歯の詰め物(インレー)の素材の種類|金属・レジン・セラミックのメリットとデメリット

歯の詰め物(インレー)の素材の種類|金属・レジン・セラミックのメリットとデメリット
虫歯治療などでできた歯の欠損部分に詰めるインレーは、種類によって料金や仕上がり、虫歯のなりやすさなどが異なります。
素材によって費用や特徴が異なるため、料金重視なのか仕上がり重視なのかによって選ぶべき素材が変わります。
ここではインレーの素材による違いを詳しく見ていきましょう。

インレー素材の種類

インレー素材の種類
インレーとは、簡単に言うと歯の詰め物のことです。
素材によって強度や虫歯のなりやすさ、変色のしやすさなどさまざまな違いがあります。

そのため、インレーの素材を選ぶときは、どこの部位に使うのかはもちろん、それぞれのメリットやデメリットを加味することが重要です。
インレーの特徴を知らないままなんとなく選んでしまうと、時間が経ってからの変色や破損の原因になりかねません。

金属インレーの特徴

良く見かける金属のインレーは、いわゆる銀歯と呼ばれる金属製の詰め物です。
保険が適用でき、安価なことから目立たない部位の治療に金属のインレーを選ばれる方が多くいます。

しかし、前歯に金属のインレーを使ってしまうとどうしても目立つことから、部位によってはプラスチックやセラミックが選択肢となります。

メリット

一番のメリットは、料金が安いことが挙げられます。
保険適用になるのもありますが、金属インレーはもともとの値段が安いものです。
そのため、少ない負担で治療を進められます。

また強度が高いことも金属インレーのメリットです。
人が歯を食いしばると90kgもの力が歯にかかると言われています。
金属インレーであれば十分な強度があるので、力を入れても割れることがありません。

デメリット

金属インレーは、どうしても目立ってしまいます。
そのため、前歯の治療には向いていません。

また、アレルギーがある方は使えないこともデメリットです。
まれに金属インレーを使うことでアレルギーを発症してしまう方もいます。

金属インレーの強度が歯よりも高いため、歯が割れてしまったり摩耗したりするケースもあります。
ほかにもインレーとの隙間に虫歯が発生するリスクや溶け出した金属イオンが沈着して黒っぽくなることもあります。

歯科用プラスチック(レジン)インレーの特徴

コンポジットレジンとも呼ばれるプラスチックインレーは、歯科治療で頻繁に使用されています。
金属インレーと違って目立ちにくいこと、保険適用になるものもあるため比較的安い値段で治療できることが選ばれる理由でしょう。

メリット

プラスチックインレーは、白色の詰め物でありながら値段が比較的安価で済みます。
できるだけ安い値段で白い詰め物をしたい方に向いていると言えるでしょう。
その場で固めていくので、1回の治療で終わります。

治療期間が短くて済むため、何度もクリニックに通うことが難しい方には嬉しいものです。
また、色の種類が豊富なので、自分の歯に合わせた色合いで詰め物を作ることもできます。

デメリット

プラスチックインレーは、どうしても時間の経過とともに少しずつ変色してしまいます。
変色のしやすさは改善されつつありますが、ゼロではありません。
そのため、数年経つとプラスチックインレーの部分だけ周りから浮いて見えることがあります。

耐久性がそこまで高くないので、欠けたりすり減ったりしやすいこともデメリットです。
強い力を加えると割れてしまうこともあるでしょう。
限られた範囲での治療に適しているため、広範囲に及ぶ被せものには向いていません。
また、医師の腕によって仕上がりの色や形が変わります。

セラミックインレーの特徴

セラミックインレーは、範囲に関係なく白い詰め物ができます。
天然の歯と見分けがつかないほどの仕上がりになりますが、保険の適用は不可です。

メリット

セラミックインレーの強度は歯と同じくらいあるため、歯を傷つけてしまうリスクが少なめです。
また天然の歯と見分けがつかないほどの仕上がりも特徴です。
色も質感も歯に似ているため、周りの歯と比べて浮くことはないでしょう。

そのため、より自然な仕上がりにしたい方に向いています。
またセラミックインレーは、歯と隙間なく適合する性質があるので、隙間から虫歯ができにくくなっています。

デメリット

仕上がりが天然の歯に近いセラミックインレーですが、残念ながら保険適用となりません。
そのため、費用面の問題からセラミックインレーを使えない方もいるでしょう。
安くても30,000円ほどかかるため、決して安い金額とは言えません。
また値段が高いものの、欠けたり割れたりする可能性がゼロではないこともデメリットです。

奥歯をセラミックにして後悔するケース

セラミックが優れていた素材であることに間違いはありませんが、奥歯をセラミックにすると人によっては思いもよらぬトラブルを被る可能性があります。

食いしばりや歯ぎしりをしやすい方が奥歯をセラミックにすると、インレーが割れてしまう可能性があります。
特に奥歯は力が加わりやすいため、人によっては注意が必要です。

インレーの素材の選び方

インレーは単に保険の適用や目立たないかだけで選べるものではありません。
奥歯の治療をできるだけ安い値段で済ませたい方は、金属インレーが向いています。
素材そのものも安く保険適用になるため、金銭的な負担が少なく済みます。

可能な限り安い値段で白い詰め物をしたい方にはプラスチックインレーが向いているでしょう。
やや変色しやすい特性があるので、前歯よりは奥歯の治療に向いています。

とにかく天然の歯に近い見た目にこだわる方や、虫歯のリスクを抑えたい方はセラミックインレーがおすすめです。
ただし奥歯をセラミックインレーにすると、人によってはインレーが欠けてしまうリスクがあります。

(まとめ) 歯の詰め物(インレー)の素材の種類|金属・レジン・セラミックのメリットとデメリット

1.金属インレーの特徴

金属インレーは、保険適用となるので安価なことが特徴です。
しかしどうしても目立ってしまうため、手前の歯への使用は向きません。
安いことがメリットですが、強度が高いあまり自分の歯を傷つけてしまったり、歯肉に色素が沈着してしまったりする可能性があります。

2.歯科用プラスチック(レジン)インレーの特徴

保険適用になるケースもあるので、比較的安価で白い詰め物ができます。
その場で詰めてもらえるので、治療回数が少なく済むことが魅力です。
しかし変色しやすく耐久性に劣ることから、審美性を重視する方には向いていないと言えます。

3.セラミックインレーの特徴

天然の歯に近い仕上がりを重視するなら、セラミックインレーが適しています。
区別がつかないほど自然に仕上がるため、前歯などの治療に向いているでしょう。
強度が歯と同じくらいなので、自分の歯を傷つける心配もほぼありません。

4.奥歯をセラミックにして後悔するケース

セラミックインレーは、強度がある代わりに強い力が加わると割れやすい性質をもちます。
そのため、奥歯をセラミックインレーにすると、人によっては破損するリスクが伴います。
食いしばりや歯ぎしりがある方は注意しましょう。

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