この記事の監修者

監修者 前田 純 歯科医師
歯科統括院長
前田 純歯科医師
歯科医師。2009年3月奥羽大学歯学部歯学科卒業。同大学歯学部附属病院にて勤務のあと、2012年4月から一般歯科クリニックにて勤務。2016年4月から湘南美容歯科大阪心斎橋院にて勤務を開始し、2019年10月より湘南美容歯科統括院長就任。

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鏡を見て、ふと歯の黄ばみが気になってしまった経験はありませんか?

歯が黄ばんで見える主な原因の一つは、飲食物による着色汚れです。着色汚れは日々の生活と深く関わっているため、完全に防ぐことは難しいですが、そのまま放置はできません。

では、どうすれば歯の黄ばみを落とせるのでしょうか。この記事では、着色汚れの原因や歯が着色しやすくなる理由を解説するとともに、具体的な着色を落とす方法や、汚れを防ぐ方法についてご紹介します。

歯の着色汚れ(ステイン)の原因

食べ物や飲み物が原因となる歯の着色汚れは「ステイン」とも呼ばれます。そして、ステインの生成に大きく関わっているものが「ペリクル」と「ポリフェノール」です。

以下ではこのペリクルとポリフェノールについて解説します。

ペリクルとは?

ペリクルとは、歯の表面を覆っている無色透明の薄い膜のことです(出典:オーラルスタジオ)。飲食物やサプリメント、胃酸などにより歯が溶けてしまう「酸蝕」と呼ばれる現象から歯を保護する働きを担っており、歯の健康には欠かせません。

一方で色素を取り込みやすいという性質も持っており、このペリクルにお茶やコーヒーなどの色素が付着することで、着色汚れが生成されてしまうのです。

ポリフェノール

ポリフェノールとは、植物によって作り出される抗酸化物質のことです。緑茶や紅茶、コーヒーに多く含まれており、これらの飲み物の色素の元となる成分でもあります。

ポリフェノールを日常的に摂取すると前述のペリクルに付着し、色素沈着が起こることで、歯の黄ばみの一因である着色汚れとなります。

歯の着色によるデメリット

歯が黄色く着色している状態だと、以下のようなデメリットがあります。

虫歯や歯周病の原因になる

歯が着色していると汚れによって歯の表面がザラザラとします。この状態だと「歯垢(プラーク))」と呼ばれる細菌のかたまりが付着しやすく、虫歯や歯周病、口臭を引き起こす原因となります。

清潔感が損なわれる

歯が黄ばんでいたり、黒ずんでいたりすると、見る人はどうしても不潔な印象を抱いてしまいます。清潔感は人間関係の基本であり、プライベートはもちろんビジネスシーンでも重視されるので、放置するとさまざまな場面で悪影響が生まれます。

笑顔に自信がなくなる

歯の着色が気になり始めると、笑顔に自信が持てなくなる方がほとんどです。思いきり笑えない状態は、心がリラックスできず、人とのコミュニケーションにも悪影響を及ぼす恐れがあります。

歯の着色汚れを落とす方法

では、どうすれば歯の着色汚れを落とせるのでしょうか?自分で落とす方法と、歯医者で落とす方法に分けてご紹介します。

自分で落とす方法

自分で着色汚れを落とす方法は4つあります。

自分に合った歯ブラシを選ぶ

日常的な歯磨きでしっかりと汚れを取り除くためには、自分に合った歯ブラシを選ぶことが大切です。適切な形状や硬さを追求し、必要に応じて電動歯ブラシや矯正用の歯ブラシ、歯間ブラシなども併用しましょう。

ホワイトニング成分配合の歯磨き粉を使用する

ホワイトニング成分が合されている歯磨き粉は、研磨剤が含まれているものが多いため、使用することで汚れを除去しやすくなります。ただし研磨剤が含まれていない歯磨き粉に比べて歯が削れやすいという難点があるため、やさしく丁寧に磨くように注意しなければなりません。

専用のアイテムを使用する

歯の着色汚れを落とすためのアイテムとして、専用の消しゴムやデンタルフロスなどが市販されています。このようなアイテムを適切に使用することで、歯の黄ばみを薄くすることができます。

ホームホワイトニングをおこなう

歯医者へ通う時間のない方は、自宅でできるホームホワイトニングを試してみましょう。歯医者で専用のマウスピースと薬剤をもらい、自宅で使用することで歯を本来の白さに戻すホワイトニング方法です。

通院の負担は少ないものの、1回あたりのマウスピースの装着時間が長いことから、人によっては面倒に感じることもあるため、ご自身のライフスタイルをふまえてよく検討しましょう。

湘南美容歯科のホームホワイトニングはこちら>

歯医者で落とす方法

歯医者では、フッ化物入りのペーストを専用の小さなブラシに付けて歯を磨く「ポリッシング」と、歯面清掃器を使用して専用のパウダーを歯面に吹き付ける「パウダークリーニング」という2種類の方法で着色汚れを落とします。

体質や口腔内の状態によっては一方の方法しか受けられないケースがあるため、歯科医とよく相談してください。

歯の着色汚れを歯医者で落とすのに料金はいくらかかる?

着色汚れを落とすための施術や、虫歯・歯周病などのない歯に対する予防のためのクリーニングは自費診療となり、歯医者によって料金が異なります。サイトで調べたり、問い合わせてみたりして、納得のいく料金で受けられる歯医者を探しましょう。

湘南美容歯科のクリーニング費用はこちら>

歯の着色汚れを落とすのにやってはいけない方法

歯の汚れをきれいに落とす方法を知る一方で、ついやってしまいがちな、歯を傷めてしまうNGな方法も知っておくことが大切です。ここからは、歯の健康を損なう恐れのある注意点について解説します。

重曹を使用する

歯のホワイトニングという観点で有名なアイテムが重曹です。重曹には研磨作用があり、使用することでたしかに歯が白くなったように見えますが、これは歯の表面のエナメル質が削れることにより白く見えているだけという可能性があり、歯に対してあまり良くありません。また、刺激が強いため口腔内の粘膜を傷つけたり、口内がアルカリ性になることで歯石が付着しやすくなったりする可能性もあるため、避けるべきといえます。

クエン酸を使用する

クエン酸は強い酸性のため、歯のエナメル質を溶かし、歯にダメージを与える可能性があります。使い続けることで歯の健康を損ない、虫歯の可能性を高めるため、こちらも使用を避けましょう。

歯の表面を削る

自宅でできる着色汚れの落とし方として、ホワイトニング成分配合の歯磨き粉や専用のアイテムを使用する方法を紹介しましたが、これらは使い方を間違えると、歯の表面のエナメル質を削ってしまい、虫歯や知覚過敏などの可能性を高めてしまいます。歯の表面を削る方法を選ぶときは慎重におこないましょう。

歯の着色汚れが落ちなかった場合の選択肢

自宅でのケアや歯医者でのクリーニングをおこなっても、着色汚れが十分に落ちない場合は、歯の内部に沈着している色素が原因かもしれません。
そうしたケースでは、セラミック治療による改善がおすすめです。

セラミック治療では、歯の表面をセラミック素材で覆うことで、自然な白さとツヤを再現できます。薬剤では漂白できない強い変色や、エナメル質のダメージによるくすみもカバーできるのが特徴です。

さらに、セラミックは色戻りがほとんどなく、透明感や形も自由にデザインできるため、「長期間、美しい歯を保ちたい」という方にも最適な選択肢といえるでしょう。

湘南美容歯科のセラミック治療について詳しくはこちら>

日常生活で歯が着色しやすくなる原因

歯の着色汚れには日常の過ごし方や歯・口腔の状況なども関係します。以下では歯に着色汚れが付着しやすくなる原因を挙げていきます。

着色しやすい飲食物の摂取頻度が高い

ポリフェノールが多く含まれている食品、飲料を頻繁に口にすると、ペリクルが歯に付着する機会も増え、歯の着色が起こりやすくなります。

ポリフェノールが多く含まれている飲食物の一例は以下のとおりです。摂取頻度を抑えるよう努めましょう。

  • 緑茶・紅茶
  • コーヒー
  • ココア
  • 赤ワイン
  • カレー
  • チョコレート
  • ブドウ・プルーン・ブルーベリー
  • トマト

たばこを喫煙する

タバコの煙に含まれている物質の一種である「タール」は、ヤニとも呼ばれており、歯に付着することで黄ばみの原因になります。常習的に喫煙をしている方は、歯にヤニが蓄積するため、歯が黄色く着色しているように見えてしまうのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪い方や、矯正のためにワイヤーをつけている方は、歯磨きの際に細部まで磨くことが難しく、汚れが残りやすいです。着色の原因となる物質も残ってしまいがちなので、こうした汚れが時間をかけて蓄積し、歯の黄ばみにつながります。

口腔内が乾燥している

唾液が少ない方や口呼吸が癖になっている方は、口腔内が乾燥しやすい傾向にあります。口腔内が乾いていると、唾液が本来持つ殺菌・洗浄作用の働きが低下してしまい、着色汚れの物質が歯に残りやすいため、歯が黄ばみやすいです。

歯磨きの回数が少ない

歯磨きの回数が少ない方は、歯に付着した汚れを充分にとりきれていない可能性が高く、汚れが蓄積することで着色汚れになってしまいます。

同様に、歯磨きの回数が多くても丁寧に磨けていない方は、磨き残しによる歯の着色の可能性が高いです。

白い被せ物が入っている

虫歯などの治療で歯に保険適用の白い被せ物を使用している方も、歯が着色する可能性が高めです。保険適用の白い被せ物はプラスチックでできており、色素を吸収しやすく、傷が付きやすいという性質があるためです。汚れによる着色が起こりやすく、歯が黄ばんで見えます。

オーラルケア用品に問題がある

歯磨き粉や歯ブラシ、うがい薬などのオーラルケア用品は、商品によって効果や性能、成分に違いがあります。日常的に使用しているオーラルケア用品によっては汚れを充分に除去しきれなかったり、オーラルケア用品自体が着色の原因になってしまったりして、歯の黄ばみを引き起こす可能性が考えられます。

歯の着色汚れを防ぐ方法

最後に、歯の着色汚れを防ぐ方法をご紹介します。
普段から予防をすることで、きれいな歯の状態を保つことができます。意識をすることで、今すぐ変えることができる習慣もあるので、ぜひお試しください。

食後に歯磨きをする

食事のあとは、必ず歯磨きをするように心がけましょう。着色の原因になる汚れを取り除くことで、歯の黄ばみを予防でき、虫歯や歯周病、口臭の可能性も減らせます。

飲食後は口をゆすぐ

食事の際はポリフェノールのような着色しやすい物質を含む食べ物や飲み物を控えましょう。そして飲食をしたあとは、歯磨きをする余裕がないときも口をすすぐ習慣をつけましょう。これにより歯が着色してしまう可能性を減らせます。

喫煙を控える

タバコのタールを取り込まないよう、喫煙は控えましょう。禁煙が難しい場合は本数を少しずつ減らしたり、よりタールの量が少ない電子タバコに変えたりすることで、歯の黄ばみを防止できます。

歯列矯正をする

歯列矯正を受けて歯並びを整えると、歯磨きの際に隅々まで磨きやすくなり、磨き残しを減らせます。その結果、着色の可能性を減らすことが可能です。

セラミックにする

費用は嵩みますが、被せ物は保険適用のものではなく、セラミックのものを選ぶのがおすすめです。セラミックは汚れに強く、変色しにくいという性質があるため、保険適用の被せ物に比べて自然な見た目であり、着色汚れも気になりにくいです。

鼻呼吸を意識する

口腔内の乾燥を防ぐため、呼吸の際は鼻呼吸をするように意識しましょう。歯に着色汚れがつきにくくなります。

着色汚れを落としやすい成分を配合されている歯磨き粉を使う

毎日使うオーラルケア用品も見直しましょう。例えばシリカやポリリン酸など、着色汚れの除去に向いている成分が含まれた歯磨き粉を継続的に使用することで、歯の着色を防ぐことができます。

唾液の分泌を促す

唾液は口腔内に残っている食べカスなどを洗い流す役割を担っています。口腔内の乾燥を防ぐことにもつながるため、ガムを噛んだり、人と積極的に会話をしたりして、唾液の分泌を促しましょう。

定期的に歯医者でメンテナンスをする

歯医者でのクリーニングは、受けることで歯の着色に咥えて虫歯などの病気を防ぐことができます。3ヶ月に一度の頻度が目安となるため検討しましょう。

まとめ

歯の着色汚れは飲食物の成分やタバコに含まれる物質などが原因ですが、オーラルケアを徹底することで可能性を減らすことができます。またオーラルケア用品を見直したり、ホワイトニングをおこなったりすることで、自分でも着色汚れを落とすことが可能です。

しかし、自宅ケアやホワイトニングで落とせる汚れ・白さには限界があり、長年の着色や強い変色が残る場合は、セラミック治療による改善も選択肢の一つです。

セラミック治療では、歯の表面をセラミック素材で覆うことで、薬剤では漂白できない色素沈着も自然な白さに整えることができます。さらに、色戻りしにくく、美しさを長く維持できる点も魅力です。

歯の黄ばみが気になる方や、自分のケアでは白くならなかった方は、一度美容歯科に相談してみるとよいでしょう。

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