ホワイトニングは歯にダメージがかからない施術です
ホワイトニングでは過酸化水素を使用して、歯の内側にある着色物質を分解して歯を白くします。過酸化水素自体は歯に影響を与えることはなく、歯にダメージがかかりません。
歯にダメージがかかると誤解されているのは、歯に痛みを感じることがあるためです。施術中に痛みを感じても1日程度で治まってくることが多く、歯にダメージがかかっているのとは違います。
過酸化水素で歯が溶けだす量はごくわずかです
ホワイトニングで歯へのダメージを心配されている方は、過酸化水素による歯の脱灰を心配されているのではないでしょうか。濃度が濃い過酸化水素で歯を漂白した場合、歯が溶けだす可能性はごくわずかです。
研究で高濃度の過酸化水素に120時間付けたところ、ジュース類に2分付けたときと同程度だということがわかりました。実際は日常生活で歯が溶けだすリスクが高く、ホワイトニングの過酸化水素はそれほど影響がないのです。
もし過酸化水素で歯の脱灰が進んでしまったとしても、歯にはもともと再石化する働きがあります。唾液の力で歯は再石化が促され、薬剤の影響はほとんどないと考えられるでしょう。
過酸化水素の影響が心配な方は、高濃度の薬剤を使うスタンダードホワイトニング(オフィスホワイトニング)ではなく、低濃度の薬剤を用いるホームホワイトニングを選びましょう。
歯医者でのホワイトニングでは約35%の過酸化水素を用いますが、家庭でやるホワイトニングなら低濃度で影響が少なくなります。
歯を白くする効果は薬剤が濃くなるほど高くなります。効果と歯の影響を考えながら、スタンダードホワイトニング(オフィスホワイトニング)またはホームホワイトニングを活用しましょう。
知覚過敏は1~2日で消失します
ホワイトニングのデメリットは、薬剤が歯に浸透して知覚過敏をおこしやすいことです。とくに歯に見えないヒビが入っている場合や、深い虫歯を治療したことがある方は、高い確率で知覚過敏になります。
ホワイトニングで歯がしみたり痛くなったりすることで、歯にダメージをかけると勘違いしている方がいるようです。歯に問題がなければ痛みを感じることは少なく、歯の状態を見極めてから施術するようにします。
知覚過敏で痛みがおきたとしても1~2日程度で消失するため心配しなくても大丈夫です。高濃度の薬剤で歯がしみやすい方は、低濃度の薬剤で施術することも可能です。
家庭でケアするホームホワイトニングなら、薬剤の濃度も低いため影響は少なくなるでしょう。ホワイトニングに使用する過酸化水素自体は、安全性が確認されているものです。
過酸化水素を3%で調節したものは、口の中の消毒用としても使用しています。万が一体内に過酸化酸素が入り込んでも、分解されることがわかっているため安心です。
過酸化水素に対する安全性は各機関で研究が行われ、安全性に対する多数の論文が発表されています。
施術後に歯が白く濁るのは歯のダメージとは違います
高濃度の過酸化水素でホワイトニングをすると、歯の一部が白く濁ることがあります。この症状はエナメル質の表面が荒れて、すりガラスのように白く濁っているものです。
ホワイトニングをして数日くらいすると歯の白い濁りは解消します。しかし歯の石灰化が不十分だった場合は、なかなか消えないこともあります。
歯の再石化が不十分なことが心配な方は、普段からフッ素入りの歯磨き粉を使って歯を磨くようにしましょう。歯の白い斑点のような症状は、初期虫歯でも見られているものです。
ホワイトニング後に白い濁りが消えない場合は、別の対応が必要なことがあります。ラミネートベニアといって歯の表面をごく薄く削り、人工のセラミック素材を貼り付ける施術で対応が可能です。
セラミックは変色もしにくく、自然な歯の色を選ぶこともできます。歯を長く白く保ちたい方は、最初からラミネートベニアで対応することも可能です。
ラミネートベニアはネイルチップのような薄い素材を歯の表面に貼り付けます。歯の形も変えることが可能で、前歯に隙間があいている方にもおすすめです。
ホワイトニングだと色戻りがするため、長期間歯を白く保ちたい方は、ラミネートベニアも考慮してみましょう。
(まとめ)ホワイトニングは歯にダメージを与えますか?
ホワイトニングでは過酸化水素を使用して、歯の内側にある着色物質を分解して歯を白くします。過酸化水素が歯にダメージを与えることはありません。
施術中に痛みを感じることがあることから、間違った解釈が広まったためだといえます。
ホワイトニングで使用する過酸化水素では、ほとんど歯が脱灰しません。ジュース類に2分間付けたほうが影響は大きくなります。
歯の脱灰が心配な方は、濃度が低いホームホワイトニングをおすすめします。
ホワイトニングで歯がしみたり痛みを感じたり症状は、1~2日で消失するため心配する必要はありません。
過酸化水素自体も多数の論文で安全性が示されているため、心配はいらないでしょう。
ホワイトニング後に歯の一部が白く濁ることがありますが、エナメル質の表面が荒れているためで、短期間で解消できます。
しかし歯の石灰化が不十分だった場合は消えず、ラミネートベニアが必要なこともあります。