プロの手を借りて白い歯を取り戻す!

象牙質、エナメル質が歯の色に関係

プロの手を借りて白い歯を取り戻す!

白い歯は健康的ではつらつとしたイメージがあり、美容の観点から関心をもつ人が多いと思われます。歯を白く美しくみせるためには、歯並びやかみ合わせ、口腔内の衛生全般をケアする必要があるので、歯や口腔の健康維持・増進にもつながります。

歯は、なぜ黄ばむのでしょうか。歯の主体をなすのは象牙質で、その表面をエナメル質が覆っています(1)。エナメル質は薄く半透明なので、歯の色はその内側にある象牙質の色が大きく関係しています。ただ、エナメル質の厚さや透明度、凹凸などによって光の反射が変わるため、エナメル質も歯の色に影響を与えます。

象牙質の色は個人差があり、乳白色から淡いクリーム色まで、多少の違いがあります。また、象牙質は加齢とともに色が濃くなります。一方、エナメル質は表面の膜と飲食物の色素が結びつき、ステイン(着色汚れ)となって沈着します。ステインの原因となる代表的な飲食物はコーヒー、紅茶、カレー粉、ケチャップ、赤ワイン、チョコレートなどで、タバコも歯を茶色に変色させます(1)。

また、飲食物を口にすると、そこに含まれる糖を栄養にしてむし歯菌が増殖し、酸をつくり出して、歯のエナメル質を溶かします。溶けたエナメル質は、唾液によって元に戻りますが、甘い物などを食べる時間が長いと、エナメル質が溶けて歯の表面に凹凸ができ、光が乱反射して、結果的に黄ばみを際立たせてしまいます。

図1 歯の象牙質とエナメル質

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表1 ステインの原因となるもの

  • コーヒー、紅茶

コーヒー、紅茶に含まれるタンニン、カテキンなどが黄ばみの原因となる。

  • カレー粉、ケチャップ、醤油、ソース

これらの調味料に含まれる着色料がステインとなる。

  • 赤ワイン、チョコレート

ポリフェノールがステインとなる。赤ワインに含まれるタンニンもステインになる。

  • タバコ

タバコに含まれるタールが、歯の色を茶色くする。

象牙質まで白くするホワイトニング

日常的な歯の汚れは、歯みがきである程度きれいにできます。コーヒー、紅茶、タバコなどによるステインに対しては、歯科クリニックで行う歯面研磨で本来の色を取り戻すことができます。

しかし、象牙質の色を変えるのは個人では難しいため、歯科クリニックで行うホワイトニングが必要です。歯をクリーニングした後、漂白剤を塗布し、ホワイトニングライトを照射して、歯を内側から白くします。

なお、乳幼児~小児期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると、その副作用で歯が変色することがあります。この場合、歯面研磨やホワイトニングで白くすることは困難です。歯の表面を薄く削り、そこに白いセラミックのチップを貼りつける「ラミネートベニア」などの方法で対応することになります。

 

《参考資料》

末瀬一彦(編著)ほか, 歯科衛生士ベーシックスタンダード 審美歯科. 医歯薬出版 2013

日本歯科医師会, 歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020

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