舌がピリピリ痛いなら舌痛症の疑い|噛み合わせなど歯のトラブルで舌が痛い可能性も

舌がピリピリ痛いなら舌痛症の疑い|噛み合わせなど歯のトラブルで舌が痛い可能性も口腔内は繊細で、ストレスや生活習慣などさまざまな要因に影響されます。
舌がピリピリ痛いという場合は歯並びや噛み合わせが原因のこともあれば、舌痛症の場合もあるでしょう。
舌が痛くなった場合はどのように対処すればいいのでしょうか。
舌が痛くなる原因をまとめました。

舌がピリピリ痛いなら舌痛症の疑い

舌は粘膜で覆われており、日常的に刺激にさらされています。しかし、明らかな原因がないのにピリピリ痛む場合は舌痛症かもしれません。

舌痛症とは

舌痛症とは、舌など口の中に生じる原因不明の痛みのことです。
似たものには、口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)という口の中に灼熱感やチクチクが広がる症状もあります。

口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)は口の中広範囲に生じるものですが、舌痛症の場合は舌だけに痛みが生じるものです。

舌痛症のチェックポイント

舌痛症の症状は痛みだけです。
明らかに炎症や潰瘍があるという場合は病変があるためで、痛みの原因は明らかです。
そのような場合は舌痛症とは診断されません。

舌痛症は痛みだけが病気の証拠となり、他の人が見ても異常がないというのが特徴です。

なりやすい年代

舌の痛みは特に更年期の女性に発症しやすい症状です。
閉経後の女性の12~18パーセントに起こるといわれています。
男女で比較すると圧倒的に女性が多いことからホルモンの影響が原因とも考えられています。

女性ホルモンのバランスが変化することによって口が乾燥して、舌に痛みが出ているという考え方です。
また45~55歳の更年期の女性はエストロゲンが減少するため唾液の量も減りやすくなります。
一般的に口の中が乾燥すれば、歯や歯肉の粘膜が炎症を起こしやすくなり、その結果痛みが生じます。

また舌の傷みの原因として、口呼吸や唾液の分泌を抑制する薬剤の服薬やストレスとの関係も注目されています。

原因のわからない精神的な舌痛症もある

舌痛症は現時点ではっきりとした原因はわかっていません。
ですが、精神的な疾患との関係性も指摘されています。
そのため舌痛症を、神経障害性疼痛による神経痛の一種と捉えることもあります。

しかし、メンタルの影響だけが痛みの原因だと特定することは困難です。
個々の症例ごとに異なる原因があるのです。

舌痛症の約6割の方は、単純に痛むだけでなく味覚の異常や、口内の乾燥感といった口腔内の触覚・味覚の異常が発生しています。
複数の原因が併存することで、このような多様な症状が現れると考えられます。

かかりつけの歯科か口腔外科を受診

舌痛症が疑われる場合は、かかりつけの歯科医院か口腔外科を受診してください。
歯科医院を受診して歯などに異常は見つからない 場合は、別の病院を紹介されることもあるでしょう。

原因がメンタル面にある場合は精神科や心療内科の医師、さらに臨床心理士などによる適切な治療も必要になります。

処置方法

舌痛症は原因が明らかになっていないため治療法も確立していません。
口腔内に明らかな原因がない場合は、精神的な要因も考えられます。
そのため口腔内の症状ではありますが、精神科や心療内科を紹介されることもあるでしょう。

舌痛症は脳の機能がバランスを崩すことで起きることがあります。
精神科や心療内科での治療が有効な場合があるのです。

薬での治療

舌痛症が精神的な理由で起きている場合、抗うつ薬、抗てんかん薬などによる薬物療法が行われることがあります。
これらの薬はメンタルに効果があるものではなく、慢性的な痛みに対する効果を期待した処方です。
また漢方薬を用いた治療法を行う医療機関もあります。

生活指導・カウンセリング

舌痛症は精神面の影響が指摘されているため、ストレスがかからない暮らしを心がけるように指導されることがあります。
もともと不安やうつなどがある場合は、その治療を行うことによって舌痛症の改善につながることもあるでしょう。

一般的な舌痛症の生活指導はストレスの少ない生活や、十分な睡眠と休息を取ること、バランスのとれた食事と適度な運動といった、ごく普通のものです。
しかし、ごく普通の生活といっても本人だけの心がけでは難しい場合もあるため、家族の理解と協力が求められることもあるでしょう。

舌が痛いときは歯のトラブルの可能性もある

舌が痛いときは歯のトラブルの可能性もある舌が痛い場合でも舌ではなく、歯に原因があるケースもあります。
どのようなケースで舌に痛みが出るのでしょうか。

歯並びの悪さが原因で口腔内の環境が悪くなり舌が痛い

舌がピリピリと痛むという場合は、舌の刺激になるような環境でないか確認してください。
また歯がすり減ったり、口腔内の環境が悪くなったりしていないかもチェックする必要があります。
歯ぎしりや食いしばりはストレスによって知らず知らずのうちに起こることも多く、自覚がない場合もあります。

慢性的な肩こりを感じる場合や、明け方・夕方にあごがだるくなるという場合は、無自覚に歯に負荷をかけているかもしれません。
ストレスで舌を噛んだり擦ったりすることもあるので、跡がついていないかチェックしてみましょう。

歯並びが悪いことによって舌が痛くなっている場合は歯科矯正をおすすめします。
現代人はあごが小さくなっているため口腔内のスペースが狭く、舌がおさまりにくい人も珍しくありません。
あごが小さくなったのは硬いものを食べることがなくなったためともいわれています。
歯並びが悪くなる原因にはあごの小ささによることも多いでしょう。

虫歯や詰め物、被せものの異常が原因で舌が痛い

虫歯がある場合にも舌に痛みが出ることがあります。
また被せ物をしている場合は、被せ物が合わなくなっていないか歯科医院で確認してもらいましょう。

かかりつけの歯科か矯正が得意な歯科を受診

歯並びが原因で舌が痛くなっている場合は、どの部分が舌の刺激になっているか歯科医に確認してもらってください。
かかりつけの歯科または矯正が得意な歯科を受診して、歯並びを確認してもらいましょう。

対処方法

舌が痛い場合は歯に原因があることもあります。
まずは原因を特定するために歯科医院を受診しましょう。

口の中の粘膜にはいろいろな細菌が発生します。
口の病気は症状が似たものが多く判断は難しいものの、粘膜の状態や色に異常があればそれを手掛かりに対処方法を見つけることができます。

自分でも鏡を見てチェックすることで、粘膜の異常や違和感の原因が見つかるかもしれません。
虫歯や歯周病が原因の場合もあるため、口腔内を清潔に保つことも大切です。

歯並びは歯科矯正

歯並びは見た目だけでなく、噛みやすさや口腔環境など機能的にも大きく影響を与えます。
歯科矯正は歯科医の専門知識や経験が問われる分野であるため、できるだけ多くの患者を診ている症例が多い歯科医院に診てもらうようにおすすめします。

虫歯や詰め物、被せものの異常は治療

詰め物や被せ物に異常がある場合は、それを改善すれば痛みもなくなります。
被せ物は素材が劣化して隙間ができ、さらにその隙間が虫歯になることもあります。
見た目だけは異常がわからないことも多いので、定期的に歯科医院で検診を受けるようにしましょう。

(まとめ)舌がピリピリ痛いなら舌痛症の疑い|噛み合わせなど歯のトラブルで舌が痛い可能性も

1.舌がピリピリ痛いなら舌痛症の疑い

舌が痛く、炎症や潰瘍などの原因が見つからない場合は、舌痛症かもしれません。
舌痛症は更年期の女性に起こりやすく、女性ホルモンやストレスとの関係も指摘されています。
治療は薬物治療のほか、生活指導、精神科や心療内科の受診がすすめられることもあります。

2.舌が痛いときは歯のトラブルの可能性もある

舌が痛いという場合は、歯の被せ物や詰め物の異常、虫歯や歯周病といった原因が考えられます。
また歯並びが原因で舌に痛みが生じることもあるでしょう。
まずは歯科医院を受診して、痛みの原因を探るようおすすめします。

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