歯並びや歯の色は、人の第一印象に大きな影響を与えます。特に目立つ前歯は、歯の位置がおかしかったり、黄ばんでいたりすると、素敵な笑顔も台無しになってしまいます。
こういった歯並びや歯の色を改善するには、いろいろな方法がありますが、そのなかでも有効な治療法がセラミック治療です。
セラミック治療は、セラミックの素材でできたかぶせ物をすることで、歯並びを整えたり、歯の色を改善する治療法です。
多くのメリットがあり、部分的な治療も可能で、前歯にセラミック治療をおこなう人も増えています。
目次
前歯をセラミックで治療するメリットとは
セラミック治療が増えてきているのは、多くのメリットがあるためです。
まずメリットとして挙げられるのが、見た目の美しさです。セラミックは天然の歯に近い色を再現でき、治療後も不自然なく口元に馴染みます。特に1番目立つ前歯は審美性が問われるため、前歯の部分治療にセラミックを選ぶ方も多くいます。
セラミック治療で用いる素材はセラミックのため、金属を一切含みません。銀歯のように金属を含む素材は、唾液によって金属が溶け出し、歯茎が黒ずむ原因になります。稀に金属アレルギーを発症してしまうこともあります。セラミックであれば、素材の劣化がなく金属アレルギーの心配はないため、身体に優しい素材といえるでしょう。
また、歯並びの矯正は通常1〜2年かかりますが、セラミック矯正は早ければ2か月以内で矯正できます。短期間で歯並び、色・形・大きさなど総合的に改善できるのがセラミック治療です。
セラミック治療のデメリットとは
セラミック治療には次のようなデメリットがあります。
大きなデメリットは、保険が適用外のため治療費が高額になることです。費用はセラミックの種類や施術の内容によって変わりますが、1本あたり約30,000円からとなります。すべて自費となるため、金銭的な負担は大きいといえます。
またセラミック素材は審美性に優れていますが、割れやすい性質を持っています。天然の歯より強度はあるものの、大きな負荷がかかると割れてしまうというのもデメリットといえます。普段から激しいスポーツをする方などは、セラミックより強度の高い素材を選んだ方がよいでしょう。
セラミック治療は、天然の歯を削ることでかぶせ物をする治療法です。そのため健康な歯であっても必ず削らなければならない、というデメリットもあります。歯を削ることに抵抗がある方は、別の治療法を検討した方がよいかもしれません。
レジンのセラミック治療
セラミックにはいくつか種類があり、特徴が異なります。セラミックのなかには、レジン(プラスチック)を混ぜ合わせた素材があり、これをハイブリッドセラミックといいます。セラミックの審美性とレジンの特性を合わせ持ち、幅広い症例に適用する汎用性がある素材です。
メリット
ハイブリットセラミックのメリットは、オールセラミックに比べ治療費が安価であることがまず挙げられます。セラミック歯は1本あたり約80,000円からとなりますが、ハイブリッドセラミックは約30,000円からと比較的安価です。金銭的にもハードルが低く、初めてのセラミック治療としておすすめです。
またオールセラミックと同じく金属不使用なので、アレルギーの心配もありません。審美性のあるセラミックと柔軟性のあるレジンが合わさっているため、見た目のよさと噛み合う歯を傷めない特徴があります。
デメリット
デメリットとして挙がるのは、長期使用で変色や劣化がおこることです。セラミックは耐久性のある素材で、経年劣化がほとんどありません。しかしレジンが含まれるハイブリッドセラミックの場合は、変色や劣化がおこります。オールセラミックと比べると審美性は劣り、軟らかい素材であるため傷つきやすく、すり減りやすいといえます。
長年使いたいという方は、ハイブリッドセラミックよりオールセラミックなど、より劣化が少なく耐久性に優れた素材がよいでしょう。
人工ダイヤモンドのセラミック治療
人工ダイヤモンド(ジルコニア)でできたセラミックを用いた治療があります。人工ダイヤモンド(ジルコニア)はセラミックのなかで最も強度が高い素材で、審美性も兼ね備えており、従来のセラミックの割れやすいデメリットも解消します。
人工ダイヤモンド(ジルコニア)でできたセラミックを用いた治療があります。人工ダイヤモンド(ジルコニア)はセラミックのなかで最も強度が高い素材で、審美性も兼ね備えており、従来のセラミックの割れやすいデメリットも解消します。
メリット
人工ダイヤモンド(ジルコニア)セラミックのメリットは、なんといってもその強度です。使われている人工ダイヤモンドは、NASAのスペースシャトルに使われるほどの強度を持ちます。そのため、最も負荷のかかる奥歯によく使われます。
天然の歯のような白さを合わせ持つため、前歯にも適用可能です。普段から激しいスポーツをされる方は、人工ダイヤモンド(ジルコニア)を用いたセラミック治療が適しているでしょう。
デメリット
デメリットとしては、審美性はオールセラミックに劣るという点です。天然の歯に近い見た目ですが、透明感や白さはオールセラミックの方が優れています。そういった理由から、目立たない奥歯に人工ダイヤモンド(ジルコニア)によるセラミック治療を選ぶ方も多くいます。ただし、人工ダイヤモンドにグラデーションをつけて、より自然な仕上がりにするセラミック治療もあります。単色の人工ダイヤモンドに、透明感を加えて自然な色調に仕上げることも可能です。
また強度が高い分、他の天然の歯を傷つけてしまうリスクがあるのもデメリットです。普段から歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、治療でかぶせたセラミック歯が欠けることは滅多にありませんが、他の歯が欠けてしまう可能性があります。
前歯のセラミック治療の料金は?
セラミック治療は、セラミックの種類によって変わります。
湘南美容歯科の治療を例に紹介します。
施術メニュー | 1本あたりの料金(モニター料金) |
湘南ハイブリッドセラミック | 45,000円(29,800円)税込 |
フルジルコニアセラミック | 90,000円 税込 |
グラデーションセラミック | 100,000円(90,000円)税込 |
プレミアムダイヤモンドセラミック | 120,000円(100,000円)税込 |
ダイヤモンドオーダーセラミック | 145,000円(125,000円)税込 |
前歯を2本治療する場合は、上記の価格の2倍かかる計算になります。その他、セラミック治療以外にも、歯茎を整える歯肉整形があります。歯肉整形は片あご42,000円(税込)になります。歯並びを整えるだけでなく、歯茎ラインや歯茎の黒ずみが気になる方は、一緒に治療を検討してもよいでしょう。
(まとめ)セラミックで前歯を治療する方法とは?
セラミック治療は、セラミックの素材でできたかぶせ物をすることで、歯並びを整えたり、歯の色を改善する治療法です。
多くのメリットがあり、部分的な治療も可能で、前歯にセラミック治療をおこなう人も増えています。
セラミックは天然の歯に近い色を再現でき、治療後も不自然なく口元に馴染みます。
またセラミック治療で用いる素材はセラミックのため、金属を一切含みません。
ハイブリッドセラミックと呼ばれるレジンを用いたセラミック治療があり、比較的安価なのが特徴です。ただし変色しやすく耐久性にやや難があります。
人工ダイヤモンドを用いたセラミック治療は、発色や耐久性に優れています。その分、やや高価になります。
セラミック治療による歯の矯正には保険が適用されないため、治療費が高くなってしまいます。