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歯並びが口の形に影響を及ぼすことがあります
前歯が前方にせり出したような歯並びになっていると、口を閉じているときに顔を横から見ると、口が鼻よりも前の方へ飛び出しているように見えます。
一方、下顎が前にせり出している下後前突の場合は、下唇が上唇よりも前に飛び出しているような状態になります。
このように、歯並びは口の形に影響するのです。
上顎前突があると口が空きっぱなしになったり鼻よりも唇が前に突出したりします
あなたは普段、気が付いたら自分の口がポカンと開いている、なんてことはありませんか?
あるいは、口が開いていることを指摘されたり、逆に誰かが口を開けっ放しにしていることを指摘することは無いでしょうか?
よく言われるのは、最近の若い方は食べ物が柔らかくなってきたせいか顎の力が弱く、口を開けっ放しにしていることが多いということです。
ただ、口を開けっ放しにしている人の中には、実は口が閉じにくいためにいつも開いているという人がいらっしゃるようです。
原因の一つとして挙げられるのは、八重歯がある、前歯の生え方が前方に突出している、あるいは上顎の骨自体が下顎の骨よりも前にせり出しているという、上顎前突です。
口を閉じるとき、唇は上下垂直に動きます。
ですが、前歯が前方に傾いて生えた状態になっていると、口を閉じるときに唇をやや前方に突き出すような形に動かさなければなりません。
また、上顎前突がある方の場合、横顔を見ると、本来鼻よりもやや奥まった位置にあるはずの唇が、鼻よりも前に突出しているような状態になっていることが多いようです。
このように、上列の前歯、あるいは上顎の状態は口の形に影響を及ぼすのです。
下顎前突があると下唇が上唇よりも前に突出してしまいます
特徴的な「口の形」と言われて思いつくものの一つに、下唇が上唇よりも前にせり出しているという状態を連想される方も少なくないでしょう。
もちろん、下唇が上唇よりも厚いことでそのように見える方もいらっしゃいますが、中には顎や歯が前に出っ張っていることでそのような状態になっている方もいらっしゃるようです。
舌で常に歯を前に押してしまう舌癖があったり、本来上列前歯の裏側に位置しているはずの舌先が、舌が下顎の中に収まっていることで下列の歯に当たっていることで、下列の歯が前にせり出して生えているということがあります。
あるいは、顎の骨は上下で発達時期やその長さが異なり、下顎の骨は上顎の骨よりも長い発達期間を持っているために、下顎の方が大きくなり前に突出してしまうということがあります。
どちらも下顎前突、あるいは反対咬合、一般的には受け口と呼ばれますが、このような状態になると歯が下唇を前に押し出してしまうために、横顔を見ると下唇が上唇よりも前にせり出しているように見えるのです。
思春期にある方や、お仕事で人と接することの多い営業の方では、口元は見られやすい部分である上に話し方にも影響を及ぼすので、気になります。
上下顎前突を改善すると口の形も改善します
上下顎前突があると、歯によって唇が前に押し出される形になりますが、言い換えるとこの上下顎前突を改善すると、口の形を整えることもできます。
上下顎前突は、単に歯の生えている方向に由来する歯性上下顎前突と、顎の骨自体が前にせり出していることが原因となっている場合の2タイプに分けられます。
上顎前突の場合ですが、歯性の場合にはセラミッククラウンを使って歯の傾きを変化させる施術が行われます。
骨格性の場合の施術では、骨格自体にアプローチするために顎の骨を歯が付いた状態のまま切り取って後ろ側へ移動させる方法と、歯茎自体を後ろ側に動かすために器具を用いて歯列矯正を行う場合とがあります。
下顎前突の場合ですが、歯性のものでは上顎前突同様にセラミッククラウンによる施術、また骨格性の場合も上顎前突同様に、骨を切り取り後方へ移動する分節骨切術を行います。
いずれにしても、前歯の状態が改善すれば、口の形をそれまでよりもきれいにすることができます。
さらに噛み合わせが悪い状態で長い時間放置すると、その噛み合わせがさらに歯の傾きをひどくしてしまい口の形にも影響しますので、できるだけ早く施術を受けることをおすすめします。
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- 自力て歯並びを治すことはできません。間違った方法で余計に悪化させる可能性もあるため、歯医者で治療を行いましょう。
(まとめ)歯並びと口の形には関係があるのですか?
口、あるいは唇は歯の前側に位置していますので、歯が前にせり出していたり、受け口になっていると唇が前に飛び出しているように見えます。
場合によっては、口が閉じにくい原因になることもあります。
前歯が前方にせり出して生えている、あるいは上顎が前に突出しているような状態では、口が閉じにくいです。
そのため常に開きっぱなしになったり、横顔を見ると唇が鼻よりも前に突出しているような状態になります。
下列前歯が前に傾いて生えていたり、下顎の骨が前にせり出しているなどの下顎前突の状態にあると、下唇が上唇よりも前に突出した格好になります。
このような状態では見た目だけではなく、話し方にも影響を及ぼすことがあるのです。
上下顎前突を改善する場合、歯性の場合はセラミッククラウンによる歯の傾きを修正します。
また骨格性の場合には、歯がついたままで顎の骨を切って移動させる分節骨切術が行われます。
これによって口の形も改善していくでしょう。