インビザライン(マウスピース矯正)では歯の噛み合わせが悪くなることもある

インビザライン(マウスピース矯正)では歯の噛み合わせが悪くなることもある
歯並びをよくするために行うインビザライン(マウスピース矯正)ですが、矯正を行うことで、かえって歯の噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。

そこで、どのような原因で噛み合わせが悪くなってしまうのか、また、歯並びが悪くなってしまったときの対処法や、インビザラインがどのような人に向いているのかを合わせて説明します。

インビザラインで噛み合わせが悪くなる可能性について

インビザラインで噛み合わせが悪くなる可能性について
インビザラインは、歯並びを矯正するために行うものですが、インビザラインをすることで、反対に歯に関するトラブルが発生してしまうこともあります。

その一つが、噛み合わせの悪化です。
インビザラインを行ったあと、噛み合わせが悪くなったと感じたときは、そのままにせず、矯正を行っている歯科医で相談するようにしましょう。

噛み合わせがよい状態とは

噛み合わせというのは、上下の歯がうまく噛み合っているかどうかということです。
よい状態の場合、奥歯を軽く合わせたときに、上の歯が下の歯に2~3ミリほど被さります。
これが深すぎたり、浅すぎたりする場合、噛み合わせが悪い可能性があります。

また、前後が開き過ぎていたり、上の歯と下の歯の左右が交互に並んでいなかったりする場合も、噛み合わせがよくないと考えられます。

また、上下の奥歯が合わないという場合も、噛み合わせに問題があります。
一度、歯を噛んだ状態で鏡を見て、自分の噛み合わせがよいかどうか確認してみてください。

インビザラインで噛み合わせが合わない原因

もともとの歯の状態と噛み合わせが変わると、なんとなく違和感を覚えたり、物を噛みづらくなってしまったりします。
インビザラインでは、特に奥歯の噛み合わせが悪くなったと感じることが多くあります。

インビザラインをしてから噛み合わせが悪くなってしまったと感じたときは、噛み合わせが悪くなる原因に心当たりがないか考えてみてください。

取り外す頻度が高い

インビザラインは、1日20時間以上マウスピースを装着しておくことで、歯をマウスピースの形に合うように少しずつ動かして矯正をします。
そのため、取り外す頻度が高かったり、外している時間が長かったりすると、思ったような効果が得られない場合があります。

インビザラインのマウスピースを外すタイミングは、食事のときと、歯を磨くときです。
付けたままでは物を噛むことができませんし、食べかすがつまるとトラブルの原因にもなってしまいます。

また、食事のあとは、必ず歯を磨いてからマウスピースを装着します。
食べかすが歯についたままマウスピースを付けてしまうと、不衛生だからです。

そのため、旅行中や飲み会のときなどは、歯磨きをする時間がとれずに、マウスピースを外しっぱなしになってしまうことがあるかもしれません。
また、食べ歩きなどをする場合は、1日のうち何度もマウスピースを外すことになります。

しかし、インビザラインでは、マウスピースを1日20時間以上付けることを前提に矯正が進みます。
これを守れないと、マウスピースと歯の状態にズレが出て、噛み合わないと感じる原因になるのです。

なんらかの理由で長時間マウスピースを外す場合は、歯科医にどうすればいいか相談するようにしてください。

動かしたい距離が長い

矯正は、歯を動かしたい距離が長くなればなるほど、難しくなっていきます。
インビザラインでも同様で、歯を動かしたい距離が長くなるほど、マウスピースをはめたときの違和感も大きくなってしまうといえるでしょう。

インビザラインでは、最初に動かしたい距離や最終的な歯並びの目標に合わせた計画を立てます。
しかし、歯の移動距離が長かったり、難しい移動をさせようとしたりすると、計画通りに治療が進まずに噛み合わせのトラブルが起こる可能性があるのです。

マウスピースがズレやすい

マウスピースは、それぞれの人の歯の形に合わせて作成されます。
しかし、歯の形によっては、ズレやすくなってしまうことがあります。
このようなズレも、噛み合わせの問題の原因の一つです。

また、インビザラインを行う際、歯にアタッチメントを付けている場合は、アタッチメントの付け方によってズレやすくなってしまっている可能性もあります。

歯の形によるズレが出ている場合は、アタッチメントなどで調整を行います。
一方、アタッチメントが原因でズレが出ているときは、アタッチメントを一度外したり、付け直したりして、ズレないように調整する必要があるでしょう。

マウスピースのズレは、放置すると矯正の効果がうまくでなかったり、かえっておかしな力を歯にかけてしまったりする原因になります。

ズレが気になるときは、早めに治療を受けている歯科医院で相談することをおすすめします。

マウスピース矯正は微調整ができない

マウスピース矯正では、始める前の歯の状態と、将来的に目指す歯並びを元に、矯正に使用するマウスピースを作成します。
随時作るのではなく、最初にすべてのマウスピースを作ることで、効率よく、計画的な矯正をできるというのは、マウスピース矯正のメリットです。

しかし、最初にすべてのマウスピースを作ってしまうため、噛み合わせなどの問題が起こったときの微調整がしにくいという問題もあります。

インビザラインで噛み合わせが悪くなった時の対処法

インビザラインで歯の矯正を行っている最中に噛み合わせが悪くなってしまったときは、まず、かかりつけの歯科医に相談しましょう。

噛み合わせが悪くなっている原因が、マウスピースの装着の仕方や使い方によるものであれば、装着方法を見直すことで改善できる場合もあります。
また、ズレが問題の場合は、アタッチメントの付け方を変えたり、一部だけワイヤーを併用したりすることで、よくなる可能性があるでしょう。

しかし、噛み合わせの悪化が激しく、上記のような対処で改善が見込めない場合は、一度作成したマウスピースを再度作り直すこともあります。

マウスピースを作るには時間もお金もかかりますから、噛み合わせが悪いと感じたときは、早めに医師に相談するようにしてください。

インビザライン(マウスピース矯正)が向いている人

インビザライン(マウスピース矯正)は、それほど大幅な歯の移動をしなくても矯正が可能な人に適した方法です。

また、1日20時間の装着や、食事の度の歯磨きといったマウスピースを利用する際のルールを守れるかどうかも大切なポイントです。

インビザライン(マウスピース矯正)が向いていない人

歯の重なりが大きい人や、抜歯を伴って大幅に歯を動かさなければいけない人などは、インビザライン(マウスピース矯正)で矯正するのが難しい場合があります。

ただし、抜歯を伴う矯正であっても、歯の並び方等によっては可能な場合もあります。
詳細はインビザラインの症例が豊富な歯科医で相談してみてください。

なお、顎自体の外科的手術が必要なケースでは、インビザライン(マウスピース矯正)は利用できません。

(まとめ)インビザライン(マウスピース矯正)では歯の噛み合わせが悪くなることもある

1.噛み合わせがよい状態とは

上下の奥歯を軽く合わせたときに、上の前歯が下の前歯に軽く被さる状態であれば、噛み合わせがよいといえるでしょう。
このとき、上下の歯は互い違いになっています。

一方、そもそも奥歯を合わせることができなかったり、上の前歯が下の前歯に被っていなかったりする場合は、噛み合わせに何らかの問題があります。

2.インビザラインで噛み合わせが悪い原因

インビザラインで噛み合わせが悪くなる場合、マウスピースを外す頻度や長さの問題で、矯正がうまく進んでいない可能性があります。
マウスピースの利用方法に問題がないか確認してみましょう。

そのほか、マウスピースが歯から外れやすい状態であったり、歯を移動させようとしている距離が長かったりする場合も、噛み合わせが悪くなることがあります。

3.インビザラインで噛み合わせが悪くなった時の対処法

インビザラインで噛み合わせが悪くなった時は、できるだけ早く歯科医師に相談してください。
状況に合わせて、アタッチメントを付け変えたり、一部にワイヤー矯正を取り入れたりといった対処を採ることになります。

4.インビザライン(マウスピース矯正)が向いている人

インビザライン(マウスピース矯正)が向いているのは、軽微な歯並びの問題を抱えている人です。
歯を移動する距離が短ければ、トラブルが起こる可能性も少なくなりますし、インビザラインで無理なく矯正ができます。

それと同時に、着用時間やケアといった使用のルールをきちんと守れるかどうかも大切です。

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