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オールセラミックでは変色の心配は不要です
オールセラミックは陶器の素材を高い圧力をかけ焼き固めた素材なので、水や唾液が染み込む心配がないので、変色の心配は不要です。
また、金属とも違うので水や唾液で溶けだす心配もないため、歯茎が黒ずむこともありませんから、安心して使用し続けることができます。
オールセラミックでは変色の原因となる水分や唾液が染み込むことがありません
虫歯の治療で歯を大きく削った時、あるいは歯並びを改善するために歯を大きく削った後は、歯にかぶせ物(クラウン)を装着します。
その素材として用いられるものには数種類ありますが、セラミックもその一つです。
このうち、クラウンをすべてセラミックで制作した場合のことを、オールセラミックと言います。
セラミックは陶器と同じ材料を、高い圧力をかけながら焼き固めた素材なので、口の中の唾液や食べ物の水分が入り込む隙間がありません。
そのため、オールセラミッククラウンでは、変色の心配が要りません。
セラミックを使用したクラウンには、ハイブリッドセラミックというものもあります。
この場合、セラミックに金属を混ぜているのですが、使用しているうちに水分や唾液によって中の金属が溶けだし、変色することがあります。
一方、オールセラミックの場合は混ぜ物が全くと言っていいほどありませんから、変色の原因となるものが含まれていないので、色が変わる心配がないのです。
さらに、天然の歯を黄ばませる原因となるコーヒーやタバコのヤニでも、オールセラミックは変色することがありませんので、天然の歯以上に綺麗な歯を保つことができます。
ハイブリッドセラミックは変色の可能性があります
クラウンとして使用される素材の一つであるセラミックでは、『オールセラミック』の他に『ハイブリッドセラミック』というものもあります。
ハイブリッドセラミックとオールセラミックの違いは、クラウンがすべてセラミックで作られているオールセラミックであるのに対し、ハイブリッドセラミックでは金属が混ぜられている点です。
金属が入っていることで強度としては高くなるのですが、10年程度使用しているとその金属に変質が起こることです。
口の中は、乾燥しているわけではありません。
眠っている間以外は唾液が分泌されますし、食べ物を口に入れれば食べ物に含まれる水分も口の中にあふれます。
その水分は長い期間をかけて金属を溶かします。
すると、歯自体が変色していきますが、同時に溶けた金属が歯茎をも変色させることがあるのです。
『変色』と聞くと、歯の変色を一番に思い浮かべるかと思いますが、クラウンに使用する素材によっては、歯茎も変色させることがあるのです。
- 関連記事:オールセラミックとハイブリッドはどんな違いがある?
- オールセラミックとハイブリッドには、強度や見た目などでそれぞれ特徴があります。
プラスチック素材のクラウンは2~3年ほどで変色します
オールセラミックは保険適用外、つまり自由診療で行われる施術法なので、かかる料金は歯科医院によって異なります。
ですが、1本あたり7万円以上はかかる施術法ですから、躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。
保険適用となるのはプラスチック素材のクラウン、コンポジットレジンで、1本あたり8000円程度の出費で済ませることができます。
この金額なら、コンポジットレジンの方を選びたくなるかもしれません。
ですが、プラスチック素材は水分を吸収しやすい素材のため、耐用年数こそ7年ほどはあるものの、実際は2~3年程で変色してしまいます。
歯としての機能は長く保つことはできますが見た目、つまり審美性ではオールセラミックにはやや劣るといえるのかもしれません。
変色による見た目への影響を考え、2~3年おきにコンポジットレジンを入れ替えていると、オールセラミックの耐用年数である20年程度が経過する頃には、総計8万円程度を支払うことになりますから、オールセラミックを選んだ場合とかかる料金はあまり差がないということになります。
(まとめ)歯をオールセラミックにしたら変色は防げるの?
オールセラミックは水や唾液が染み込むことがないので、変色することことは心配しなくても良いです。
また、水分で溶けるという心配もない素材なので、金属を使用した場合のように歯茎が黒ずむこともありません。
オールセラミックでは混ぜ物がありませんから、唾液や食べ物の水分で素材が溶けだす心配もなく、変色することもありません。
また、タバコのヤニやコーヒーが染み込むこともないので、綺麗な歯を長く保つことができます。
ハイブリッドセラミッククラウンでは、セラミックに金属が混ざっています。
口の中の水分はこの金属を溶かし出し、歯を変色させますが、同時に歯茎を変色させることがあります。オールセラミックではこのような心配は要りません。
プラスチック素材のクラウン、コンポジットレジンは水分を吸収しやすい素材のため、2~3年程度で変色します。
審美性を考え、変色するたびにコンポジットレジンを入れ替えていると、オールクラウンを入れた場合とかかる費用は大差ないことになります。