歯のホワイトニング後に痛みが出るのは40%ほどの確率と言われています
ホワイトニングは過酸化水素を歯に浸透させて白くする方法のため、薬剤の影響で歯の痛みが出ることがあります。歯の痛みが出る割合は、40%程度と言われています。
痛みが出るのはエナメル質の厚さが薄い場合です。日本人はエナメル質が薄い人が多く、ホワイトニング後に痛みが出ることがあります。
しかし痛みは一時的なもののため、24時間以内に消失することが多いです。
エナメル質は生活習慣の影響で薄くなります
エナメル質は人体の中でももっとも硬い組織です。しかし硬い素材であってももろい性質があるため、生活習慣の影響でエナメル質が薄くなっている人もいます。
一般的なエナメル質の厚さは2~3mm程度です。しかし強い歯磨きでのブラッシングや、歯垢から出る酸の影響で弱くなり、これより薄くなっている場合があります。
エナメル質の多くはリン酸カルシウムの一種からできています。歯垢が作り出す酸の影響を受けると、エナメル質のミネラル分が溶けだしもろくなってしまうのです。
しかし一度溶けだしたミネラルも、再石灰化により元に戻ろうとする作用があります。唾液が分泌されることでもろくなったエナメル質も元に戻っていくため、初期虫歯であればまだ改善は可能です。
強いブラッシングや歯垢の影響でエナメル質が薄くなっていると、ホワイトニングの薬剤で歯がしみたり傷んだりするため注意しましょう。普段の生活から歯にダメージがかかるブラッシングを止めて、唾液を増やして再石灰化を促すようにしてください。
ホワイトニングの薬剤は、虫歯や歯の亀裂がある場合もしみやすくなります。歯のトラブルがある方は、ホワイトニングの前に改善させておきましょう。
痛みが出やすい方は医師への相談がおすすめです
もともとエナメル質が薄い方は、自分で対策がしにくいため、医師に相談してください。ホワイトニングの施術をする前に知覚過敏の予防をすることで、ホワイトニングの痛みが軽くなることがあります。
施術前と施術後に、知覚過敏と再石灰化を促すペーストを歯に塗ることで、痛みを軽減させることができます。知覚過敏がおきたとしても再石灰化により、痛みを和らげることができるでしょう。
それでもホワイトニングで痛みが強くなりやすい方は、医師に相談して薬剤の濃度を薄くしてもらうことをおすすめします。1回の施術時間を短くすることでも、痛みを軽減しやすくなります。
濃度が高いのは歯科医院での施術で、過酸化水素を使う場合です。家庭でホワイトニングをする場合は、濃度の低い過酸化尿素を使っています。
ホワイトニングで痛みを感じやすい方は、歯科医院でのスタンダードホワイトニング(オフィスホワイトニング)ではなく、家庭でやるホームホワイトニングを考慮してみましょう。ホームホワイトニングは歯が白くなるまで時間がかかりますが、低濃度の薬剤を使うため痛みが出にくくなります。
痛みが強くなりやすい方は、施術期間を調節して、休みながら施術していきましょう。
知覚過敏の予防はプロによるケアがおすすめです
エナメル質が薄くなってしまうのは、歯垢が出す酸の力でミネラル分が溶けてしまうからです。歯磨きが不十分で歯垢が溜まり、歯茎が下がることでも知覚過敏がおきやすくなってしまいます。
知覚過敏の予防は、適切な歯磨きです。強い力で歯ブラシをしたり、歯ブラシを大きく動かしたりする方法は避けましょう。
プラークコントールができないと歯周病が進行していき、歯茎が下がって歯がしみやすくなるため、毎日のブラッシングで歯垢を適切に除去していってください。しかし歯がしみやすくなると、痛みでブラッシングがいきわたらなくなります。
ときには知覚過敏が悪化してしまうこともあるため、プロのケアも借りるようにしましょう。普段から歯垢が溜まりやすく知覚過敏になりやすい方は、歯科医院での予防や処置がおすすめです。
歯垢は時間が経つと歯石と変わっていくため、定期的な歯のクリーニングを利用しましょう。フッ素コートをすることでも、再石灰化を促して歯がしみにくくなります。
知覚過敏が進行している方がホワイトニングをする場合は、むき出しになった象牙質の表面をコートする方法もおすすめです。レジンで被うことで痛みを軽減できます。
(まとめ)歯のホワイトニング後に痛みは出ますか?
ホワイトニングの痛みは40%程度に見られるもので、エナメル質が薄い日本人はなりやすいです。痛みがあっても24時間内に消失することが多く、一時的なもので心配はありません。
エナメル質は強いブラッシングや歯垢が出す酸の影響でもろくなります。ホワイトニングで痛みを感じやすい方は、エナメル質を薄くする生活習慣をあらためて、痛みを予防しましょう。
もともとエナメル質が薄い方は、医師に相談して対処してもらってください。知覚過敏予防や再石灰化を促すペーストを塗る方法や、薬剤の濃度を低くする対策があります。
スタンダードホワイトニング(オフィスホワイトニング)より、ホームホワイトニングのほうがおすすめです。
普段から知覚過敏になりやすい方は、適切な歯磨きをしましょう。落とし切れない歯石はプロのケアがおすすめです。
知覚過敏予防にはフッ素を塗布して再石灰化を促したり、レジンでコートしたりする方法もあります。