歯科医院で行う歯のクリーニングは、爪楊枝でも取れないような汚れや歯石を綺麗に除去してくれます。
歯石を除去することで口腔環境を保ちやすくなるでしょう。
歯石は虫歯と違い、ついても気にしない人がいるかもしれません。
しかし、黒い歯石のように注意しなければいけない歯石もあります。
歯石の種類やケアをまとめました。
自分で歯石を爪楊枝などで取るのはやめておいたほうがいい!
歯石は歯科医院でのクリーニングで除去することができます。
しかし、通院の手間やお金を惜しんで、爪楊枝などを使って自分で取りたいと考える人もいるかもしれません。
歯石は自分で除去できるのでしょうか。
歯石とは
歯石とは歯垢が唾液中のカルシウムやリンと結合して、白く石灰化したものを言います。
歯石自体は無害なので、歯や歯茎を刺激するわけではありません。
しかし、歯石が付着することによって歯垢が溜まりやすくなり、歯周病や虫歯の原因になることもあります。
歯科ではスケーラー(超音波)を使って除去している
歯石は歯科医院でのクリーニングによって除去することができます。
この時に使うのが超音波スケーラーです。
超音波スケーラーは毎秒25,000~40,000回の振動によって、歯石を粉々にする機械。
削るだけのスケーラーであれば、通販などでも販売されていますが、超音波スケーラーは歯科医院でしか目にすることはないでしょう。
超音波スケーラーから出る振動の力で頑固な歯石を落とすことができます。
また歯周ポケット内などの細かい部分は手動のスケーラーで除去していきます。
爪楊枝で歯垢は取れるが歯石までは取れない
普段の食べカスや歯垢の除去に、爪楊枝を使っている人もいるでしょう。
しかし爪楊枝では硬くなった歯石まで取ることは困難です。
爪楊枝での歯石の取り方は歯茎を傷つける危険が高い
簡単なスケーラーであれば、通販でも手軽な値段で販売されています。
通院できない人の中には、自分でスケーラーを使って歯石を落とそうと考えている人もいるかもしれません。
しかし、口腔内は繊細な部位です。
うっかり手を滑らせてケガしてしまうこともあるでしょう。
口の中は隙間や見えない場所も多いので、自分で完璧に歯石を取り除くことはできません。
爪楊枝やスケーラーを使って自分で歯石を取ろうとしても難しく、リスクも高いでしょう。
自分でスケーラーを使い取ってもガタガタですぐに歯石がつく
スケーラーは小さな器具で一見簡単に使えそうに感じます。
しかし、スケーラーを使いこなすには、専門的な知識や技術研修も必要です。
スケーラーを正しく使うことで、歯の表面はツルツルに整って歯石や虫歯菌がつきにくくなります。
しかし、自分でスケーラーをした場合は、どうしてもでこぼこになってしまうため逆に歯垢や歯石が付きやすくなるかも。
虫歯を防ぐためにも、無理に自分で歯石を取らないようにしましょう。
歯科で歯石取りを行うのがおすすめ
歯石が気になるという人は、歯科医院で歯石取りを受けましょう。
歯科医院であれば、技術をもっているプロが口腔全体をくまなくチェックしてくれます。
歯石を取ることで、良い口腔環境を保ちやすくなるでしょう。
歯石を放置すると歯茎への負担や歯周病のもとになる
歯石があっても日常生活に支障はないかもしれません。
しかし、歯石がより大きなトラブルの原因となる可能性もあります。
歯石をそのままにするのではなく、早い段階で除去することをおすすめします。
黒い歯石とは
虫歯はないはずなのに歯の隙間が黒い、という場合は黒い歯石ができているのかもしれません。どうして歯石が黒くなってしまうのでしょうか。
歯石が黒くなる理由
歯石は、歯垢が唾液に反応して歯に付着したまま固まったものです。
普通の歯石は歯垢と同様に白いのですが、歯茎から出血している場合、歯石が黒くなることがあります。
血液中の赤血球によって歯石が黒く見えてしまうのです。
同じ歯石であっても、黒い歯石は白い歯石よりも深刻に考えたほうが良いでしょう。
歯茎から血が出る場合、その原因の9割は歯周病といわれています。
つまり黒い歯石は歯周病の人にできている可能性が高いのです。
黒い歯石は歯茎からの出血が発生しやすい歯周ポケット近くにできます。
黒い歯石はゆっくりと時間をかけて付着するため、普通の歯石よりもさらに除去が難しくなるといわれています。
黒い歯石は口臭を招く
黒い歯石が付いているという人は、口臭がきつくなっている可能性があります。
歯周ポケットに歯石が溜まると、その表面に歯垢が付くようになります。
すると細菌が繁殖することになるのです。
歯周病菌は、悪臭を出すメチルメルカプタンを多く発生させるため、口臭の原因になってしまいます。
黒い歯石をそのままにしておくと、歯周病が進行して歯を失ってしまうこと。
黒い歯石ができてしまった場合は早い段階で歯周病と歯石のケアを行いましょう。
黒い歯石は自分で取れる?
白い歯石と同様に、黒い歯石も自分で取ることはできないと考えておきましょう。
黒い歯石は、より強固にこびりついているため、白い歯石よりも除去は困難です。
歯ブラシでは黒い歯石は取れない
先述の通り、黒い歯石は歯周ポケット近くにできます。
一方、歯ブラシでの除去が期待されるのは歯肉よりも上の部分の軽度な歯石です。
現実的に、黒い歯石を歯ブラシで取ることは不可能といえるでしょう。
スケーラーを使っても黒い歯石除去は不可能
スケーラーを使っても自分で黒い歯石を取ることはできません。
鏡を見ながら黒い歯石の除去を試みても、歯周ポケット付近の歯石を取りきることは困難で、歯茎を傷つけてしまうことにもなりかねません。
専門的な知識や技術がない場合は、リスクのほうが先立ってしまいますので控えてください。
- 関連記事:歯の溝にできる黒い筋は虫歯なのか|原因や治療についてご説明
- こちらでは、歯石ではなく歯の溝が黒くなっていた場合の原因について紹介しています。
歯石予防の方法
できてしまうと除去が大変な歯石ですが、できる前に予防してしまえば面倒がありません。
歯石を作らないためにできることをまとめました。
正しい歯磨きを行う
歯石を作らないために大切なのは歯垢を残さないことです。
毎日の歯磨きで歯垢をしっかり落とすことが、歯石を作らない良い環境となり、歯周病の予防になります。
ブラッシングするときは歯ブラシを45度程度の角度で当てながら、小刻みに動かしましょう。
磨きにくい歯の裏側や奥歯は、歯石もできやすい場所なので重点的なケアをしましょう。
歯ブラシ交換の頻度は月1回程度
どんなに丁寧に歯磨きをしても、歯ブラシが古いと効果が発揮できないかもしれません。
歯ブラシは先が開いてきたら交換しましょう。
磨き方や歯ブラシによっても違いますが、目安は1ヵ月程度です。
歯ブラシには目に見えない細菌や汚れも付着しています。
衛生面を考えても、こまめに交換するようにしましょう。
デンタルフロス、歯間ブラシを使う
歯と歯の間も歯石ができやすい箇所です。
歯ブラシの先が入りにくく磨きにくい箇所は、デンタルフロスや歯間ブラシを使って綺麗にしましょう。
歯間ブラシにはI字型とL字型があります。
I字型の歯間ブラシは奥歯に使うのが難しいので、ブラシ部分を折り曲げて使ってみましょう。
デンタルフロスは、歯と歯の間に斜めにスライドさせるようにして使います。
上手にずらしながら歯の間を掃除してきましょう。
初心者の場合は柄のついたホルダータイプが使いやすいかもしれません。
歯科で定期検診を受ける
毎日のブラッシングは重要ですが、それだけではクリーニングしきれません。
口腔環境を保ち、トラブルがないかチェックするためにも3ヵ月から6ヵ月に1度は定期検診を受けておきましょう。
定期健診ではセルフケアが正しく行われているかどうか、歯周病が進行していないかなどを見てもらうことができます。
歯石も除去してくれるので、その後汚れや歯垢も付きにくくなります。
定期検診を継続していくことでセルフコントロールしやすくなり、口腔内の環境が良くなっていくでしょう。
(まとめ)自分で爪楊枝を使った歯石取りは危険!黒い歯石についても紹介
できてしまった歯石を自分で取ろうとするのは危険です。
歯周ポケットなど見えにくい部分もあるでしょう。
歯石は歯科医院で取ることをおすすめします。
歯石はデコボコとしていて、細菌の住みかとなってしまいます。
進行性の病気である歯周病を防ぐためにも、歯科医院で定期的にクリーニングしましょう。
白い歯石と同様に、黒い歯石も自分で取ることはできません。
黒い歯石は歯周病による出血によって発生します。
黒い歯石ができた場合は歯周病が進んでいると考えられるため、早めに対処するようにしましょう。
歯石を予防するためには自分で行う毎日のブラッシングが欠かせません。
また自分で取り除けない箇所や歯石は歯科医院でのクリーニングで取り除きましょう。
歯科医院でのクリーニングを定期的に行うことで汚れや歯垢が付きにくくなり、セルフケアもしやすくなります。