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治療内容によっては保険が適用されます
歯並びを治療する際には、基本的には健康保険は適用されません。
そのため、満額自己負担になってしまい、治療費用が高額になってしまうことに悩む人も少なくありません。
しかし、治療内容によっては、保険を適用して施術を受けることが可能となっています。
金額や保険の具体的な負担金額は、加入している健康保険の種類等によって異なってきます。
外科手術が必要な歯列矯正は保険が適用されます
歯並びを治すためには、様々な歯列矯正の方法から、自分の条件に適したものを選択していくことになります。
基本的に、歯列矯正は「自由診察」にカテゴライズされるため、検査料から診断料、治療費まで、全額が自己負担となる決まりになっています。
これは、病院やクリニックなど、どの医療施設を使用した場合でも同様です。
ただし、歯列矯正の治療の際に、外科手術が必要になる場合は、健康保険を適用することが出来ます。
極度の出っ歯や受け口、開口や、顎のズレなどが出ている場合は、歯列矯正と顎の手術を平行して行い、治療の完遂を目指していくことになります。
この場合、「顎変形症」と判断され、その手術として健康保険の範囲で治療を進めることが出来るわけです。
顎離断といって、顎の骨を切って口元を整えていくことになります。
ちなみに、この外科手術の前後に、噛み合わせや歯並びを歯列矯正の一環で調整する場合も、保険を適用することが可能となっています。
ただし、所定の医療機関で診察を受けなくてはいけないため、「顎口咥機能診断施設」に指定されている周辺の専門機関を確認しておく必要があります。
先天性異常の場合でも健康保険が適用されます
歯並びを治療する場合、外科手術を伴わない治療であっても、先天性の異常が認められる場合は、健康保険を適用することが可能です。
代表的なものでは、唇顎口蓋裂やダウン症、鎖骨・頭蓋骨形成などのトラブルが挙げられるでしょう。
ゴールデンハー症候群やクルー損症候群、尖頭合指症や先天性ミオパチー、顔面裂や軟骨形成不全症なども挙げられます。
この先天性疾患とは、厚生労働大臣によって定められた全23の先天性異常が対象となっており、指定の自立支援医療機関で保険を適用することが出来ます。
具体的な自己負担の金額や内訳、上限や制度の内容は、住んでいる区市町村によって異なっているため、管轄の保健所で確認する必要があります。
健康保険の適用内で、更に本人か世帯の所得に合わせて月額の自己負担金額が決定される仕組みになっています。
また、永久歯が6本以上欠損している場合も、保険を適用して歯並びを治療していくことが可能です。
受け口の人で、小臼歯が4本、大臼歯が2本かけてしまう先天性欠損の場合、治療に外科手術は必要とされませんが、歯列矯正にも保険が利用できます。
天性疾患や永久歯の欠損でない場合は基本的に健康保険の適用外となります
外科手術を必要としない歯列矯正や、先天性疾患や永久歯の欠損が認められない場合の施術は、基本的に健康保険が適用されないことになっています。
保険が適用されないとはいえ、悩みの解消のために多くの方が治療を行っています。
特に近年人気のある治療方法としては、歯の形を削って整え、セラミックの被せ物をするセラミック治療があります。
こちらは他の治療方法に比べて治療にかかる期間が短く、さらに見た目で矯正をしていることが分かりにくいことから、審美的なメリットもある方法です。
歯の形や色まで調整できるのも、他の治療方法にはないメリットだと言えるでしょう。
また、ワイヤーとブラケットを使用した歯列矯正は、代表的な歯並びや噛み合わせの矯正方法です。
治療が終了するまでに年数はかかり、治療中の歯磨きなどに気を遣いますが、ミリ単位での調整が可能です。
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(まとめ)歯並びの治療に保険は適用できるの?
歯並びの治療は、基本的に健康保険が適用されないことになっていますが、治療の内容によっては保険を利用することが出来ます。
加入している保険や治療の内容を具体的に確認していきましょう。
歯並びを治療する場合、外科手術を伴う治療であれば、健康保険の範囲で施術をすることが可能です。
顎変形症の手術をして、前後の噛み合わせや歯並びの治療も保険に入ります。
ただし、所定の医療機関で受診をしなければいけません。
先天的に咥内や顎の疾患が認められる場合、歯並びの治療に健康保険を適用することが出来ます。
厚生労働大臣が認可している23の先天性異常が対象となっています。
また、先天的に永久歯が6本以上欠損している場合も、歯列矯正に保険が使用できます。
健康保険が適用されない歯並びの治療方法はいくつか挙げられます。
保険適用外とはいえ、多くの人が悩み解消のために治療を活用しています。