この記事の監修者

監修者 前田 純 歯科医師
歯科統括院長
前田 純歯科医師
歯科医師。2009年3月奥羽大学歯学部歯学科卒業。同大学歯学部附属病院にて勤務のあと、2012年4月から一般歯科クリニックにて勤務。2016年4月から湘南美容歯科大阪心斎橋院にて勤務を開始し、2019年10月より湘南美容歯科統括院長就任。

「以前より歯が黄色くなった気がする」「黄ばみを改善して歯を白くしたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自分の歯の黄ばみレベルを知り適切なケアをおこなうことは、見た目をよくするだけでなく歯の健康を守るためにも重要です。

本記事では、歯の黄ばみレベルをチェックする方法や黄ばみを引き起こす原因、改善方法、予防方法について詳しく解説します。

歯の黄ばみレベルをチェック!

歯の黄ばみは、見た目の印象を大きく左右します。黄ばみが気になる方は、まずは自分の歯の黄ばみレベルをチェックしてみましょう。ここでは、自宅で簡単にできるチェック方法や、歯科クリニックでの専門的な方法について解説します。

歯の黄ばみレベルを自宅でチェックする方法

自宅で簡単に歯の黄ばみレベルをチェックする方法があります。
まずは、自然光の入る明るい場所を選びましょう。明るい光の下で、自分の歯を鏡でじっくりと観察してみてください。白い紙やタオルと自分の歯を見比べると、色の違いがよりはっきりとわかります。

歯の黄ばみレベルを歯科クリニックでチェックする方法

歯の黄ばみレベルを正確に評価するためには、歯科クリニックでのチェックが有効です。歯科クリニックでは、専門的なシェードガイドを使用して、歯の色を詳細に分析します。このシェードガイドは、歯の色を複数の段階に分けたカラーチャートで、どの色があなたの歯に近いかを見極めることができます。


シェードガイドには、一般的に「A(赤みがかった色)」「B(黄色みがかった色)」「C(灰色がかった色)」「D(赤みが強い色)」といった色のグループがあり、それぞれに明るさの段階があります。

日本人の一般的な歯の黄ばみレベル

日本人の一般的な歯の色は、シェードガイドを用いて判定すると、主にA3.5に分類されることが多いです。この色は、やや黄色みを帯びた自然な白さを示しており、他にもA3(やや明るめの黄色)、D4(赤みが強い色)、B3(黄色みが強い色)といったレベルも見受けられます。

理想的な歯の色はA1とされており、これは非常に明るく、白さが際立つ色味です。一方で、黄ばんできたと感じるレベルはA4、C3、B4、C4などが挙げられます。これらの色は、歯の黄ばみが進行していることを示しており、特にA4はかなりの黄ばみを感じる色合いです。これらのレベルに達すると、見た目の印象が大きく変わるため、早めの対策がポイントとなります。

歯が黄ばむメカニズム

歯の黄ばみは、さまざまな要因によって表面や内部に色素が沈着し、白くあるべき歯が変色してしまう状態を指します。

歯の外側には半透明のエナメル質、その下には黄色みを帯びた象牙質があります。エナメル質が厚い場合、象牙質の黄色みが透けにくく、歯はより白く見えやすいです。逆に、エナメル質が薄かったり透明感が強かったりすると、象牙質の色が透けて見え、歯がやや黄味がかって見えることがあります。
特にアジア系の日本人は、欧米人に比べてエナメル質が薄い傾向があるため、象牙質の色が透けやすく、黄ばみが目立ちやすいといわれています。

歯の黄ばみを引き起こす原因

歯の黄ばみにはさまざまな原因があり、大きく分けると外的要因と内的要因とに分類されます。ここでは、それぞれの具体的な要因について解説します。

外的要因

飲食物

歯の黄ばみを引き起こす外的要因の一つに、飲食物があります。
コーヒー、赤ワイン、チョコレートなどの色の濃い飲食物は、エナメル質に付着しやすい性質を持っています。これらの食品には、色素やタンニンが含まれており、日常的に摂取することで徐々に歯の表面に色素が沈着し、黄ばみが目立つようになります。

喫煙

喫煙は、歯の黄ばみを招く要因のひとつとされています。
特に紙巻タバコに含まれるタールなどの成分は、歯の表面に付着しやすく、時間の経過とともに汚れや着色の原因となることがあります。こうした着色は、通常のブラッシングでは落としにくい場合があり、喫煙を続けることで歯の色がくすんで見えることがあります。

一方、電子タバコや加熱式タバコにはタールが含まれていませんが、ニコチンは成分として含まれています。ニコチンは歯の表面にステイン(色素沈着)を引き起こす原因となり、歯の黄ばみを促進する要因となります。これらの製品を使用することで、タールは避けられるものの、ニコチンによる影響で歯の色が変わる可能性があるため、注意が必要です。

口腔ケア不足

正しいブラッシングや定期的な歯科クリーニングを怠ると、歯垢(プラーク)や歯石が蓄積し、歯の黄ばみが悪化する原因となります。

歯垢は、食べカスや細菌が結合して形成される粘着性の膜で、これが放置されると歯石に変わります。歯石は硬くなり、通常のブラッシングでは取り除くことが難しいです。これにより、歯の表面がざらつき色素が付着しやすくなるため、黄ばみが目立つようになります。

また、歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングは、歯垢や歯石を効果的に除去し、歯の美しさを保つために非常に重要です。定期的な歯科クリーニングを受けないと専門的なケアがおこなわれず、歯の黄ばみが進行しやすくなります。

内的要因

加齢

歯の黄ばみを引き起こす内的要因の一つに、加齢があります。年齢を重ねるにつれて歯のエナメル質は徐々に薄くなり、その結果、内側にある象牙質が透けて見えるようになります。この象牙質は、もともと黄色味を帯びた色合いを持っているため、エナメル質が薄くなることで歯全体が黄ばんで見えることがあるのです。

また、加齢とともに口腔内の唾液の分泌量が減少することで、口腔内の環境が変化します。唾液は、口腔内の洗浄や再石灰化を助ける役割を担っているため、その減少は歯の黄ばみを助長する要因となります。

生まれつき

エナメル質の厚みや質、さらには象牙質の色味は遺伝的に大きく影響を受けます。同じケアをおこなっていても、もともと歯が白く見えやすい方と、黄色く見えやすい方が存在します。

エナメル質は歯の表面を覆う硬い層で、これが厚く、質がよいと、歯は自然と白く輝いて見えます。一方、エナメル質が薄かったり、質が劣っている場合、内側の象牙質の色が透けて見えることがあり、これが歯全体の黄ばみを引き起こす要因となります。

薬剤の影響

薬剤の影響も歯の黄ばみを引き起こす内的要因の一つです。
過去の歯科治療で使用された充填物や被せ物の材質が、歯の色味に影響を与えることがあります。これらの材料は、時間の経過とともに変色することがあり、結果として歯全体の見た目が黄ばんで見えることがあるのです。

また、幼少期に服用した抗生物質のなかには、歯の色に影響を与えるものもあります。例えば、テトラサイクリン系の抗生物質は、歯の形成期に服用すると、歯が黄褐色に変色することが知られています。さらに、病気の影響や治療にともなう薬剤の使用も、歯の色に変化をもたらす要因となります。このような薬剤の影響により、同じケアをおこなっていても、歯の色味が異なって見えることがあるのです。

歯の黄ばみを放置しないほうがよい理由とその影響

歯の黄ばみは、放置するとさらに悪化する可能性があります。見た目の美しさに影響を与えるだけでなく、虫歯や歯周病といった他の口腔内の問題を引き起こす恐れがあります。
ここでは、美容面と健康面それぞれの具体的な影響について解説します。

美容面への影響

歯の黄ばみは、見た目の印象を大きく左右します。特に、初対面の相手やビジネスシーンにおいては、清潔感や信頼感が求められます。黄ばんだ歯は、相手にマイナスのイメージを与えかねません。また、自分の歯に自信が持てないと、自然な笑顔を見せることに抵抗を感じたり、人前で口を開けることに緊張したりすることが増えるでしょう。

このように、歯の黄ばみを放置することは、自己表現や人間関係にも深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。

歯の健康への影響

歯の黄ばみを放置することは、見た目の問題だけでなく、歯の健康にも深刻な影響を及ぼします。黄ばみの原因となる物質は、歯の表面に付着しやすく、放置することで歯垢や歯石が形成されます。これらは、歯のエナメル質を侵食し、虫歯や歯周病のリスクを増加させる要因となります。

さらに、歯垢や歯石の蓄積は口臭の原因にもなります。口内の清潔さが保たれないことで、悪臭を放つ細菌が繁殖し、周囲の人々に不快な印象を与える可能性があります。

歯の黄ばみレベルを改善する方法

歯の黄ばみを改善する方法は、黄ばみの程度によって異なります。軽度の黄ばみであれば、日常的なセルフケアを通じて改善が可能ですが、中程度や重度の黄ばみの場合は専門的な治療が必要です。ここでは、歯の黄ばみを改善するための具体的な方法を解説します。

ホワイトニング歯磨き粉の使用

軽度の黄ばみが気になる方や、手軽に歯の白さを改善したい方には、ホワイトニング用の歯磨き粉が効果的な選択肢です。これらの歯磨き粉には、薬用ハイドロキシアパタイトやポリエチレングリコール(PEG)、ポリリン酸ナトリウムなど、ホワイトニング効果を持つ成分が含まれています。歯の表面に付着した汚れを効果的に除去し、自然な白さを引き出す手助けをします。

ただし、研磨剤が含まれているホワイトニング歯磨き粉は、使用頻度が高いと歯のエナメル質を傷つける可能性があります。エナメル質が損なわれると、逆に黄ばみが目立つ原因となるため、研磨剤の有無やその成分についてしっかりと確認することが大切です。

クリーニング

中程度の黄ばみには、歯科クリニックで受けられるクリーニングが効果的です。歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使用して、歯垢(プラーク)や歯石をしっかりと除去します。歯の表面に付着した黄ばみを軽減することができるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを下げることにもつながります。口腔内の健康を保つためにも、定期的なクリーニングをおすすめします。

ホワイトニング

重度の黄ばみが気になる方には、ホワイトニングがおすすめです。ホワイトニングには主に「ホームホワイトニング」と「オフィスホワイトニング」の2つの方法があり、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合った方法を選ぶことが大切です。

ホームホワイトニングは、自宅でおこなうホワイトニング方法です。歯科医師が作成したマウスピースにホワイトニング剤を入れ、一定の時間装着することで歯を白くします。この方法は、自分のペースでおこなえるため忙しい方にも適していますが、効果が現れるまでに数日から数週間かかることがあります。

一方、オフィスホワイトニングは、歯科クリニックで専門の技術者によっておこなわれる方法です。強力なホワイトニング剤を使用し、短時間で効果を得ることができます。通常、1回の施術で目に見える結果が得られるため、即効性を求める方に向いています。ただし、オフィスホワイトニングは費用が高めになることが多いです。

歯の黄ばみを悪化させないための予防方法

歯の黄ばみを防ぐためには、口のなかを清潔な状態に保つことが重要です。日常的なケアや生活習慣の見直しをおこなうことで、歯の黄ばみを未然に防ぐことができます。ここでは、歯の黄ばみを予防するための具体的な方法をいくつか紹介します。

食生活の見直し

歯の黄ばみを予防するためには、食生活の見直しが不可欠です。色素の濃い飲食物や酸性の食品は歯に着色を引き起こしやすいため、控えることをおすすめします。

例えば、赤ワインやコーヒー、紅茶、ベリー類などは、その濃い色素が歯に付着しやすく、長期的に摂取することで黄ばみが進行する原因となります。また、柑橘類や炭酸飲料などの酸性の飲食物は、歯のエナメル質を弱めることがあり、これも黄ばみを助長する要因となるため注意してください。

禁煙

歯の黄ばみを悪化させないための重要な対策の一つが禁煙です。タールやニコチンは歯に直接的な影響を与える物質であり、これらが歯に付着することで黄ばみを引き起こします。喫煙を続ける限り、歯の黄ばみは悪化し続ける可能性が高いのです。

また、禁煙することで黄ばみを改善できるだけでなく、歯周病をはじめとするさまざまな口腔の健康や、身体全体の健康にも良い影響を与えます。

食後のうがいや歯磨きの徹底

食事の際に摂取した色素や糖分は、歯にステインや歯垢を形成し黄ばみの原因となります。これらの原因物質を適切に除去するためには、正しい歯磨き方法を実践することが大切です。

食後、できるだけ早く歯磨きをおこなうことで、黄ばみの原因物質を効果的に取り除くことができます。もし歯磨きが難しい状況であれば、水やうがい薬で口内をすすぐだけでも、食べカスや色素を洗い流すことができます。

さらに、抗菌作用のあるマウスウォッシュを使用することもおすすめです。マウスウォッシュは口内の細菌の繁殖を抑え、歯垢の形成を防ぐ効果があります。これにより、黄ばみの原因を取り除くことができ、口腔内の健康を保つことにもつながります。

定期的な歯科検診

歯科クリニックでのクリーニングは、日常の歯磨きでは取りきれない歯垢やステインを効果的に除去するための重要な手段です。食生活や喫煙によって付着した黄ばみの原因物質を取り除くことができるため、定期的なクリーニングを受けることで歯の色を保つことができます。

また、虫歯や歯周病のリスクを軽減する効果もあります。定期的な検診を通じて、早期に問題を発見し対処することができるため、健康な口腔環境を維持するためにも非常に重要です。

まとめ

歯の黄ばみは、見た目の印象を大きく左右するだけでなく、口腔内の健康にも影響を及ぼします。自宅でのチェック方法や歯科クリニックでの専門的な評価を通じて、自分の歯の黄ばみレベルを把握することは改善への第一歩です。黄ばみの原因を理解し、外的要因や内的要因に対する対策を講じることで、黄ばみを予防・改善することが可能です。

さらに、ホワイトニングでは改善が難しいケースでは、セラミック治療によって理想的な白さや形を実現する方法もあります。ご希望や口元の状態に合わせて、最適な方法を検討することが大切です。

歯の白さは清潔感、第一印象の向上にもつながります。湘南美容歯科のホワイトニング・クリーニングで、歯の黄ばみを改善しませんか?まずは、無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。

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