「受け口」と「しゃくれ」はどう違うの?

しゃくれは輪郭の形を指し受け口は噛み合わせが逆になっている状態を指します


「しゃくれ」は輪郭の形そのものを指す場合が多く、外見的に下顎が突き出ている状態をいいます。

一方、「受け口」というのは、噛み合わせが通常とは逆になっている状態を指しており、下の前歯が上の前歯よりも前に出てしまっているため、結果的にしゃくれているように見えることがあります。

受け口としゃくれの違いは、外側を指すか内側を指すかという点にあるといえます。

受け口は歯並びに原因があり、しゃくれは骨格に原因があるといわれています

受け口としゃくれ、外見的には似ており、同じものと捉えられがちですが、実は根本的に違うものを指しているといわれています。

まず、しゃくれは下顎が突き出ている状態、つまりは輪郭の形そのものを指すことが多いです。

しゃくれはもともとその人が持っている骨格に原因があるとされています。

しゃくれを改善させるためには「セットバック法」、別名「下顎骨切り術」とも呼ばれる外科的な施術法を用いる必要があると考えられています。

一方、受け口は下の前歯が上の前歯よりも前に出てしまっている状態、つまりは噛み合わせが逆になっていることを指すといわれています。

受け口は別名「反対咬合」とも呼ばれており、直接的な原因は歯並びだとされています。

受け口を改善させるためには、セットバック法の他、セラミック矯正などの歯科的な施術が有効だと考えられています。

ただし、しゃくれの場合は骨格に原因があるため、歯並びの矯正だけでは改善されないといわれています。

セットバック法は下顎の骨を削り取ることでしゃくれや受け口を改善する施術法です


しゃくれを改善させるための施術「セットバック法」ですが、骨格が原因となる受け口を改善させるためにも用いられています。

この「セットバック法」とはどのような施術なのでしょうか?

セットバック法は「骨切り術」とも呼ばれており、その名の通り、下顎の骨の突出や顎の長さを、骨を切る(削る)ことにより理想的な状態に変える施術です。

上顎を突出させる施術だけというケースもあれば、上顎を突出させた後に下顎を後方に移動させる施術を行うケースもあります。

しゃくれや受け口の人は下顎の骨が通常より長い傾向にあるため、削るのは下顎の方になります。

この施術法の流れを見ていきましょう。

まず、上下左右の4番目の歯を抜いた後に、その歯を支えていた骨を削り取ります。

空いたスペースを利用し、前歯を骨ごと後方に移動させます。

その後、顎先が目立ってしまう場合には、顎先を削り取る施術も行われます。

受け口やしゃくれを治したい人は信頼できる専門家に相談しましょう

お分かり頂けたと思いますが、セットバック法は外科的な施術であり、非常に専門性が高いといえます。

外科医としてだけでなく、歯科矯正に関する深い知識や豊富な経験を必要とします。

また、セットバック法では施術の仕方によっては、施術後に皮膚がたるんだり、ほうれい線が目立ったりしてしまうなどのリスクがあるといわれています。

そういったリスクを避けるためにも、外科医としても歯科医としても信頼のおけるクリニックを選ぶべきだと考えられます。

また、よく自力で受け口やしゃくれを治すトレーニングなどが紹介されていますが、これらはすべて専門家による施術ではなく、根本的な解決にはならないと考えられます。

幼少期であれば症状の悪化を抑える効果は多少期待できますが、成人してから症状を改善する効果はあまり期待できないと思ってください。

顎は簡単に短くなるものでもありませんし、歯並びが勝手に治るということもないでしょうから、受け口やしゃくれに悩んでいる方は、専門家に相談してみることをおすすめします。

(まとめ)「受け口」と「しゃくれ」はどう違うの?

1.しゃくれは輪郭の形を指し受け口は噛み合わせが逆になっている状態を指します

しゃくれは下顎が突き出ているように見える輪郭の形を指し、受け口は下の前歯が上の前歯よりも前に出ているという噛み合わせの問題を指すことが多いです。

受け口が原因でしゃくれに見えるというケースもあります。

2.受け口は歯並びに原因があり、しゃくれは骨格に原因があるといわれています

しゃくれは下顎が突き出ている状態で、骨格に原因があると考えられており、外科的な施術を必要とされています。

受け口は噛み合わせが通常と逆になってしまっている状態で、歯並びに原因があると考えられているため、歯科的な施術でも改善が期待できます。

3.セットバック法は下顎の骨を削り取ることでしゃくれや受け口を改善する施術法です

「骨切り術」とも呼ばれるセットバック法は、下顎の骨を削り取ることで下顎の骨の突出や長さを調節することのできる施術法です。

この施術により、理想的な骨格が実現できるだけでなく、美しい歯並びを手に入れることも可能といえます。

4.受け口やしゃくれを治したい人は信頼できる専門家に相談しましょう

受け口やしゃくれは施術なしでは根本的に解決することは難しいとされています。

また、セットバック法には術後のリスクなども伴うことから、外科、矯正歯科の知識や経験を相当必要とされます。

43864
Return Top