歯が欠損したままでいる危険性と治療法

歯はそれぞれ隣同士の歯（隣在歯）と互いに支え合うようにして本来の位置を保っています。しかし、部分的に歯が欠損してしまうと力の拮抗が崩れ、空いたスペースの方へ次第に傾いてしまいます。
これを長時間放置してしまうと傾いたさらにその横の歯も傾いていき、全体的な歯列治療が必要になってしまう危険性があります。

歯を噛み合わせた際に接触する歯を対合歯といいます。歯の欠損によって噛み合う相手を失った歯は反対側からの刺激が受けられなくなるため伸びてきてしまいます。
これにより対合歯の挺出が引き起こされ、反対側の歯列にも影響が出てしまう危険性があります。

隣接歯の傾斜や対合歯の挺出による影響で噛み合わせのバランスが崩れ、一部の歯の負荷が大きくなったり、顎を左右に動かす際に干渉してしまいます。
この不調和が原因で本来とは異なる顎の動きをする様になり、顎の関節や筋肉といった場所に悪影響を及ぼす危険性があります。

歯並びや噛み合わせは口腔内の機能を正常に果たすために重要な要素となります。歯の欠損を放置すると食べ物が十分に噛めないなどの咀嚼能力が低下し、摂取するものも限られてしまいます。また残った歯への負担も大きくなります。
前歯の欠損の場合は発音に影響が出ることもあり正確な発音が困難になる恐れもあります。

歯の欠損を放置した際に起こる現象は、その後の治療にも影響が出ます。
欠損した歯を補う際に隣接歯の傾きや対合歯の挺出によりスペースが確保できず、治療が長期に及んでしまったり、完全な治療が困難になる危険性があります。

噛むことによって口の周りの様々な筋肉や神経が動き、脳に刺激が送られます。
噛み合わせが悪くなることによって脳への刺激も減少してしまいます。