下顎のずれ(顎変形症)は歯列矯正で治せるのか|正しい位置と治し方

下顎のずれ(顎変形症)は歯列矯正で治せるのか|正しい位置と治し方下顎が横や上下にずれていることを顎変形症と言います。
下顎がずれると見た目に影響がでるだけでなく、全身の骨格がゆがんだり手足がしびれたりなどあらゆる症状が出てしまうものです。
下顎のずれを歯列矯正で治せるのか、ずれを治すのに必要な費用や期間はどれくらいかなど詳しく解説します。

下顎のずれは歯列矯正で治すことができるのか

下顎のずれは、歯列矯正で治せます。
ずれを治す方法の中では、歯列矯正による治療が第一選択です。
矯正ではなく骨を削る方法もありますが、体への負担が大きいこと、そして骨を一度削ってしまうと元に戻せないことから歯列矯正ほど気軽に行うことはできません。

歯列矯正をすることで、ずれている下顎の位置を正常に近づけ、噛み合わせを整えることが可能です。
噛み合わせが整ってくると、見た目が改善されるだけでなく骨格のゆがみや手足のしびれなども改善されるでしょう。

しかしどのような下顎のずれも歯列矯正で治せるというわけではありません。
歯列矯正は顎ではなく歯を動かす治療のため、ずれが大きい方ですと十分に改善されない可能性もあります。

下顎のずれの治し方

下顎のずれの治し方下顎のずれは、歯列矯正もしくは外科的矯正によって治療できます。
それぞれにメリットやデメリットがありますので、違いを知っておくことが大切です。

歯列矯正で治す

歯列矯正では、歯並びを矯正することで下顎の位置を正常に近づけます。
比較的軽い症状の方に向いている治療方法です。
マウスピースのような形の矯正器具を使って顎の位置を調整することもあります。
歯列矯正は歯を動かす治療ではありますが、歯並びが整うことで顎が本来あるべき位置に自然と戻っていくことが特徴です。
ただし歯並びは少しずつしか動かせないため、歯列矯正で下顎のずれを治すためにはやや時間がかかります。

外科的矯正を行わなければならない場合

基本的には歯列矯正で治療を行っていくのですが、顎のずれが大きい方は外科的矯正が選択肢となります。

顎の骨を分割して骨格を動かす治療です。
歯列矯正だけでは治療できないケースで外科的矯正が行われます。
下顎のずれはもちろん、下顎だけ出ていたり曲がっていたりといった症状も改善できる治療です。
歯列矯正と違ってすぐに治療の効果が出ることが大きな違いだと言えます。

しかし外科的矯正は、骨を削る大掛かりな手術となるため、術後は痛みが伴ったり顔がしばらく腫れてしまったりすることを忘れてはいけません。
術後のケアもあるため、しばらく入院も必要になります。

下顎のずれを治すのにかかる期間

歯列矯正によって下顎のずれを治療する場合、2~3年はかかります。
一般的な歯列矯正と同様の期間が必要です。
少しずつしか歯を動かせないため、どうしても長い期間が必要になってしまいます。

一方で外科的矯正の場合は、すぐに下顎のずれを改善することが可能です。
そのためできるだけ早く下顎のずれを改善したい方、また歯列矯正では治療が難しい場合に適しています。

下顎のずれを治すのにかかる費用

歯列矯正にかかる費用は70~120万円ほどです。
目立たないように歯の裏側に矯正装置をつける場合は、100~150万円が相場となります。
ただし、矯正装置の色を透明にしたりマウスピース矯正にしたりするとまた費用が変わるため、あくまで目安としてとらえておいてください。

外科的矯正の場合は、30~50万円が相場です。
顎変形症による下顎のずれは、保険適用となるため歯列矯正よりも安い費用で受けられます。

ただし顎変形症ではなく、美容目的で外科的矯正を行う場合は、手術費用として150~250万円が必要です。
下顎のずれが顎変形症によるものだと診断されれば保険適用となるため、30~50万円と見ておくと良いでしょう。

下顎がずれていることの問題点

下顎のずれがあると顔がゆがんで見えるため、見た目が気になってしまうことが大きなデメリットです。
ゆがみだけでなく、顎が前に出すぎていたり、逆にひっこんでしまったりしているケースもあります。
顎の位置がずれることで横顔が三日月のような形になったり、出っ歯のように見えてしまったりすることも少なくありません。

このように下顎のずれは見た目に大きな影響をもたらします。
しかし影響はこれだけではありません。

下顎がずれていることで、全身の骨格までゆがみ、頭痛や肩こりが起きることもあります。
ずれが大きいと咀嚼が難しくなるので、知らないうちに胃腸へ負担をかけてしまっていることもあるでしょう。

他に手足のしびれが起こる方もいます。
下顎のずれは、見た目だけにとどまらずこのように全身のいたるところへさまざまな影響をもたらしてしまうのです。

下顎がずれている状態とは

下顎がずれている顎変形症は、さらに下顎前突症と下顎後退症に分けられます。

下顎前突症は、下顎が前に突き出している状態のことです。
噛んだときに上顎よりも下顎が前に出てしまいます。
いわゆる受け口と言われているものです。

下顎後退症は逆に下顎が後ろに引っ込んでいるもので、下顎の成長が悪いことにより起こります。

下顎の正しい位置

下顎の正しい位置とは、一般に中心位にある状態で、顎の関節が正しい位置にあることを意味します。
顎の位置が正しければ、噛んだり発音したりなどが容易に行えるものです。
また関節だけでなく、歯列が正しい位置にあることも大切です。

噛み合わせの正しい位置

正しい噛み合わせは、自分でも簡単に判断できます。

まず歯を閉じたときに前歯の中心がどこにあるかを見てみましょう。
上下の中心が同じ位置にあり、なおかつ顔の中心と一致していれば問題ありません。

上の歯と下の歯の重なり具合もチェックします。
噛み合わせが正しければ、下の歯が内側に入った状態で前歯と2mmほど重なった状態になっているはずです。

下顎がずれてしまう原因

下顎がずれる原因は、生まれつきによるものと、普段の生活習慣によるものとがあります。

先天的なものが原因の場合

顎の発達異常が原因で先天的に下顎のずれが起こる場合があります。
生まれつき顎が出ていたり逆に引っ込んでいたりするのです。

後天的なものが原因の場合

幼少期から顎に負担がかかりやすいことをしていると、下顎がずれやすくなります。

たとえば指しゃぶりや頬杖をつくなどの行動です。
とくに頬杖をつく癖は、下顎に大きな影響を与えると言われています。

このように後天的なものが原因で下顎がずれている方は、まず、ずれの原因となる癖を直すことが大切です。

(まとめ)顎のずれ(顎変形症)は歯列矯正で治せるのか|正しい位置と治し方

1.下顎のずれの治し方

下顎のずれは、歯列矯正や外科的矯正によって治せます。

歯列矯正は歯並びを矯正することで、顎の位置を正常に近づけるものです。
顎そのものを削ったり大きく動かしたりするものではないため、症状が比較的軽い方に向いています。

外科的矯正は顎の骨を分割して動かす治療です。
歯列矯正では治療が難しい場合にも適しています。

2.下顎のずれを治すのにかかる期間

必要な期間は、どの治療方法を行うかで変わります。

歯列矯正を行う場合は、2~3年かかることが多いです。
一般的な歯列矯正に時間がかかるのと同じで、下顎のずれを矯正する場合も長い期間が必要になります。

一方で外科的矯正は治療をすればすぐにずれが改善されます。

3.下顎のずれを治すのにかかる費用

歯列矯正は70~120万円が相場です。
矯正装置を表につけるのか裏につけるのか、装置を透明にするのかなどで費用は変わります。
場合によっては150万円ほどかかることもあるでしょう。

外科的矯正は顎変形症の場合、保険適用となるので30~50万円が相場です。

4.下顎がずれていることの問題点

下顎のずれは、見た目に大きな変化を及ぼします。
顔がゆがんで見えたり、フェイスラインがくずれたりと影響はさまざまです。

見た目の影響以外に、全身の骨格がゆがんだり頭痛や肩こりが起きてしまったりすることもあります。
下顎がずれることで、顔だけでなく全身に影響が出てしまうのです。

咀嚼がしにくくなるので、胃腸への負担も考えられます。

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