ハイブリッドセラミックとは？他の素材との違いからメリット・デメリットまで解説

「保険診療の被せ物は見た目は気になる」「セラミックは高額で手が出せない」こういった方の選択肢として提案されるのがハイブリッドセラミックです。価格を抑えてセラミック治療がしたい方の選択肢の1つですが、デメリットも踏まえた検討が必要です。

本記事では、ハイブリッドセラミックの特徴や他の素材との比較、メリット・デメリットについて紹介します。

ハイブリッドセラミックとは？

ハイブリッドセラミックは、レジン（プラスチック）とセラミック（陶材）を組み合わせて作られる歯科用の素材です。虫歯治療やセラミック矯正の被せ物（クラウン）や詰め物（インレー）に使用されます。

ハイブリッドセラミックは、セラミック粒子を練り込むことで、従来のレジンの被せ物よりも耐久性や審美性が高いのが特徴です。また、適度なしなやかさも持ち合わせています。オールセラミックより価格も抑えられます。

他の主要なセラミックとの比較

歯科治療で使用されるセラミック素材には、ハイブリッドセラミック以外にもいくつか種類があり、異なる特徴があります。

以下の表に主要なセラミック素材をまとめ、比較しました。

• ハイブリッドセラミック

レジンとセラミックを混合した素材で、適度なしなやかさと強度があるのが特徴。一定の条件を満たせば保険診療で受けられる可能性もあります。

• ジルコニアセラミック

人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど強度が高く、耐久性にも優れた素材。負担がかかりやすい奥歯に推奨されます。オールセラミックと比較すると、審美性の観点でやや劣りますが、グラデーションを施すことで自然な色調再現も可能です。

• オールセラミック

すべてセラミックで構成される素材で、最も審美性が高く、透明感や自然な色調の再現性に長けています。目立つ前歯の治療に最適ですが、費用はやや高額です。

その他のセラミックの種類については以下をご覧ください。
セラミックの種類は？比較表で6種類を解説

ハイブリッドセラミックのメリット

ハイブリッドセラミックは、オールセラミックやジルコニアほど高額ではないものの、見た目や扱いやすさの面で優れている素材です。
ここでは、ハイブリッドセラミックのメリットを詳しく解説します。

費用を抑えられる

ハイブリッドセラミックの大きなメリットは、費用を抑えられることです。保険診療でも用いられる歯科素材のレジンを含むため、1本あたり5万円程度となります。さらに、一定の条件のもとであれば保険適用となるケースがあり、1本1万円程度となる可能性もあります。

変色しづらい天然歯に近い色

レジンだけを使った被せ物は、時間が経つと黄ばみやすい傾向があります。しかしセラミックを含むハイブリッドセラミックは、従来のレジンに比べて変色しにくく白さを保ちやすい素材です。

レジンより審美性があり、かつオールセラミックより価格を抑えたいという方におすすめです。

修復や調整が比較的容易

ハイブリッドセラミックは、セラミック素材に比べて加工がしやすいしなやかな素材です。セラミックは一度大きく欠けてしまうと作り直しが必要になることが多くあります。しかし、ハイブリッドセラミックであれば、破損した場合でも短時間での修復や調整が比較的容易です。

レジンがもつ柔軟性によって修復や調整がしやすい点はメリットです。しなやかな素材であるため、噛み合う歯への負担が少なく、歯を傷つけにくいとされています。

ハイブリッドセラミックのデメリット

ハイブリッドセラミックには費用面のメリットがある一方で、強度や見た目の側面ではデメリットもあります。治療を検討する前に、素材特有のデメリットも理解しておくことが大切です。

強度や耐久性の低さ

ハイブリッドセラミックはレジンのしなやかさはあるものの、強度の観点ではオールセラミックやジルコニアには劣る素材です。強い力がかかると破損する恐れがあるため、歯ぎしりの癖がある方は不向きな場合があります。

また、ハイブリッドセラミックの被せ物の寿命は、約5〜7年とされています。セラミックの場合は10〜15年程度長持ちするため、耐久性の低さもデメリットです。

経年劣化のしやすさ

オールセラミックはほぼ変色しないのに対し、ハイブリッドセラミックは経年劣化が生じやすい素材です。吸水性のあるレジンを含むため、水分や色素を吸収しやすく、黄ばみや変色が起きやすい傾向があります。

特に、コーヒーやワインなどの色素が強い飲み物を日常的に摂取する方は、変色リスクの少ないセラミック素材がおすすめです。

透明感の低さ

審美性の面では、オールセラミックほどの高い透明感や白さは期待できません。100％レジンで作られた被せ物に比べれば、天然歯に近い見た目にはなりやすい素材です。しかし、グラデーションや色素の細かなデザインはできないため、マットで人工的な印象を与える場合があります。

自然な透明感や白さには欠けるため、目立つ前歯には不向きです。
「より自然に見せたい」「透明感のある白さを重視したい」という方には、オールセラミックのほうが満足度が高くなるでしょう。

ハイブリッドセラミックが適している人・適していない人

ハイブリッドセラミックは、すべての部位や症状に適しているわけではありません。セラミック治療で素材選びに迷う場合は、適応があるかどうか以下で確認してみましょう。

適している人の特徴

ハイブリッドセラミックは以下のような人に適しています。

• 費用重視でコストを抑えたい方
• 条件次第で保険診療で治療したい方
• まずは試しにセラミック治療を受けたい方
• 負担がかかりづらい小臼歯を治療したい方

適していない人の特徴

一方、以下のような人には適さない可能性があります。

• 強い歯ぎしりや食いしばりの癖がある方
• コーヒーなど着色しやすい飲み物を飲む習慣がある方
• 天然歯のような自然な白さや透明感がほしい方
• 前歯の治療を希望する方
• 長持ちする被せ物を選びたい方

まとめ

ハイブリッドセラミックは、保険診療の被せ物と比べると見た目も白く、他のセラミック素材に比べて費用がリーズナブルです。ただし、単に費用が安いからという理由で選ぶと、後悔する場合もあります。黄ばみ・変色のリスクや、耐久性の低さも考慮して選びましょう。

長期的にみると強度・耐久性・審美性が高く、長持ちするセラミックやジルコニアがおすすめです。湘南美容歯科では、審美性の高いセラミック治療のメニューを豊富にご用意しています。治療部位や歯の状態、ご希望に合わせて医師が最適な素材や治療法をご提案いたします。ご自身に合った素材選びが難しい場合は、まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。

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