インビザラインは、マウスピースを使った新しい歯科矯正です。
「装着しても目立ちにくい」「自分で着脱ができる」「金属アレルギーの心配がない」などのメリットがあります。
しかし、インビザラインも失敗のリスクはゼロではありません。
思っていたような矯正ができなかったり、噛み合わせが悪くなったりするケースが報告されています。
せっかくの治療をムダにしないよう、失敗の原因や対策方法を知っておきましょう。
インビザライン(マウスピース矯正)で失敗することはあるのか
インビザラインは、その効果が国際的にも認められている矯正治療ですが、どの医療にも言えるように、残念ながら100パーセント自分が思い描いているような結果が出るとは言えません。
インビザラインの場合、患者さん一人ひとりに合ったマウスピースを作るために細かなデータを取り、それをもとに綿密な治療計画を立てるため、医師の腕が非常に重要です。
また、出来上がったマウスピースを実際に使うのは患者さんですから、日常でいかに正しく使えるかも関係してきます。
インビザライン治療の失敗は、上記どちらかに問題があったケースがほとんどです。
インビザライン経験者に見られる失敗談
インビザライン治療の失敗例としては、次のようなものが代表的です。
・歯並びが治らなかった
・噛み合わせが悪くなった
・出っ歯になった
歯並びが改善しなかったケースには、治療に必要なデータの不足や、治療計画の間違いなどが原因として考えられます。
もしくは、本来の適応・不適応の判断が誤っていた可能性も考えられるでしょう。
もちろん、患者さんの使用方法に問題があった場合もあります。
また、噛み合わせが悪くなったケースには、特に「奥歯が噛み合わなくなった」という報告が多いです。
これは、上下の奥歯の間にマウスピースをはさむことで、噛む力が矯正力となってしまったからだと考えられます。
普段から噛みしめ癖のある人や歯ぎしりの多い人は、特にリスクが高いでしょう。
この場合は、マウスピースの装着時間の調整などで改善できることもありますが、部分的にワイヤー矯正が必要になることもあります。
3つめの出っ歯になったパターンは、インビザライン治療の適応判定が間違っていた可能性が高いです。
歯がまっすぐ並ぶだけの余裕がアゴにない場合、インビザラインで治療しても歯並びが改善されないどころか、さらに悪化することもあります。
インビザラインで矯正できる歯並びかどうかの判断は、とても重要です。
インビザラインで失敗しないためにできること
インビザラインは、従来のワイヤーを使った矯正よりも高額であることがほとんどです。
せっかくの治療をムダにしないためにも、失敗を避けるコツを3つご紹介します。
経験豊富な医師を見つける
インビザライン治療では、まずレントゲンやデジタルスキャンで精密なデータを取ってから、専用の3D治療計画ソフトウェアを使用して、医師が治療計画を作成します。
高度なソフトウェアを使用するとはいっても、実際には医師が細かく修正しながら治療計画を立てるので、その医師の経験・知識・技術によるところが非常に大きいです。
担当医の矯正治療の経歴や、インビザラインの治療実績などは、しっかり確認しておくことが大切です。
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医師の指示を守る
どんなに精度の高いマウスピース(アライナー)ができあがっても、それを指示どおりに使わなければ、思うような治療効果は期待できません。
特にインビザラインでは、1日20時間以上のアライナー装着が必要です。
さらに、1~2週間ごとに新しいアライナーに交換しなければいけませんし、もちろん定期的に通院して診察を受ける必要もあります。
これらの指示をしっかり守ってこそ、本来の治療効果が期待できるのです。
マウスピースの装着時間を守る
上でも触れたように、インビザラインのマウスピースは「1日20時間以上」の使用が推奨されています。
就寝中はもちろん、日中も食事や歯磨き以外の時間は、基本的に装着しなければいけません。
インビザラインの治療期間は、フルの場合1~3年かかりますので、その間医師の指示に従って正しく使うことが大切です。
口腔ケアを怠らない
インビザラインの治療中は、気を抜くと口腔内が不潔になりやすいため、意識してケアする必要があります。
マウスピースは自由に取り外せる点がメリットですので、歯磨きの時には外して、しっかり磨きましょう。
もちろん、マウスピースは汚れを付着したままにせず、毎日洗浄します。
インビザラインで失敗する原因
インビザライン治療が失敗する場合、考えられる原因は大きく分けて2つあります。
歯科医師側の問題
先にもご説明したように、インビザラインは歯科医の腕によるところが非常に大きいです。
シミュレーションをもとに、最終的な歯並びや、矯正途中の歯の動きなどを考えながら、治療計画を細かく立てていきます。
この治療計画に問題があると、効果の低いマウスピースができあがってしまいます。そのため、思うような結果は得られなくなります。
こういった意味でも、経験の豊富な信頼できる歯科医を選ぶことが重要です。
矯正治療を受ける側の問題
治療計画に問題がないのにインビザラインが失敗する場合、もっとも多いのは「マウスピースの装着時間が短すぎる」ケースです。
従来のワイヤー矯正と違い、インビザラインでは患者さん自身がマウスピースを取り外せるため、こういった問題が起こりやすくなります。
計画どおりに治療を進めるためにも、指示にしたがって毎日20時間以上装着するとともに、定期的に診察を受けることが大切です。
また、マウスピース装着時には必ず「チューウィ」を使って、しっかり密着させましょう。
(まとめ)インビザライン(マウスピース矯正)で失敗しないための対策方法と原因
国際的に治療効果が認められているインビザラインですが、残念ながら失敗することもあります。
それはインビザラインそのものに問題があるわけではなく、治療計画を立てる歯科医師、もしくは患者さん自身に原因があるケースがほとんどです。
これらに問題がなければ、インビザラインは高い確率で成功します。
インビザラインの失敗例としては、「歯並びが治らなかった」「噛み合わせが悪くなった」「出っ歯になった」などが代表的です。
特に奥歯の噛み合わせが悪くなるケースが多く報告されています。
マウスピースの使用時間を減らすなどして改善できることもありますが、場合によってはワイヤーを使った矯正が必要になることもあります。
インビザライン治療を成功させるためには、「経験豊富な医師を見つける」「医師の指示を守る」「マウスピースの装着時間を守る」「口腔ケアを怠らない」の4点が重要です。
クリニックを選ぶ時は、医師の矯正治療の経験年数や、マウスピース矯正の実績などを確認しましょう。
もちろん、作ってもらったマウスピースを指示にしたがって正しく使用することも大切です。
インビザラインが失敗する原因は、「歯科医師側に問題があった」もしくは「矯正を受ける側に問題があった」のどちらかです。
歯科医師側に問題があったケースでは、治療計画が正確ではなかった、またはインビザラインの適応・不適応の判断が適切ではなかった、などが考えられます。
矯正を受ける側に問題があったケースでは、マウスピースの使用時間や通院スケジュールを守っていなかった場合が多いです。