一般的には短期間で完了するホワイトニングとして認識されているラミネートベニア。
歯を白くする以外にもすきっ歯を直す、などの簡単な歯並びの矯正も可能です。
こちらのページでは、そもそもラミネートベニアってなに?という方の為に、ラミネートベニアに「できること」「値段」「メンテナンス方法」などを詳しく解説しています。
興味があるけど、いまいちラミネートベニアが分からなかった方も、この記事を読んでいただければ、ラミネートベニアの疑問がすべて解消します!
ラミネートベニアとは
ラミネートベニア法とは「ホワイトニング」と「歯並び矯正」の特徴を併せ持った審美治療のことです。
色や形を調節できるセラミックの薄い人工歯を、自分の歯の上に接着剤で貼り付けることで「歯を白く見せる」「歯並びをきれいに整える」「小さい歯を大きくする」といった、機能面と見た目の美しさを改善することができます。
例えるなら歯に付ける、つけ爪のようなもので、神経が死んでしまい変色してしまった(失活歯)1本だけを白くする、といったことも可能です。
ラミネートベニアの治療方法には、以下の2種類があります。
- 歯の表面を0.5mm程削り、同程度の厚み(形成量)の人工歯を貼り付ける方法
- 歯を削らずに人工歯を張り付ける方法
また、ラミネートベニアの材料には、以下の3種類があります。
- オールセラミック(ポーセレン)
- 土台のジルコニア(人工ダイヤモンド)+上物のセラミッククラウン(被せ物)
- 土台の金属+上物のセラミッククラウン
ラミネートベニアのメリット
ラミネートベニアの最大のメリットは治療完了までの早さが上げられます。
歯列矯正は1~3年、ホワイトニングは6~12ヶ月程度の時間がかかりますが、ラミネートベニアは2~3週間程度で治療が完了します。
虫歯になりやすくなることはありませんので、「すぐに歯を白くしたい」「早く歯並びを直したい」という方に最適な治療方法といえます。
また、ホワイトニングの漂白効果は3~12ヶ月と短いですが、ラミネートベニアの平均寿命は10年程度と長い事もメリットの1つです。
ラミネートベニアの適応範囲(できること)
ラミネートベニアの治療では、以下の事ができます。
- 失活歯(神経のない歯)を白く見せる
- すきっ歯を直す(歯と歯の隙間を埋める)
- 矮小歯(生まれつき小さい歯)を大きくする
- 欠けた歯を元通りに直す
- 不良な歯の整形
- 歯の捻転(ねじれ)を改善する
ここからはラミネートベニアの一部症例を、モニター様の写真と一緒にご紹介いたします。
前歯の出っ歯と歯の大きさを改善した症例
矮小歯(小さい歯)を改善した症例
八重歯間の上前歯6本の歯並びを改善した症例
ラミネートベニアの値段
- セラミッククラウン前歯6本セット
- プレミアムダイヤモンドセラミック6本セット:600,000円(税込)
- フルジルコニアセラミック6本セット:450,000円(税込)
- セラミッククラウン前歯4本セット
- プレミアムダイヤモンドセラミック4本セット:430,000円(税込)
- フルジルコニアセラミック4本セット:336,000円(税込)
- セラミッククラウン1本
- プレミアムダイヤモンドセラミック1本:120,000円(税込)
- フルジルコニアセラミック1本:90,000円(税込)
※ラミネートベニアは保険のきかない自由診療なので、クリニックよって料金はまちまちですが、1本5~10万円の料金が相場のようです。
ラミネートベニアの手順
ラミネートべニアには”歯を削るタイプ”と”歯を削らないタイプ”の2種類、それぞれの治療の流れを紹介します。
歯を削るラミネートべニアの治療の流れ
- 一日目
- 1.歯の表面を削る
歯の表面を0.5~0.7mmほど削ります。歯の神経には届かない程度ですので、痛みはありません。 - 2.型を取る
セラミックの人工歯を作るために、削った歯の表面の型を取ります。セラミックの歯を付けるまでは、仮の歯を付けておきます。 - 二日目
- 3.接着
強力な接着剤で、歯の表面とラミネートべニアをしっかりと固定します。 - 4.研磨と適合
歯の表面を磨き、周囲の健全な歯とほとんど見分けがつかないよう適合させます。その後、嚙み合わせを調整して完了です。
歯を削らないラミネートべニアの治療の流れ
- 一日目
- 1.歯の精密印象を撮影
- 2.型を取る
歯の表面の型を取り、セラミックの歯を作ります。セラミックの歯を付けるまでは、仮の歯を付けておきます。 - 二日目
- 3.出来上がったべニアを試着
色・形・嚙み合わせなどの最終確認をします。 - 4.適合することを確認したのち接着
強力な接着剤でシェル状のラミネートべニアと歯の表面を接着します。
ラミネートベニアを長持ちさせるメンテナンス方法
ラミネートベニア(ポーセレン)は吸水性がなく、10年ほど経過しても黄色く変色する心配はほとんどありません。
ラミネートベニアを長持ちためには「取れる(外れる)」と「われる」の2点に気をつけてください。
取れにくくするために
ラミネートベニアは、接着剤で歯に張り付けているため、強い力(フランスパンをかみちぎるような動作)が加わると取れてしまう場合があります。
また、接着剤の種類にもよりますが、4~5年程度で接着剤の接着力が低下してくるため、3~4年ほど経過した場合はクリニックでの定期メンテナンスを受けましょう。
万が一、ラミネートベニアが取れてしまった場合でも再接着が可能です。
なくさずに保管してください。
割れにくくするために
ラミネートベニアは、通常の咀嚼で欠けてしまう心配はありませんが、歯ぎしりなどの強い力が加わると、割れてしまう場合があります。
「目覚めたとき、顎が疲れている」「肩こりや頭痛がひどい」といった方は就寝中に歯ぎしりをしている可能性があります。
そのような方は就寝中にマウスピース(ナイトガード)をすることで、ラミネートベニアが割れるのを防ぐことができます。
ラミネートベニアで後悔しない為に知っておく事
削るタイプのラミネートベニアは0.5mm程度とはいえ歯を削るので、神経までの距離が短くなり、まれに知覚過敏(しみる)の症状が出る場合があります。
その場合は神経を抜くなどの処置で対応することになります。
逆に歯を削らないタイプのラミネートベニアはセラミックの厚み分、歯が厚くなるので、違和感や滑舌に影響が出る可能性があります。
まとめ
オフィスホワイトニングとラミネートベニアの料金と効果が継続する期間を比較すると以下のようになります。
オフィスホワイトニング | ラミネートベニア | |
---|---|---|
効果の持続期間 | 6ヵ月 | 10年 |
料金相場 | 5万円前後 | 8万円前後(1本) |
10年間の総額 | 100万円 | 96万円(上下12本を想定) |
効果を10年間維持する場合を想定すると、「ホワイトニングの総額は100万円」「ラミネートベニアの総額は96万円」と金額に大きな違いはありません。
ただ、ホワイトニングは完了までに約6ヵ月かかる(ラミネートベニアは約1ヶ月)ことや通院の手間を考慮するとラミネートベニアの方がメリットが多いといえます。
ラミネートベニアでもある程度の歯並びの矯正はできますが、出っ歯を直すといった根本的な矯正はできません。
そのような場合は歯列矯正が必要になるので、医師と相談しながら治療方法を選択することになります。