顎の骨の発達に不具合があり歯並びが悪いといびきに影響します
幼児期から小学校低学年の間にしっかりと食べ物を噛まないでいると、顎の骨が十分に発達せず、小さな顎に大人サイズの永久歯が生えることで歯並びの悪さがもたらされます。
また、顎の骨を動かす筋肉も十分に発達しないために、眠っている間に舌を支えきれなくなって舌が喉の方へ落ちくぼみ、喉を塞いでしまうために、いびきの原因になってしまいます。
歯並びの悪さといびきの原因は同じといえます
歯並びの悪さは、顎の発達が十分でないことが原因です。
歯並びの悪い人にいびきが多いといわれることもあるようですが、実は歯並びの悪さといびきとは、原因が共通しています。
いびきをしやすくなる原因として、顎の小ささが挙げられています。
これは、食べ物をしっかりと噛む習慣がないことで、顎の発達が不十分になるということだけではなく、下顎の骨を動かす筋肉も十分に発達しないことと関係があります。
食べ物をしっかりと噛むということをしていないと、耳の前側や側頭部にある咀嚼筋や、下顎の骨を下の方へ引っ張る筋肉も十分に発達しなくなります。
すると、顎の骨を支えきれなくなり、眠っている間に下顎骨が後方の喉の方へ落ちてしまいます。
またこのような人の場合には、舌の筋肉を支えることも不十分なために、眠っている間に舌が喉の方へ落ちくぼみ、喉を狭くしてしまうのです。
このように、顎の骨の発達は歯並びだけではなく、眠っている間のいびきにも影響を及ぼしているのです。
歯並びの悪さがいびきをもたらす原因になっているわけではないので、歯並びを矯正するだけではなく、可能であればしっかりと食べ物を噛む、あるいは固いものを噛むという習慣をつけて、顎の骨や咀嚼筋を鍛えることが、いびきの予防につながります。
「いびき」は様々な原因によって起こります
日中起きて活動している間も寝ている間も、呼吸して喉を空気が通るのは同じなのに、どうして夜寝ている間だけいびきが出てしまうのか、不思議に思う方も多いでしょう。
呼吸するときは、喉の奥の咽頭や喉頭部分を空気が通ります。
ここが何らかの理由で狭くなると、そこを空気が通ったときに乱流が起き、これがいびきの元となる音を生み出します。
つまり、空気の通り道を狭くしたり塞ぐ要素があると、いびきをかきやすいということになります。
一般的には、熟睡している間に喉咽頭の筋肉が緩んで喉が狭くなり、これによっていびきが起こります。
いびきをしやすい人にはいくつかの特徴があり、肥満気味で首回りに脂肪が多い人や二重顎の人、舌が大きめの人、口蓋垂(のどちんこ)が大きめの人、口呼吸をしている人、顎の小さい人などが挙げられます。
眠っている間は舌の筋肉も緩み、喉の方へ落ち込むことがあります。
すると、喉を狭くしてしまうためにいびきを起こしてしまうのです。
また、首回りに脂肪が多い人の場合は、その脂肪が喉を圧迫して狭くしてしまい、いびきにつながります。
二重顎の場合は喉周辺に脂肪がついているというよりも、顎の筋肉が緩んでいることが原因になっていることの方が多いため、眠っている間に顎や舌を支えきれずに喉がふさがれ、いびきを起こしてしまいます。
顎の骨の発達が原因で悪くなった歯並びは矯正しましょう
近年、顎の発達が十分でない人が多いといわれています。
これは、食生活において食べ物が柔らかくなったために、噛む回数が減っていることに由来しています。
食べ物が柔らかくなって来れば、歯であまり噛まずとも飲み込むことができますし、舌でつぶして食べることも可能となり、歯を伝って顎の骨へ十分な刺激が与えられないために、顎の骨が大きくなりにくいのです。
乳歯よりもサイズの大きな永久歯を、発達が不十分な顎にすべて生えそろえるためには、歯並びを犠牲にせざるを得ません。
こうして悪くなってしまった歯並びは、審美的な面でも悪影響を与えます。
また、歯並びが乱れて嚙み合わせが悪くなることで、咀嚼が上手くいかず消化不良などを招く可能性もあります。
こうしたトラブルを防ぐために、できるだけ早期に歯並びを矯正することをおすすめします。
近年では矯正治療も発展を遂げており、見た目への影響が少なく、さらに治療にかかる期間も従来よりも短いセラミック矯正なども登場してきています。
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(まとめ)歯並びが悪いといびきがひどくなるの?
歯並びの悪さは顎の骨が十分に発達しなかったことが原因ですが、顎の発達に必要な「噛む」という動きが少なくなることで、顎の筋肉も発達せず、いびきをももたらしてしまうようです。
食べ物をしっかりと噛む習慣がなくなると、下顎の骨の発達が不十分になるだけではなく、いびきの原因にもなります。
しっかりと噛む習慣をつけて顎の骨と咀嚼筋を鍛え、下顎の骨を適正な位置にできれば、いびきは予防できます。
喉の内部や首の周辺に何らかの原因があると、いびきを起こすようです。
眠っている間は喉周辺の筋肉が緩んで喉が狭くなりやすいため、いびきを起こします。
また、首回りに脂肪がついている人や口呼吸をしている人でも、いびきを起こしやすいようです。
食事の欧米化や柔らかい食べ物を好む傾向は噛む回数を減らし、顎の発達を不十分にさせる原因になります。
すると、乳歯よりもサイズの大きな永久歯を全て生えそろえるためには、歯並びを犠牲にせざるを得ないのです。
こうして悪くなってしまった歯並びは、矯正治療によって治療することをおすすめします。