セラミック6種類の特徴を比較しながら、おすすめの歯科治療を説明します!
そもそもセラミックとは、無機質を固めた物のことで、いくつか種類があります。
歯科治療では、セラミックというとポーセレンを指す場合が多く、それと区別するためにジルコニアのことはジルコニアセラミックと呼ばれています。
他にも、新たに登場したイーマックス(e.max)を含め、セラミックと呼ばれる人工歯には以下の6種類があります。
- イーマックス
- ジルコニア
- メタルボンド
- ポーセレン
- ハイブリッドセラミック
- レジン
「で、結局どれが一番いいの?」という方のために、この記事では各セラミック素材の“強度(耐久性)”“審美性(見た目)”“特徴”などを一覧表でわかりやすく比較しています。
セラミックは金属と違い、アレルギーのない安全な歯科素材ですが、部位に合わない素材を選んでしまうと割れてしまうことも…
セラミックが割れてしまった際は、初回と同じ金額を払って、作り直しになってしまいます。
無駄な出費で後悔しない為にも、最低限知っておくべき各セラミック素材の特徴を一緒に勉強していきましょう!
ジルコニアとセラミックの違い│ジルコニアセラミックとは?
ジルコニア(二酸化ジルコニウム)は、2005年から厚生労働省に認可された、新しい歯科素材です。
ジルコニアの最大の特徴は、人工ダイヤモンドと呼ばれる「高い強度(耐久性)」と「高い審美性」です。
旧来のセラミック(ポーセレン)の約10倍の強度があるため、インレー(詰め物)、奥歯のクラウン(被せ物)、ブリッジなど、用途は多岐にわたり、金属アレルギーもない安全性の高い歯科素材です。
ただし、保険適用外の素材のため、費用は全額自己負担になります。
セラミック6種類を一覧表で比較
セラミック の種類 |
曲げ強度(MPa) | 審美性 (見た目) |
特徴 | 価格(1本) |
---|---|---|---|---|
ポーセレン | 100 | 5/5点 | 見た目が天然の歯に近い。 奥歯に使えるほどの強度がないため、前歯に使われることが多い。 |
9万円前後 |
ジルコニア | 1000〜1300 | 3/5点 | セラミック素材の中で最も強度が高い。 審美性はポーセレンやイーマックスに劣るため、奥歯や土台に使われることが多い。 |
13万円前後 |
イーマックス | 360~400 | 5/5点 | 天然の歯と同程度の強度のため、天然の歯をキズ付けにくい。 審美性も高いため、前歯、奥歯どちらにも使われる。 |
8万円前後 |
メタルボンド | 1200 | 4/5点 | 金属ベースの上にセラミックをコーティングした人工歯。 金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみ(ブラックマージン)などデメリットが多い。 |
9万円前後 |
レジン | 100 | 2/5点 | 無条件で保険適用になる唯一の素材。 治療直後は白くキレイだが、数年で変色してくる特徴がある。 |
1万円前後 |
ハイブリッド セラミック |
200 | 3/5点 | セラミックとレジンを混ぜた歯科素材。 金属アレルギーがある方など、条件を満たせば保険適用になる。 レジンが混ざっているため、変色スピードが早い。 |
5万円前後
(保険定期用の場合、1万円前後) |
※エナメル質(天然の歯の表面)の曲げ強度は80〜90Mpa。
象牙質(歯の土台)の曲げ強度は150〜300Mpa
※レジンはプラスチック素材ですが、セラミック治療の素材として扱われることが多いため、比較に追加しました。
まとめ
セラミック素材の中で最も強度が高いジルコニアは、最も割れにくい(欠けにくい)セラミック素材といえます。
色は白くキレイですが、そのまま使うと天然の歯との色の違いが目立つため、着色して使われる場合があります。
着色しても、ポーセレンやイーマックスよりも審美性が劣るため、前歯に使用する際は、ジルコニアの土台にポーセレンのクラウンを被せたものを使うのが一般的です。
ジルコニアは、セラミック素材の中で最も高価ですが、奥歯の治療に最適な素材といえます。
セラミック素材の中で透明度が高く、最も見た目が自然なのが「ポーセレン」と「イーマックス」です。
どちらも汚れが付きにくく、変色が少ない特徴を持っているので、前歯に使用されることの多い素材です。
ポーセレンは強度が足りない為、奥歯に使うことはできませんが、イーマックスは天然の歯に近い強度があるので、奥歯に使うことも可能です。
ただし、歯ぎしりや噛み癖のある方が奥歯にイーマックスを使用すると、割れてしまう可能性があるので、そういった方はジルコニアを選択することをお勧めいたします。
レジン、ハイブリッドセラミックの価格は保険適用で1本1万円前後と、最も安いセラミック素材です。
どちらの素材も使用から2~3年程度で変色してくる特徴があるため、見た目を気にする方の前歯への使用には適しません。
奥歯の治療に銀歯を使いたくない方に、おすすめの素材といえます。
※ハイブリッドセラミックが保険適用になるには諸条件があります。