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歯並びを悪くする習慣を知ることが、歯並びを良くする習慣につながります
歯の周辺には様々な器官があり、かつ生活の中で刺激を受けています。
歯の周辺にあるものの状態や歯に加える力とその方向をちょっと変えるような悪しき習慣があると、歯並びは悪くなっていきます。
そのような習慣を変える、または止めて、歯並びを良くする習慣へと変えていきましょう。
歯は口腔や下顎の状態、習慣の影響を受けています
1日3度の食事で歯には咀嚼による力が加わっていますが、食事をしていない状況でも、歯にはなにかしらの力が作用しています。
歯の周辺を鏡で見て、手で触れてみてください。
口を閉じている状態では、実は上下の歯の間はわずかに離れています。
歯の表側には口唇と頬、内側には舌、そして歯の下には歯根膜を介して骨があります。
噛んだ時の衝撃は、歯周辺の骨へと伝達すると同時に、骨によってブロックされているので、噛む時の力は何かしら歯へも影響を与えているのです。
口唇は、歯を前側から支え、歯が前方向へ飛び出ることを押さえてくれています。
頬の部分は奥歯に接していますから、前歯の場合と同様のことが考えられます。
舌先は口を閉じているときには上列の前歯の裏側から口の中の天井の部分(硬口蓋といいます)に位置し、これを支えています。
上下の歯の位置関係では、上列の前歯が下列の前歯よりもわずかに前側に位置していますので、噛む時に上列前歯の先端よりやや裏側が下列前歯の先に当たることで、下列前歯が前に出てくることを押さえてくれています。
このように、ただ骨と歯茎の上に設置されているだけのように見える歯ですが、実は日々周辺のものの影響を受けているのです。
まずは歯並びを悪化させる習慣をやめましょう
上記でお話しした通り、歯は様々なものや力の影響を受けていますが、歯周辺にあるもの以外にも歯に力が加わることがあり、この一部が歯並びに影響しています。
比較的多いのが、口をいつでもポカンと開けていることです。
慢性鼻炎や副鼻腔炎が原因で口呼吸になっている場合も含みます。
この場合、舌が常に下顎に位置しており、舌先が下列前歯に当たっているためにこの歯が前方に押されることで上列前歯との噛み合わせが変わってしまいます。
それから、頬杖をつくほか横向きで寝ることが多い場合も、歯並びに影響します。
ワイヤーなどで歯列矯正を行う場合、歯に加える力は100~150gほどで、これによって一月に歯は0.4mm動くと言われています。
ですが、頬杖や横向きで寝る場合は頭の重さ、つまり5kgほどが歯にかかることになります。
頬杖をつく場合は片側の歯に力が集中してかかりますし、横向きで寝る場合は片側の奥歯に頭の重さがかかるため、前歯の方向に歯を押し出すような力が加わることになります。
生活習慣で歯並びの悪化を防ぐことができます
「歯並びが悪いのは遺伝で・・・」と仰る方がいらっしゃいます。
確かに歯並びは、顎の大きさと歯の大きさのバランスが影響するため、遺伝的要素があることは否めません。
ですが、それは全体の3割程度と言われ、生活習慣によって歯並びを悪くしない、歯並びを良くすることもできるのではないでしょうか。
まず心がけたいのは、口が動いていない状態では口を閉じていることです。
鼻づまりが原因で口呼吸になっている人は、出来る限り早く鼻の治療を受けましょう。
それから、頬杖をつく癖がある場合、時として姿勢の悪さが関与していることがありますので、背筋を伸ばして顎を引き、頭が背骨の真上に来るような姿勢を心がけましょう。
また、横向き寝でいつも同じ側を下にしているという場合、ぐっすり眠ってしまうとどうにもなりませんが、仰向けに寝ることを心がけ、横向きでも向く方向をたびたび変えるようにしましょう。
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ただ、叢生や乱杭歯、八重歯による噛み合わせの異常がすでにある場合、噛む時に加わる力が歯の向きを悪い方向へ助長することもありますので、そのような場合には歯列矯正やセラミッククラウンによる施術が必要になります。
(まとめ)歯並びを良くする習慣にはどんなものがあるの?
歯の周辺にあるものの状態や、歯に加える力によって、大人になっても歯はわずかながら動きますので、場合によっては歯並びを悪くすることがあります。
歯並びを知り、悪しき習慣を止めて、歯並びを良くする習慣へと変えていきましょう。
歯の周辺には、口唇や舌、骨などがあり、咀嚼によって力が加わる時以外にも、様々な作用を歯にもたらしています。
また、咀嚼では歯に加わる力が歯の位置関係を修正する方向にも働いているようです。
歯には様々な力が加わっています。
口を開けっ放しにしていると、舌が下列前歯を押し出してしまうほか、頬杖や横向き寝では片側の歯に頭の重さがかかり、歯同士の接触などによって歯の生えている向きが変わってしまうことがあります。
鼻炎など、口呼吸を促すような原因がある場合は、その治療を受けたうえで、口を閉じて鼻呼吸を心がけましょう。
また、姿勢を正すことで頬杖を止める、あるいは就寝時には寝る方向を変えるなどして歯に力が集中しないようにすることが大切です。