受け口は歯列矯正だけじゃ治らない?

骨格が原因の受け口は、歯列矯正では治らないといわれています


受け口の原因には、遺伝的な要因や後天的な要因などの様々な物が考えられています。

どちらの要因においても、歯並びだけが原因の受け口であれば、歯列矯正だけで改善することは可能です。

しかし、上顎と下顎のバランスが悪いなど骨格が原因の受け口の場合は、歯列矯正だけでは治らないといわれており、その場合は、外科的な施術で受け口の改善が期待できます。

骨格が原因の受け口は、歯列矯正だけでは治らないといわれています

「反対咬合」や「下顎前突」などと呼ばれることもある受け口ですが、歯列矯正だけでは治らないといわれているのは本当なのでしょうか?

受け口の原因にはさまざまなものが考えられていますが、大きく分けると「歯並びの問題」と「骨格の問題」の二つになるといいます。

どちらか一方のみが受け口の原因になっている場合もあれば、両方が受け口の原因になっている場合もあります。

ここでは、どのタイプの受け口が一般的に改善しにくいと考えられているのか見ていきたいと思います。

まず、「骨格の問題」が全くないケースでは、「歯並びの問題」の度合いに関わらず、受け口を改善しやすいと考えられています。

このケースでは、単純に歯列矯正を行うだけで受け口の改善が可能だといわれています。

逆に、「歯並びの問題」が全くないケースであっても、「骨格の問題」が大きければ受け口の改善がしにくいと考えられています。

言い換えれば、「骨格の問題」が大きければ大きいほど受け口の症状も重いということになるでしょう。

「骨格の問題」が少ない場合であれば、歯列矯正のみで受け口を改善できるケースもあります。

しかし、そうでない場合、外科的な施術をしなければ改善は難しいといわれています。

受け口には遺伝的な要因と後天的な要因とが挙げられます


受け口の原因には「歯並びの問題」と「骨格の問題」の二つが挙げられますが、これらはいずれも、遺伝的な要因である場合と後天的な要因である場合とに分けられます。

遺伝的な要因というのは、文字通り親からの遺伝により顔の形や骨格、歯の生え方が似ることです。

特に、下顎の先(オトガイ)は遺伝の要素がかなり強いといわれています。

後天的な要因というのは、成長過程で顔の形や骨格、歯並びなどが変化することをいいます。

例えば、上顎の成長不全により下顎が大きく成長しているように見えてしまうというケースです。

上顎の成長不全には、舌が短い、離乳の時期が遅かった、おしゃぶりを使っている時期が長かったなどの原因が考えられています。

また、大人になってから受け口になったという人の中には、口呼吸が原因とされる方もいます。

口呼吸をしていると、舌の位置が本来よりも下がってしまい、気道を確保するために下顎を前に突き出すようになってしまうといいます。

口呼吸が習慣化してしまうと、受け口になりやすいといわれているのはこのためです。

セットバック法では骨格が問題の受け口を治すことが可能です

歯科クリニックで受け口を治したいと相談をしたけれど、「歯列矯正だけでは難しい」「歯への負担が大きすぎる」と言われてしまったという方もいるでしょう。

こういったケースでは、「セットバック法」と呼ばれる外科的な施術を行うことで受け口を改善することが可能です。

セットバック法は、下顎(場合によっては上顎も)の骨を切ることで顎の位置を後方に移動させ、正しい位置に固定させる施術です。

外科的な施術と聞くと、「施術後に傷跡が残るのではないか?」と不安に感じる方もいると思います。

しかし、施術を行うのは、基本的には口の中からです。

施術の後に傷跡が残るといった心配はあまりしなくても良いでしょう。

また、施術を行う前の矯正施術などを合わせ、かかる期間は一年半~2年程度だといわれていますが、実際の施術に必要な入院は1~3週間程度が一般的です。

セットバック法を行って受け口を改善した人の多くは、施術を受けたことに満足しているといいます。

受け口を治すことによって得られるメリットは非常に大きいといえるでしょう。

(まとめ)受け口は歯列矯正だけじゃ治らない?

1.骨格が原因の受け口は、歯列矯正では治らないといわれています

受け口は遺伝によるものと成長過程によるものの二つが考えられていますが、歯並びが原因となっている場合であれば、歯列矯正だけで改善が可能です。

しかし、骨格が原因の場合、外科的な施術を必要とすることがあります。

2.骨格が原因の受け口は、歯列矯正だけでは治らないといわれています

受け口の原因には二種類が考えられていますが、骨格性の問題が全くない場合であれば、歯列矯正だけで受け口を改善することが可能だといわれています。

骨格の問題が大きいケースでは、歯並びの問題の大小に関係なく、外科的な施術が必要となるでしょう。

3.受け口には遺伝的な要因と後天的な要因とが挙げられます

受け口には遺伝的な要因と後天的な要因とが挙げられるといいます。

遺伝的な要因は、親からの遺伝により顔の形や骨格などが似ることを指します。

後天的な要因は、上顎の成長不全や口呼吸が習慣化してしまうことにより顔の形や骨格が変化することを指します。

4.セットバック法では骨格が問題の受け口を治すことが可能です

歯列矯正だけでは改善が難しいとされる受け口の場合、「セットバック法」と呼ばれる外科的な施術を行うことで改善が可能となります。

下顎の骨を切る施術となりますが、施術後に傷跡が残るなどの心配はなく、得られるメリットは非常に大きいといわれています。

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