仮歯の寿命は明確ではありませんが、数ヶ月経つと劣化すると言われています
仮歯はあくまでも応急措置なので、寿命はさほど長いとされていません。
仮歯の素材として使われるプラスチックは、急激な温度変化や、衝撃には強くありません。
そのため、過酷な口腔内で毎日使われた結果、数ヶ月で劣化し破損し、外れやすくなったりすると言われています。
また、1ヶ月程度ですり減り隙間ができると隣の歯が移動したりすることで、虫歯ができるリスクも高まります。
仮歯がいくら快適でも、通院を中断しないで専門医による定期的なメンテナンスをきちんと受けましょう。
目次
仮歯は長期間の装着で、劣化や変色することがあります
虫歯処置で歯を大きく削った場合、被せものや人工歯を作成してはめ込む必要があります。
被せものはすぐにはできないため、処置日は歯の穴を塞ぐために仮歯を入れます。
一般的な仮歯は、プラスチック状の樹脂が材料となっています。
食事などでは外れない、破損しない程度の強度と接着性はありますが、あくまでも仮の蓋なので長期間は使えません。
また口の中は、熱いものや冷たいものが絶えず歯や歯茎に触れるなど過酷な環境にあるため、徐々に仮歯は劣化して脆くなり、少しの衝撃でも割れやすくなります。
さらに水分を取り込んで汚れを付着させる性質があるので、黄ばみが出たり茶色く変色したりする可能性もあります。
また、仮歯を接着している仮止め剤も、後に外すことを考えてそれほど接着力は強くありません。
そのため、長期間経つと溶け出したりすり減ったりすることも考えられます。
仮歯の明確な寿命は個々の口の中の状態などによって異なりますが、数ヶ月も経つと変色し、いつ割れてもおかしくない状態になるとされています。
通院を中断すると、仮歯が劣化してさまざまなトラブルが起こります
仮歯の素材自体の寿命は、数ヶ月もあるなら多少通院を中断しても大丈夫かな、と考える方もいるかもしれません。
しかし、仮歯が割れてしまうまで放置することは、その後の処置を難しく、複雑にしてしまうので要注意です。
仮歯の主な材質であるプラスチック状の樹脂はやわらかく、日々の食事における咀嚼や、歯を食いしばる癖、睡眠中に歯ぎしりなどで少しずつすり減っていきます。
そして、1、2ヶ月経過すると隣り合う歯との間に隙間が生じます
その隙間を埋めようとして、隣の歯が自然に仮歯の方へと移動するため、本来の被せものを入れようとしていたスペースが足らなくなる場合もありえます。
さらに隙間に食べかすが詰まり、細菌が繁殖して虫歯を悪化させたり、隣り合う歯に虫歯ができたりする場合も考えられます。
そうなると、新たに歯を削ったり、神経を抜かずに処置できたのに、歯の移動で根管処置が必要となったりするケースも出てきます。
被せものを作り直したり、本来なら必要なかった余分な処置をすることで健康な歯を失ったり、費用や時間が余計かかることにもなりかねないのです。
本来の処置をスムーズに行い、効率よく終わらせるためには仮歯の寿命は1ヶ月程度と考えるのが妥当とも考えられています。
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仮歯装着中は、清潔にして衝撃を与えないことが大事です
仮歯はプラスチック状の樹脂の材質上、寿命は決して長いとは言えず、長期間の装着により隙間が生じるなどさまざまな弊害が生じます。
ただ、日常生活を行う上では不便のないように作られ、接着してあり、患部が守られているので安心してよいと言えます。
そうはいっても、劣化しやすく汚れも付着しやすいので装着中はきちんとケアする必要があります。
まず、食べかすなどが仮歯に付着したり、歯や歯茎との間に詰まりやすかったりするので、飲食後はこまめに歯磨きをしましょう。
仮止めしてあるだけなので、あまり力を入れずにやわらかめの歯ブラシを小さく動かしながら、丁寧に磨きましょう。
隙間には細めの歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると、より清潔できれいにケアできます。
また、仮歯でできる限り食べ物は強く噛まないように気をつけ、硬いものや粘着性のあるものは別の歯で噛むか、装着中は控えるようにしましょう。
歯を食いしばる癖がある方は意識してやらないように心がけ、歯ぎしりがひどい方はマウスピースをつけるなどの方法もあるので、一度担当医に相談してみましょう。
(まとめ)仮歯の寿命って一体どのくらい?
仮歯は素材の性質により、過酷な口腔内の環境にさらされると数ヶ月で劣化し、寿命を迎えるとされています。
しかし、1ヶ月経過した時点でも既にすり減り、さまざまなトラブルが生じるので定期的に専門医にチェックしてもらう必要があります。
仮歯は主に汚れが付着したり、咀嚼によってすり減ったりすることもある素材が使われています。
そのため、数ヶ月装着したままにすると、変色したり劣化して破損したり外れることがあります。
仮歯自体の寿命は数ヶ月だとされていますが、1、2ヶ月ですり減って隙間ができ、隣の歯が移動したり、虫歯になったりするなどの弊害が生じます。
そのため、仮歯のまま通院を中断すると、後の処置が複雑化することになります。
仮歯は材質の性質により、汚れやすいので歯間ブラシなどを併用したこまめな食後の歯磨きが大事です。
さらに、硬いものを噛まないなど、仮歯に負荷をかけないよう注意する必要があります。