歯並びが左右非対称の場合も矯正できることがあります
左右の歯並びが非対称の場合、歯の矯正で改善できることがあります。このような状態のことを交叉咬合と呼びます。
奥歯など数本の噛み合わせがずれているため、左右どちらか一方で噛む癖ができてしまい、顔の左右のバランスが非対称になることがあるタイプです。
左右どちらかの奥歯でよく噛めないという症状や、歯を食いしばることができないと感じるなら、歯の矯正で改善できる可能性があるでしょう。
交叉咬合は子供のころの悪い癖が原因です
交叉咬合は子供のころの悪い生活習慣が原因となって、後天的におこるものです。子供のころはあまり気にならなくても、思春期以降に顔や歯並びが左右非対称になることに気が付き、受診される方もいます。
原因となるのは偏った顎の成長を促すさまざまな要因です。舌の癖で片側だけを押す場合や、片側だけ頬づえをついている場合におこります。
小児の場合でしたら癖を止めさせますが、大人になってからだと歯の矯正で改善できる場合と、外科手術が必要なケースがあります。顔の形が変形したまま大人になると施術は難しくなります。
左右の非対称が骨格まで及んでいない場合は、歯の矯正でも施術が可能です。その場合は歯を抜いて矯正する場合もあります。
左右非対称の歯並びを矯正する場合は、歯全体を矯正する必要があります。噛み合わせがずれている部分を検査で調べて、歯を少しずつ動かしながら改善させる施術です。
歯の矯正で改善できるか、外科手術が必要か見極めるために、一度受診して医師に相談してみましょう。矯正で改善できる場合は、歯並びが改善されてしっかり両方の奥歯で噛めるようになると、顔の歪みになる原因を取り除くことができます。
大人になってからの噛みしめも歪みの原因です
子供のころはそれほど気にならなくても、大人になってから左右の噛み合わせが変わってくることがあります。大人の場合はストレスにより食いしばってしまい、左右のバランスが崩れるためです。
食いしばりの症状は、仕事や家事などで忙しい人に見られています。いつもストレスが溜まっていると、無意識のうちに歯と歯が噛み合ってしまうのです。
とくに作業に集中しているときは食いしばりやすいでしょう。人によっては日中のストレスの影響で、夜中に歯ぎしりをしていることもあります。
ほとんどの方はストレスを実感していても、自分は食いしばりをしていないと感じるものです。食いしばりの多くは無意識に行っています。
少し意識してみると、作業中に歯と歯が噛み合っているということはありませんか。正常な歯の状態であれば、リラックスしているときに歯が噛み合っていません。
いつも食いしばりをしてしまうと、顎に大きな力がかかり、肩や首こりに発展します。歯の噛み合わせにも影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
正面から顔を見たときに、顎先が左右どちらかに傾いている場合は、普段の食いしばりで歯並びが悪くなっていることを疑ってみましょう。
顎変形症の場合は外科手術が必要です
噛み合わせが左右非対称になる原因は、受け口や出っ歯でもおこります。上の前歯が下の前歯より飛び出ている場合は出っ歯です。
受け口は、下の前歯が前面に出ています。どちらも歯の矯正で改善できる場合もありますが、外科手術が必要な場合もあります。
とくに手術が必要なほど骨格が歪んでいる状態は、顎変形症といいます。顎を動かすときに耳元で音がする場合は、顎変形症になっている可能性があるでしょう。
顎変形症の外科手術は保険を使う方法と、自費で施術してもらう方法があります。歯の矯正も同時に行う場合は、保険の適用は受けることができません。
美容外科では上下左右の4番目の歯を抜き、前歯6本を骨ごと前に出すセットバックという手法が用いられています。歯を骨ごと動かすことで、前に突き出た顎や、左右非対称の顎のバランスを整えることが可能です。
セットバックは口元の印象が変わるため、ほうれい線の深さに変化が出る方もいます。切除した骨はチタン製のプレートとワイヤーで固定する方法で、施術後3ヶ月でワイヤーを除去できます。
施術は入院なしで、ダウンタイムは2週間です。2週間すると骨の融合が進み動かなくなります。
(まとめ)歯並びが左右非対称の場合改善できますか?
歯並びが左右非対称なのは、奥歯などの数本の噛み合わせが悪くなっているためです。交叉咬合と呼ばれる状態になると、左右どちらかで噛めない、歯を食いしばれないという症状が出ます。
左右の噛み合わせが非対称になってしまうのは、子供のころの悪い癖が原因です。そのまま大人になった場合は、歯の矯正で改善できる場合と、外科手術が必要なケースがあります。
歯並びの左右非対称は、大人になってからの食いしばりでもおこります。ストレスが溜まると無意識のうちに歯を噛み合わせてしまい、強い力で噛み合わせのバランスが変わってしまうことがあるのです。
骨格に歪みが生じて外科手術が必要な場合は、保険を使う方法と、自費で施術する方法があります。自費で歯の矯正をしている場合は、外科手術も自費の対応です。
セットバックなら入院なし、ダウンタイムは2週間で済みます。