銀歯をセラミックに！交換するメリット・デメリットや流れを解説

銀歯をセラミックに交換するには、銀歯のリスクやセラミックのメリット・デメリットなどを把握しておくことが大切です。

本記事では、銀歯からセラミックへの交換ができるか否か、交換のメリット・デメリット、セラミックの種類ごとの特徴、治療の流れと期間などを詳しく解説します。

銀歯をセラミックに交換することは可能？

銀歯のセラミックへの交換は可能ですが、もともとの歯の状態によっては交換が難しいと判断されるケースもあります。

ほとんどの場合交換できる

現在入っている銀歯は、ほとんどの場合セラミックに交換することが可能です。交換が可能かどうかは、銀歯の下にある歯の状態によって判断されます。例えば銀歯の下の歯が十分に残っており、根っこにも問題がなければ可能と判断されます。

交換が難しいケースとは

銀歯の下で虫歯が大きく進行していたり、歯の根が割れているなど損傷があったりすると、セラミックへの交換が難しい場合があります。もともとの歯が土台として十分な強度を保てないと、交換をしてもすぐに何らかの問題が起こる可能性があるためです。

特に歯根が割れたり炎症したりしている場合には、根管治療（歯の神経や根の内部を治療する処置）を先におこなう必要があり、抜歯をするケースもあります。

もともとの歯に問題が起きているケースでは、先に歯の状態を整えて、土台を再構築してからセラミックを装着するのが一般的です。

銀歯をセラミックに交換する4つのメリット

銀歯をセラミックに交換する主なメリットには、二次虫歯のリスク軽減や審美性の改善、健康リスクの回避などが挙げられます。

二次虫歯のリスクを大幅に軽減

銀歯には、銀歯の下に虫歯が起こる二次虫歯が生じるおそれがある、という欠点があります。

一方セラミックは天然歯への適合性が高く細菌が侵入しにくいため、二次虫歯のリスクを軽減できるメリットがあります。また、セラミックは金属のような腐食が起こらないため、長期間にわたって口腔内の衛生状態を保ちやすいという特徴もあります。

審美性の改善とコンプレックスの解消

銀歯とセラミックとでは口を開けたときの印象が大きく異なります。セラミックは天然歯に近い透明感と質感を再現できるため、審美性の高い素材を用いれば隣の歯と見分けがつかないほどの仕上がりになります。

会話中に銀歯が目立つことに悩んでいる人にとっては、審美的な改善は心理的な負担の軽減にもつながります。

金属アレルギーと健康リスクの回避

セラミックは金属を一切使用しないメタルフリー素材であるため、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみ（メタルタトゥー）といった健康リスクを根本から回避できるメリットがあります。

もともと金属アレルギーのある方、また将来のリスクを避けたい人には、安全性の高い選択肢といえます。

長期間にわたる安定性

セラミックは変色しにくく、摩耗や劣化にも強い素材です。また金属のように温度変化によって膨張・収縮することがなく、歯との適合性が長期間維持されやすいのも特徴です。

素材自体の硬さだけで見れば金属のほうが上ですが、歯への適合性や経年変化の少なさを考慮すると、セラミックのほうが長期的に安定しています。適切なメンテナンスをおこなえば、10年以上にわたり良好な状態を保つことも十分可能です。

セラミックに交換する際のデメリットと注意点

セラミックに交換するデメリットは主に、治療費の高さや治療期間の長さです。

費用が高くなる

セラミック治療は保険適用外の自由診療でおこなわれるため、銀歯治療と比較して費用が高くなるといったデメリットがあります。ただし、セラミックは変色や腐食が起こりにくく、ケア次第で再治療の頻度を抑えられます。歯の寿命や審美性を含めて、必要な投資と考えられるケースもあるかもしれません。

湘南美容歯科では、素材ごとの違いや費用の目安を素材ごとの特徴や費用をより詳しくご説明しています。具体的な金額を確認したい方は、ぜひ料金ページをご覧ください。

湘南美容歯科のセラミック治療料金について詳しくはこちら＞

治療期間がかかる場合がある

セラミック治療は、銀歯よりも製作工程が多く、治療完了までに時間を要することがあります。銀歯の場合、型取りをしたものをもとに鋳型として使う詰め物や被せ物を作り、そこに金属を流し込むことで製作します。

一方セラミックの歯は、セラミックを焼成したり削ったりした後、天然歯に近い色味になるように調整する工程があります。そのため一般的には、セラミック治療のほうが時間がかかることが多いです。

銀歯の下の虫歯治療が必要になる可能性がある

銀歯を外した際に、その下で虫歯が進行していることがあります。進行の度合いが大きい場合、虫歯の除去のほか、根管治療など土台を補強するための治療を追加する必要があります。

銀歯の下の歯の状態によって治療の期間・費用が増える可能性があることに注意しましょう。

銀歯をセラミックに交換する際に選べる主な種類

実はセラミックの素材は1種類ではなく、使用される素材によって特性も異なります。代表的な6種類を紹介します。

オールセラミック

金属を一切使用せず、セラミックのみで構成された人工歯です。高い透明感と自然な色調が特徴で、前歯など審美性が求められる部位に適しています。金属アレルギーの心配がなく、歯ぐきとの境目も黒ずみにくい点がメリットです。
強い衝撃が加わると欠けたり割れたりするおそれがあるため、奥歯にはあまり向いていません。

ジルコニア

人工ダイヤモンドにも使われる酸化ジルコニウムを素材としたセラミックです。非常に高い強度と耐久性をもち、噛む力が強い奥歯の治療にも適しています。

表面にステイン着色やグレーズ加工を施して、より自然な色調や質感を再現した、従来のジルコニアよりも透明感が向上したタイプのものも存在します。ただしオールセラミックほどの審美性は得られない可能性が高いです。

ハイブリッドセラミック

セラミックの粒子とレジン（プラスチック）を混合した素材で、硬すぎず、自然な噛み心地を再現できることが特徴です。周囲の歯に負担をかけにくく、費用も比較的抑えられます。

プラスチック成分が含まれるため経年によって変色しやすく、摩耗しやすいことが欠点です。コストと審美性のバランスを重視するケースに向いています。

メタルボンド

金属のフレームの上にセラミックを焼き付けた人工歯です。金属の強度とセラミックの美しさを両立でき、以前から広く使われてきました。ただし、金属を使用するため歯ぐきとの境目が黒く見えることがあり、金属アレルギーの懸念も残ります。

より自然な見た目を重視する場合、オールセラミックやジルコニアのほうが向いています。

イーマックス

二ケイ酸リチウムガラスセラミックを素材とするタイプで、審美性と強度のバランスに優れています。透明感はオールセラミックに近く、割れにくさはハイブリッドよりも高いため、前歯・小臼歯どちらにも適用可能です。

CAD/CAMによる精密加工が可能で、歯科技工士の仕上げによって自然な色調を再現できます。

レジン

セラミックではありませんが、銀歯の代替手段のひとつとしてご紹介します。プラスチック系の樹脂素材で、保険診療の範囲でも使用されています。見た目は白いものの、セラミックと比較すると透明感や耐久性が低く、数年で変色や摩耗が起こることがあります。費用を抑えたい場合や、仮の修復材として用いるには適していますが、長期的な審美性を求める場合は不向きです。

銀歯からセラミックへの交換の流れと治療期間

銀歯をセラミックに交換する一般的な流れを4つのステップに分けて説明します。

精密検査とカウンセリング

まず、レントゲン撮影や口腔内カメラを用いて、銀歯の下の虫歯や歯根の状態を詳しく確認します。この検査によって、交換が可能か、先に虫歯治療や根管治療が必要かを判断します。また希望の白さのトーンやご予算などもお伺いします。

銀歯の除去と内部の治療

次に、古い銀歯を慎重に取り外します。金属と歯の間にあるセメント層を削るように除去するため、過剰な歯質の損失を防ぎながら作業がおこなわれます。銀歯の下で虫歯が進行していた場合は、この時点で虫歯部分を完全に除去し、必要に応じて神経の保護または根管治療をおこないます。

型取りと仮歯の装着

内部の治療が完了したら、歯の形を整えて精密な型取りをおこないます。クリニックによっては3Dスキャンをおこなうこともあります。この型をもとに、歯科技工士が一人ひとりに合ったセラミックを製作します。

製作には通常1〜2週間程度かかりますので、その間は仮歯を装着します。

セラミックの装着

セラミックが完成したら、次回の受診時に試着をおこない、色・形・噛み合わせを確認します。問題がなければ、専用の接着剤を用いて強固に装着します。接着剤が完全に硬化した後、咬み合わせの微調整をして治療は完了です。

治療全体の期間は、虫歯治療を伴わない場合でおおむね2〜3週間前後が目安です。根管治療などを実施する場合は、さらに1〜2週間ほど延びることもあります。

後悔しないためのクリニック選びと素材の選択

銀歯をセラミックに交換する際は、仕上がりの美しさのほか、歯を長持ちさせるといった視点も欠かせません。

経験豊富な医師による精密な形成

歯の寿命を長くするためには、もともとの歯をなるべく削らないことが大切です。また詰め物や被せ物をする場合、それらが密着するように歯のかたちを整える作業も重要な工程となります。

セラミックの治療では、銀歯を外す作業と、銀歯を外したあとに歯を整える形成が歯の寿命に関わる大切な作業となります。後悔しないためには、これらの経験が豊富な医師を選ぶことが重要です。

湘南美容歯科のセラミック治療について詳しくはこちら＞

身体に優しい素材を選ぶ

セラミック歯は、メタルフリーの素材を選ぶことによって金属アレルギーやメタルタトゥーといった健康リスクを回避できます。審美性や耐久性のほか、身体に優しいかどうかといった視点も加えて選ぶとよいでしょう。

オールセラミックやジルコニアが代表的なメタルフリー素材です。

まとめ

銀歯のセラミックへの交換は、見た目を整えるだけでなく、歯の寿命を守るための投資的な側面もあります。銀歯の治療を受けてから10年以上が経過していたり、食べ物がひっかかりやすいなどの気になる症状があったりする場合は、歯科医師への相談をおすすめします。

湘南美容歯科では、現在の歯の状態や治療の選択肢について医師に相談できる無料カウンセリングを提供しております。

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