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仮歯で使用するレジンにもアレルギーがあるのは本当です
仮歯や詰め物等で使用するプラスチックの素材は、「レジン」とも呼ばれており、金属アレルギーの心配がないとされています。
しかしながらレジンアレルギーというものがあるとされており、アトピー性皮膚炎に似たような症状がでることが特徴的と考えられています。
レジンアレルギーは残留モノマーによるものであり、治療後半日以上経過してから症状が現れるのが一般的です。
日本ではレジンアレルギーの人は少ないといわれています
歯科で使用する金属には「金属アレルギー」を発症する可能性があるとされています。
そのため、金属アレルギーの方に詰め物や差し歯の装着を行う際は、プラスチックのレジンやセラミックの素材を使用することが推奨されています。
しかしながら、レジンにもレジンアレルギーと呼ばれるものがあるのはご存知でしたでしょうか。
世界で初めてレジンアレルギーが報告されたのは1941年のことで、メチルメタクリレート(MMA)によるものだとされています。
その後、1980年代に入ると、コンポジットレジンをはじめとした歯科素材が増えていきました。
それに伴い、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)によるレジンアレルギーを起こす方も増加していったといわれています。
しかし、日本ではレジン素材の研究や開発が進められているため、アレルギーにかかる人の数は少ないのが現状です。
レジンアレルギーの症状はアトピー性皮膚炎に似ているといわれており、湿疹や蕁麻疹、赤み、かゆみなどが皮膚に現れるのが特徴的です。
また、口内の粘膜に「口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)」という炎症を伴う病変が発生することもあります。
セラミックの素材にはアレルギーはないとされています
レジンアレルギーは、完全に固まっていないレジンである「残留モノマー」と呼ばれるものが原因と考えられており、アレルギー症状も治療後すぐではなく、半日以上経過してから症状がみられるケースが多いといわれています。
このようなアレルギーの発症がみられる場合、アレルギーの原因であるレジンを口の中から除去することが対策法として挙げられます。
レジンは仮歯や詰め物、入れ歯、ブリッジなどに多用されているほか、コンポジットレジンとして使用されることもあります。
レジンの代わりに、セラミック、金属、グラスアイオノマーセメントなどの素材を使用することで対処していくのが一般的です。
仮歯の場合、仮歯を取り外したのち残留モノマーを洗い流し再度装着することで症状が治まるケースもあります。
腫れや赤みなどの症状がある場合は、その部位に軟膏を塗ることで症状を和らげていきます。
症状のない箇所に関しては、必ずしもレジンを除去しなければならないというわけではないと考えられています。
ちなみに、セラミック矯正やラミネートべニアで使用されるセラミックにはアレルギーはないとされています。
詰め物や被せ物のレジンアレルギーが心配な方は、セラミックの素材を検討しましょう。
- 関連記事:オールセラミックの寿命はどれくらい?
- セラミックについて詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
レジンアレルギーはパッチテストで検査することができます
レジンアレルギーの検査方法として、皮膚科で行われているパッチテストが挙げられます。
一般的なパッチテストでは、レジンアレルギーの原因物質を特定することが難しいといわれているため、レジンの製品別でパッチテストを行う場合もあるのです。
レジンのパッチテストでは、背中にアレルゲンであるレジンに対応したテープを貼り、48時間後の経過を見ていきます。
その後、72時間後と一週間後にもレジンアレルギーの有無を確認してアレルギーかどうかを知ることができるのです。
中には金属アレルギーとレジンアレルギーの両方をお持ちの方もいらっしゃいます。
金属もレジンも使えないとなると治療方法は限られてしまいますが、それでも歯並びの矯正やすきっ歯の治療などを行うことは十分可能です。
たとえば、オールセラミックであれば進行している虫歯があっても治療することができる上、レジンよりも耐久性や審美性に優れているといわれています。
適切な施術を受けるためにも、まずは信頼できるクリニックで相談してみることをおすすめします。
(まとめ)仮歯で使用するレジンにもアレルギーがあるって本当?
レジンは仮歯や詰め物で使用するプラスチックの素材のため金属アレルギーの心配はないとされています。
しかし、レジンの残留モノマーによるレジンアレルギーを発症する可能性があると考えられています。
アトピー性皮膚炎のような症状が特徴的です。
プラスチックのレジンには金属アレルギーの心配はないものの、レジンアレルギーを発症する可能性があるとされています。
アトピー性皮膚炎に似た症状が特徴的ですが、日本ではレジンアレルギーの人は少ないと考えられています。
レジンアレルギーの原因は固まっていない残留モノマーだと考えられているため、症状の見られない箇所のレジンは除去しなくても良い場合があります。
症状のある箇所のレジンはセラミックなど別の素材に換えることで対処していくのが一般的です。
レジンアレルギーは皮膚科のパッチテストを受けることで検査を行うことができます。
金属アレルギーとレジンアレルギーの両方を持っている方でも、オールセラミックなどの施術で矯正を行うことが可能です。
まずは信頼できるクリニックに相談しましょう。