妊娠中には歯のホワイトニングを受けることができません
ホワイトニングは、歯を漂白するための薬剤を塗布してから光を照射する施術です。ホワイトニングに使用される薬剤は過酸化水素などが含まれるもので、昔から健康や歯に問題が生じることがなく使われてきた安全な薬剤とされています。
ただし妊娠中や授乳中の場合には、使用した薬剤が胎児や乳児にどのような影響を与えるかはっきりとはわかっていません。
危険が及ぶ恐れもあるかもしれないため、妊娠中などにはホワイトニングを受けることができません。
目次
妊娠中にはクリーニングで歯の着色を改善できます
妊娠中には、お腹の中の赤ちゃんに、使用する薬剤の影響があるかもしれないため、ホワイトニングを行うことが難しいです。また授乳中にも、母乳を飲んでいる乳児に影響があるかもしれないので、ホワイトニングを受けることはできません。
ただホワイトニングを行うことができないのものの、歯のクリーニングを受けることはできます。
妊娠中には、口の中に少しの汚れが残っているだけでも歯茎が腫れる場合などがあるため、定期的に歯のクリーニングを行うことも推奨されています。
歯のクリーニングでは、歯に付着しているステインなどの汚れをとることができるので、歯本来の白さを取り戻すことが期待できるでしょう。
妊娠中や授乳中には、ホワイトニングがムリでも、クリーニングでのケアがおすすめといえます。
また妊娠中期とされる5~8ヶ月の安定期には、虫歯などの歯科治療を受けることができるとされています。妊娠中には初期のつわりで歯磨きがきちんとできなくなる方も多いでしょう。
妊娠すると虫歯や歯周病にかかりやすくなるため、虫歯治療やクリーニングなどの歯のケアを行うようにしましょう。
授乳後にはホワイトニングを受けることができるようになります
授乳が終わり、赤ちゃんに母乳をあげることがなくなったときには、薬剤を使用しても赤ちゃんへの影響が出なくなります。そのため授乳後には歯のホワイトニングを受けることが可能になります。
1日で歯の色を改善したいというときには、病院で受けられるスタンダードホワイトニング(オフィスホワイトニング)で簡単に歯の色を改善することができるでしょう。
自宅で少しずつ歯の色を明るくしていきたいというときには、家で自由に行えるホームホワイトニングが適しています。
スタンダードホワイトニング(オフィスホワイトニング)は早ければ一度で終了するため、気軽に受けられるというメリットがあります。
ホームホワイトニングはホワイトニングの期間中しばらく食事制限をする必要があるけれど、色の後戻りがしにくいといわれています。
授乳が終わるまでに、虫歯などの歯の問題を解決しておくよう気を付けていれば、歯のホワイトニングが可能になったときにすぐホワイトニングを行えるでしょう。
ホワイトニングの前には歯のクリーニングを受けて、ホワイトニングの効果が出やすいようにしておくことも大切です。
自分に合うホワイトニングはどれか、妊娠中にゆっくり調べていてもいいでしょう。
妊娠中以外でもホワイトニングを受けられない場合があります
妊娠中ではなくても、ホワイトニングができない場合があるとされています。ホワイトニングの薬剤や器材などにアレルギーがある方や、歯のエナメル質形成不全・象牙質形成不全の方・無カタラーゼ症の方・テトラサイクリンが原因の濃い変色・金属による歯の変色などが、ホワイトニングができない場合といわれています。
アレルギーがある場合には、ショック症状などの危険があるためホワイトニングは受けられません。エナメル質や象牙質の形成不全の場合には、薬剤が浸透して神経に悪影響があるとされています。
また無カタラーゼは薬剤の成分を分解できない体質のため、ホワイトニングが受けられません。
このように薬剤などを使用するホワイトニングが適していない場合には、ラミネートべニアやセラミッククラウンなどの歯に被せものをするホワイトニングで歯の色を改善させることができるでしょう。
ラミネートべニアは、歯の表面を0.5mm程度削って薄いセラミック(陶器製)のチップを貼り付ける施術です。
セラミッククラウンの場合は、歯を削ってからセラミックの被せものを被せる施術で、どちらの場合でも自然で審美性の高い歯への仕上がりが期待できます。
(まとめ)妊娠中は歯のホワイトニングを受けられない?
ホワイトニングでは歯を漂白するための薬剤を歯に塗布します。通常では安全な薬剤とされていますが、胎児や乳児にどのような影響が及ぶかがまだわかっていないため、妊娠中にはホワイトニングを受けることはできません。
妊娠中や授乳中には、ホワイトニングを行うことができませんが、歯のクリーニングや虫歯の治療などは受けることができます。
妊娠中にはさまざまなオーラルケアが可能なので、ホワイトニング以外のケアで歯の美しさを維持できるでしょう。
授乳後には、赤ちゃんへの影響がなくなるため、歯のホワイトニングを受けられるようになります。
ホワイトニングが可能になるまでは、歯のケアを行い、どのホワイトニングを受けるかゆっくり考えておくといいでしょう。
妊娠中ではなくても、アレルギー・エナメル質形成不全・無カタラーゼ・テトラサイクリンによる歯の着色など、薬剤を使うホワイトニングが適さない場合もあります。
その場合にはラミネートべニアやセラミッククラウンなどで歯の色の改善が期待できるでしょう。