マウスピース矯正・インビザラインのメリット・デメリットとは?ワイヤー矯正との比較も

マウスピース矯正のメリット・デメリット|食事のときの使用や歯磨きについて歯列矯正の方法を検討する際、それぞれの治療のメリットだけではなくデメリットも気になるのは自然なことでしょう。虫歯などの歯列矯正における失敗を避けるためにも、デメリットの確認は欠かせません。

この記事では、マウスピース矯正・インビザラインのメリットと併せて、デメリットについても具体例を交えてご紹介します。

マウスピース矯正・インビザラインのメリット

マウスピース矯正・インビザラインのメリットとしては、4つのポイントが挙げられます。

矯正中であることが目立ちにくい

メリットとしてまず挙げられるのは、矯正中の見た目のよさです。

歯列矯正というと、ワイヤーを歯にはめ込んだ姿を思い浮かべる方も多いでしょう。見た目が悪くなることが気になって、治療を諦めている方も少なくありません。特に人前に出る仕事の方は、抵抗を感じることでしょう。

一方、マウスピース矯正・インビザラインなら、矯正中でもいつもどおりの姿で生活することができます。なぜなら、このマウスピースは透明で薄く、目立ちにくいからです。たとえ口を開けたとしても気づかれることは少ないでしょう。

取り外してお手入れできる

マウスピースは、好きなときに自分で取り外すことができます。

特にこのメリットが活かされる場面として代表的なのは、記念写真を撮るときではないでしょうか。結婚式や旅行などの思い出に残るような写真を撮るとき、できるだけきれいな笑顔で写りたいのは誰しもが願うことです。

マウスピースなら必要なとき自分で簡単に取り外せるので、写真を撮るときだけ取り外して素敵な写真を残すことができるでしょう。

歯磨きが可能で口腔内を清潔に保てる

自分で取り外すことができることで得られるメリットは、これだけではありません。たとえば、歯磨きのしやすさも挙げることができるでしょう。

ワイヤーによる歯列矯正の場合、ワイヤーをつけたまま歯磨きをおこなうため、どうしても磨き残しが多くなり、虫歯の原因になることもあります。一方、マウスピース矯正・インビザラインは何もない状態で磨けるので、口の中をすみずみまで磨くことができます。

口腔内の清潔を簡単に保つことができれば、虫歯や歯周病の予防にもなります。マウスピース矯正・インビザラインは、歯の健康にとっても優しい治療といえるでしょう。

ワイヤー矯正などと違い食事が制限されない

食事の内容を気にしなくてよいことも、メリットの一つです。

従来のワイヤーによる歯列矯正では、矯正装置と歯の間に食べ物が挟まったり詰まったりすることがよくあります。特にポテトチップスなどのスナック菓子は歯に詰まり、取れにくいもの。
食べかすがそのまま残ってしまうと、虫歯や歯周病を引き起こす原因になります。またワイヤー矯正の場合、ワイヤーを止めているゴムの部分の着色汚れが気になって、コーヒーやお茶を飲めないことも珍しくないでしょう。

しかしマウスピース矯正・インビザラインなら、好きなときに自分で取り外しができるので、矯正中であっても制限なしで食事を楽しむことができます。食事は毎日のことですから、好きなものを思う存分楽しめるメリットは大きいといえるでしょう。

口の粘膜を傷つけない

ワイヤーによる歯列矯正の場合、金具やワイヤーにより唇や頬の内側を傷つけてしまい、口内炎などの口内トラブルに悩まされることがあります。

しかしマウスピース矯正・インビザラインは、表面が滑らかなプラスチック製でできているため、装着時の痛みや違和感が少ないです。

事前にシミュレーションが可能

マウスピース矯正・インビザラインは、治療前にコンピューターによる3Dシュミレーションをおこなうことで、歯の動き方や治療後の歯並びを確認することができます。

また、マウスピースは一人ひとりにオーダーメイドで作製されます。歯並びの状態によっては短期間の部分的なワイヤーやゴムを併用することで、さまざまな症例に対応ができるようになりました。

マウスピース矯正・インビザラインのデメリット

見た目のよさと取り外しの自由さが魅力のマウスピース矯正・インビザラインですが、もちろんデメリットもあります。ここでは、マウスピース矯正・インビザラインをする前に知っておきたいデメリットについてご紹介します。

1日20時間以上装着が必要

マウスピースは自由に取り外しができるとはいうものの、忘れてはいけないのが装着時間のこと。装着時間の目安は、1日20時間以上とされています。

すなわち、取り外してよい時間は1日4時間以内ということ。食事や歯磨きで取り外した後にうっかり取り付けるのを忘れてしまうと、すぐに装着時間が足りなくなるので気をつけましょう。

決められた装着時間を守らないと思うように歯が動かず、治療期間を延長せざるをえなくなることもあります。マウスピース矯正は自分で取り外しができる自由さがある一方で、徹底した自己管理が求められる治療でもあるのです。

食事のときはマウスピースを外す必要がある

食事のときは、基本的にマウスピースを外さなくてはなりません。

なぜなら外さずに食事をすると、マウスピースが汚れやすいからです。マウスピースと歯の間は密着しており、ほんのわずかな隙間しか空いていません。そこに食べ物が入り込んでしまうと、なかなか取れにくいのです。

さらに汚れをそのままにしておくと、マウスピースのなかで菌が繁殖して虫歯の原因にもつながります。また、マウスピース自体が着色してしまうこともあるでしょう。着色してしまったマウスピースは、見た目にもよくありません。

このようにマウスピースを外さずに食事をしてしまうと、虫歯や歯周病の原因を作るだけではなく、「見た目のよさ」というせっかくのメリットまで台無しになってしまうのです。

外すことができるため紛失の可能性がある

食事や歯磨きのたびに外さなくてはならないマウスピース。朝・昼・晩の食事の際、最低3回は外すことになるので、1日あたりの外す回数は多くなる傾向があります。

外す回数が多いということは、それだけ紛失する可能性も高くなるということ。

取り外し中は、一時的にどこかへ保管することになります。バッグのなかやホテルの洗面所など、普段と異なる場所に保管することが多くなる外出時は、さらに紛失しやすいものです。

マウスピースの管理には、常に注意を払いましょう。

歯磨きが不十分だと虫歯になりやすい

マウスピースを取り付ける前には、丁寧な歯磨きが必要になります。なぜなら、マウスピースと歯の間は密着していて菌が繁殖しやすい環境だからです。少しでも汚れが残っていると、すぐに虫歯になってしまいます。

歯磨きは食後だけではなく、間食した後にも必要です。食べる量は関係なく、キャンディを口に入れたりジュースを飲んだりしただけでも、そのたびに歯磨きをするほうがよいでしょう。

しかし1日3回の食後に加えて間食後も丁寧な歯磨きをおこなうなんて、社会人であれば難しい方がほとんどかもしれません。そのため、間食のように頻繁に食べ物や飲み物を口にする機会がある方は、その習慣自体の見直しも必要になります。

歯の状態によってはマウスピース矯正では治せない場合がある

歯の状態によっては、マウスピース矯正が適さないこともあります。

一般的に歯並びを大きく変える必要がある場合は、他の矯正方法を検討するケースもあります。たとえば、顎などの骨格のバランスに問題がある場合が例として挙げられます。

個人でマウスピースができるかどうかを判断することは難しいものです。マウスピース矯正の可否については、歯科医師に相談することをおすすめします。

奥歯のかみ合わせに不具合が出ることがある

マウスピース矯正・インビザラインをしていると、かえって歯の噛み合わせが悪くなる場合があります。特に多いのは、奥歯の噛み合わせが悪くなったと感じることです。

マウスピースを装着した状態で歯を噛み締めると、マウスピースの厚みの分だけ奥歯が先に当たるようになります。そのため、沈む方向の力がかかり、奥歯が噛み合わなくなるのです。

その他にも、マウスピースを適切な時間装着せず、効果が十分に得られなかった場合に噛み合わないと感じるなど、さまざまな原因が考えられます。マウスピース矯正・インビザラインで噛み合わせが悪くなったと感じた方は早めに医師に相談しましょう。

ワイヤー矯正と比較したときのメリット・デメリット

ここでは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正・インビザラインを比較したときのメリット・デメリットをご紹介します。

ワイヤー矯正メリット【1】適応できる症例の幅が広い

マウスピース矯正・インビザラインは以前より幅広い症例に対応できるようになってきています。しかし、ワイヤー矯正に比べると、歯並びや骨格の状態によってはマウスピース矯正・インビザラインをおこなえない場合もあります。

一方ワイヤー矯正の場合は、重度の叢生(歯が前後にがたがたとズレている状態)や抜歯が多く必要な場合でも矯正が可能です。

ワイヤー矯正メリット【2】着脱の手間がない

マウスピース矯正・インビザラインは食事のたびに取り外さないといけないため、負担に感じる方もいるでしょう。

ワイヤー矯正は一度装着すれば常に装置がついています。装着時間を気にする必要がなく、マウスピースのような着脱の手間もありません。

ワイヤー矯正デメリット【1】見た目に影響がある

マウスピース矯正・インビザラインは透明で薄く、目立ちにくいのが特長です。

一方でワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置を歯に接着し、ブラケットにワイヤーを装着するため、口を開けると目立ってしまいます。
最近では、歯と同じ色の装置を使用したり、裏側に装置をつける裏側矯正がありますが、マウスピースに比べるとある程度見た目に影響があります。

ワイヤー矯正デメリット【2】金属アレルギーを引き起こす可能性がある

金属アレルギーをお持ちの方は、ワイヤー矯正に用いる装置は金属のイメージが強く、金属アレルギーが起こるのではないかと不安な方も多いでしょう。

確かに、ニッケル・クロム・コバルトなどを用いた矯正装置は金属アレルギーを起こしやすいとされています。最近ではそんな方のために、金属アレルギーが起こりにくいチタンやセラミック、プラスチック素材の矯正装置もあります。

しかし、金属アレルギーが起こりにくい材料を使用しても絶対に金属アレルギーが起こらないとはいい切れません。また、ワイヤー矯正が金属アレルギーを引き起こす恐れもあります。不安な方は事前に医師に相談しましょう。

まとめ

マウスピース矯正・インビザラインには、外見面だけでなく、生活面・衛生面でもメリットがあります。誰にも知られずに矯正治療をおこないたい方や虫歯などの矯正トラブルが心配な方は、検討してみる価値があるでしょう。

一方で、装着時間の厳守や口内トラブルなどのデメリットもあります。これらのデメリットをまとめると、「自由に取り外しができる分、治療への意識を高め自己管理を徹底しなくてはならないこと」といえます。

ワイヤー矯正と比較しても、それぞれにメリットとデメリットがあるため、お客さまの症状や日常生活に合わせて最適な矯正方法を選択しましょう。マウスピース矯正ならではのルールをきちんと守り、適切なケアをおこなうことで、満足できる治療効果が得られるでしょう。

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