この記事の監修者

監修者 前田 純 歯科医師
歯科統括院長
前田 純歯科医師
歯科医師。2009年3月奥羽大学歯学部歯学科卒業。同大学歯学部附属病院にて勤務のあと、2012年4月から一般歯科クリニックにて勤務。2016年4月から湘南美容歯科大阪心斎橋院にて勤務を開始し、2019年10月より湘南美容歯科統括院長就任。

銀歯が原因で金属アレルギーが発症することがあることをご存知ですか?口内は銀歯の金属成分がイオン化して溶け出しやすい環境のため、金属アレルギーを発症させてしまうリスクがあります。

本記事では、銀歯によって金属アレルギーが発症するメカニズムや主な症状などを解説しています。適切な対処法なども説明しているのでぜひ参考にしてください。

銀歯によって金属アレルギーを発症することがある

古くなった銀歯を詰めたままでいると、お口の中だけでなく、全身に湿疹や皮膚炎などの「金属アレルギー(歯科金属アレルギー)」を引き起こすことがあります。

なぜ銀歯でアレルギーが起こるのか?

銀歯にはパラジウムやニッケル、コバルトなど、複数の金属が含まれています。長年使用して経年劣化した銀歯は、唾液によって成分が「イオン化」し、少しずつ溶け出しやすくなります。

溶け出した金属イオンが歯茎の血管から体内に吸収され、体内のタンパク質と結合すると、免疫機能がそれを「異物(アレルゲン)」と認識してしまいます。

その結果、異物を排除しようとする免疫反応が起き、お口周りだけでなく、手足や全身の肌に赤み・かゆみ・水疱といった炎症(接触皮膚炎)を引き起こすのです。

歯科金属による金属アレルギーは気付きにくい?

ピアスやネックレスなどのアクセサリーによる金属アレルギーは、金属が触れている肌が直接かぶれるため、すぐに原因に気付くことができます。

しかし、銀歯などの歯科金属によるアレルギーはメカニズムが異なり、お口の中で溶け出した金属イオンが、血液に乗って全身に運ばれるため、手のひらや足の裏などに湿疹として現れることが少なくありません。

さらに、銀歯を入れてすぐに症状が出るわけではなく、数年〜十数年という長い期間を経てから突然発症する時間差があるのも特徴です。そのため、長年悩まされていた手足の肌荒れや湿疹の原因が、「昔治療した銀歯だった」とすぐには気付かない方が多いのです。

銀歯による金属アレルギーの主な症状

前述のように、金属アレルギーの症状は、お口の中だけでなく、一見関係なさそうな全身の皮膚にも現れるのが特徴です。

具体的にどのようなサインがあるのか、代表的な症状をご紹介します。

口内でみられやすい症状

口内でみられやすい症状としては、金属が直接触れている部分や、その周辺の粘膜に炎症が起こるケースがあります。

主に以下のような症状がみられます。

  • 歯ぐきや舌のただれ
  • 口内炎の頻発
  • 舌のピリピリとした痛みや灼熱感
  • 粘膜の荒れ
  • 味覚異常
  • 唇や口角の腫れ

全身でみられやすい症状

溶け出した金属イオンが全身を巡ることで、離れた部位の皮膚にトラブルを引き起こします。

症状としては、主に以下が挙げられます。

  • 手のひらや足裏に多数の水膨れ(掌蹠膿疱症:しょうせきのうほうしょう)
  • 顔や全身の肌荒れ、赤み、かぶれ

金属アレルギーかも?と思ったときの対処法

金属アレルギーの症状に当てはまっていると感じた方は、自己判断せずに適切な医療機関で検査を受けましょう。

金属アレルギーが疑われる場合、まずは「皮膚科(またはアレルギー科)」を先に受診してアレルギー検査を受けます。金属アレルギーと診断されたら診断書(または紹介状)を書いてもらい、歯科医院を受診することがおすすめです。

まずは医療機関を受診し、原因を特定する

まずは皮膚科・アレルギー科を受診して、本当に金属アレルギーなのか、どの金属に反応しているのかを調べることが大切です。

金属アレルギーの検査では、一般的にパッチテストをおこないます。パッチテストとは、背中や腕などに金属の試薬を含ませたシールを貼り、数日後の皮膚の反応を見る検査です。アレルギーの有無だけでなく、自身がどの金属(ニッケル、コバルト、パラジウムなど)に対してアレルギーを持っているかもわかります。

口の中にも症状が見られる場合は、紹介状を書いてもらい歯科病院を受診します。

歯科医院で「口の中にどんな種類の金属が入っているか」を確認し、皮膚科でのパッチテストの結果と照らし合わせることで、銀歯が原因かどうかを特定することができます。

※歯科医院によっては、パッチテストを実施しているところもあります。

悪化を防ぐために気をつけるべきポイント

医療機関を受診するまでの間や治療を進める過程では、以下の3つのポイントに気をつけましょう。

  • 口の中を清潔に保つ
  • 身の回りの金属を避ける
  • 患部を掻かずに保護する

口の中に汚れ(プラーク)が溜まり、虫歯や歯周病などで口の中が酸性に傾くと、金属がより溶け出しやすくなると言われています。丁寧な歯磨きを心がけて口の中を清潔に保ちましょう。

症状を悪化させないためにもピアスやネックレス、時計、ベルトのバックルなど、直接肌に触れる金属類はいったん外してください。

また、手足の湿疹や水ぶくれは掻きむしると化膿して悪化してしまいます。皮膚科で処方された薬で炎症を抑えながら、患部を清潔に保ち保湿を心がけましょう。

歯科での根本治療をおこなう

検査の結果、口内の金属が原因であると特定された場合は、歯科医院でその金属を取り除く治療(メタルフリー治療)をおこないます。

メタルフリー治療では、銀歯を外し、セラミック、ジルコニア、歯科用プラスチックのレジンなどのアレルギーを起こさない非金属素材に交換します。

また、近年ではルールが変わり、「金属アレルギーの診断書(皮膚科医などの医師によるもの)」があれば、保険適用で白い被せ物(CAD/CAM冠など)にできる範囲が広がってます。

金属アレルギーの方におすすめなセラミック治療

セラミック治療は、メタルフリー治療を代表する治療のひとつです。

セラミックは天然歯のような自然な白さと透明感があり、汚れがつきにくく変色しにくい、耐久性が高いといった特徴があります。歯の白さや大きさなども整えることができ、口元全体の審美性の向上が期待できます。

ただし、健康な歯を削る必要があることや、強い噛み締めなどで割れるリスクがある点には留意が必要です。また、自由診療のため基本的に保険が適用されません。

銀歯とセラミックでお悩みの方は以下記事をご覧ください。
奥歯にはセラミックと銀歯どちらがおすすめ?それぞれのメリット・デメリットを徹底解説>

症状に心当たりがある場合は我慢せずに早めに医療機関に相談を

銀歯が原因で金属アレルギーを誘発してしまうことはあります。特に長年銀歯を使用している方は、銀歯の経年劣化によって金属イオンが溶け出して金属アレルギーを発症している可能性が高いです。

金属アレルギーの症状がみられる方は、適切な医療機関を受診して検査を受けましょう。

湘南美容歯科では、無料カウンセリングをおこなっています。お客さま一人ひとりの口内の状態やご要望に合わせて、適切な治療方法をご提案いたします。

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