常通りの食事をすることも難しいという方もいるでしょう。

最初は痛みを強く感じていたという方でも、だんだんと慣れて痛みが治まってくることもあるようですが、もともと痛みに弱い方の場合、どうしても我慢できないということもあるかもしれません。

そのようなときには医師に相談して調整をしてもらうこともできますが、長い期間矯正装置をつけたり、装置による痛みを感じたりしたくはないという方には、はじめから痛みの少ない歯科矯正を選ぶという方法もあります。

セラミック矯正などのように、歯を削ってから噛み合わせを改善する被せ物をする施術であれば、歯を動かす際の痛みがありません。

歯を削ってからすぐに仮歯をいれることになるので、矯正終了まで数ヶ月の間、痛みや違和感も少なく過ごすことができるといえます。

(まとめ)歯科矯正で行われるレベリングってなに?

1.レベリングは歯科矯正の始めに歯のデコボコを改善する施術です

歯に力を加えて徐々に歯の位置を動かしていく歯科矯正では、段階ごとに施術方法が変わります。

最初に行う「レベリング」では歯の向きや高さ、歯が並んでいる位置などのレベルを揃えてデコボコの状態を改善します。

2.レベリング期間には歯並びが大きく改善されます

歯科矯正の最初に行われるレベリングは、歯が重なったりデコボコに生えたりしている歯の位置や向き、高さが合うように改善する施術です。

レベリング後には大きく歯並びが改善されるといえます。

3.レベリングでは歯の隙間や噛み合わせまでは改善されません

レベリング終了後にはまだ抜歯後の隙間が残り、歯の噛み合わせが合わない状態です。

レベリングで歯のさまざまなレベルを整えた後には犬歯の移動や前歯の移動、ディテーリングの工程を経て、歯科矯正の施術が完了します。

4.歯科矯正の痛みはレベリングのときに生じることが多いといえます

歯科矯正で歯を少しずつ動かす場合には、レベリングの始めの頃や矯正装置の調整後に痛みが生じやすいといわれています。

痛みの感じ方には個人差があり、あまり痛みを感じない方やしばらくツライ痛みがつづくという方もいるでしょう。

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