歯と歯茎の隙間から膿が出るのは歯周病の疑いがあります
歯と歯茎の隙間から膿が出る場合、歯周病を発症している可能性があります。
歯の健康状態に関わりなく、歯と歯茎の隙間には歯肉溝(しにくこう)と呼ばれる溝がありますが、歯肉溝の正常な深さは1~2mmとされています。
その溝が3mm以上になると歯茎に炎症が起こりやすくなりますが、これが「歯周ポケット」と呼ばれる深い溝です。
歯周ポケットに存在する細菌が繁殖すると腫れや出血を引き起こし、やがて膿を持つようになります。
目次
歯周ポケットが深くなるメカニズムについて知りましょう
健康な状態の歯肉溝は、歯茎にぴったりと密着して細菌の侵入を防ぐ役割を果たしています。
ところが歯茎の炎症が深いところまで達すると、この密着が剥がれてしまい、この歯と歯茎の隙間にプラーク(歯垢)が増えていきます。
歯周ポケット内部で堆積した汚れや石灰化した歯石は、ブラッシングだけでは取り除くことができません。
こうして歯垢に潜む細菌がますます増殖し、歯周病の悪化を招くリスクが高くなります。
歯周ポケットの深さは歯周病の進行に合わせて深くなっていきますが、重度の歯周病では6mm以上の深さまで達します。
歯周ポケットが深くなる理由は、口の中にいる嫌気性菌の働きによるものです。
嫌気性菌とは空気を嫌う細菌のことを指しますが、この嫌気性菌が歯周病と関係があるとされています。
嫌気性である歯周病菌は空気が行き届きにくい歯と歯茎の隙間に居場所を求め、増殖していきます。
そうして奥へと入り込むことで活性化し、さらに歯周ポケットを深くしていくのです。
歯周病が重症化すると歯の土台となっている歯槽骨が徐々に溶かされ、歯の位置が定まらずグラグラと動くようになります。
歯周病は症状が重くなる傾向があるため、クリニックで早めの施術を受けることが大切です。
歯周病が進行すると歯と歯茎の隙間が化膿して歯槽膿漏を引き起こします
歯と歯茎の隙間から膿が出るという症状は、歯周病の代表的な症状になります。
膿は体の中で戦った歯周病菌と免疫細胞(白血球)が死骸となって排出されたものなので、膿が出るということは歯周病を現在発症しているということになります。
歯と歯茎の隙間が化膿するのは、歯周病の進行段階としては中度もしくは重度にあたります。
歯周病は放置していても症状が改善することはなく、クリニックで施術を受けなければ完治することはありません。
適切な施術をしない限り、歯周病菌によって歯周ポケットはどんどん深くなり、歯の支えとなる骨が溶けることで歯が抜けてしまうこともあります。
歯がぐらついたり、抜けてしまったりという症状は末期の歯周病であり、施術をせずに放置することで引き起こされるケースが多いとされています。
このような状態を歯槽膿漏と呼び、1本の歯だけにとどまらず、同時に複数の歯を失うことにもなりかねない病気として知られています。
歯周病にかかると糖尿病を発症するリスクが高まります
心臓血管系疾患、呼吸器疾患など、全身疾患と歯周病には相互関係があると考えられています。
歯周病は細菌による感染症です。
そのため、もともと持っている体の抵抗力が強いという場合は、進行を食い止めることができます。
ところが何らかの疾患によって抵抗力が弱ってしまっていると、歯周病が進行しやすくなり、より悪化しやすくなる原因となります。
また歯周病原菌が体の中で活性化することで、他の病気を引き起こしやすくなります。
特に歯周病との関連性が指摘されているのが糖尿病です。
糖尿病になると白血球による抵抗力が極端に落ちるため、歯周病が短期間で重症化しやすくなる傾向があります。
また歯周病により血糖値のコントロールがうまく機能しなくなり、糖尿病にも悪影響を与えます。
歯周病の予防には、初期段階でのケアがとても大切です。
クリニックで定期的にプラークや歯石を除去してもらい、普段から丁寧なブラッシングを行うことを今一度心がけてみましょう。
(まとめ)歯と歯茎の隙間から膿が出るのはどんな病気?
歯周病を発症すると、歯と歯茎の隙間から膿が出ることがあります。
歯肉溝の正常な深さは1~2mmとされていますが、3mm以上になると、歯周ポケットと呼ばれるようになります。
細菌が繁殖すると歯周ポケット内で腫れや出血を引き起こし、膿が溜まります。
重度の歯周病では歯周ポケットの深さが6mm以上にもなり、歯茎の炎症が深部まで達すると歯と歯茎の隙間にプラークが増えます。
このような歯周ポケット内部の汚れや歯石はブラッシングでは落とせず、細菌がますます増殖することで歯周病の悪化を招きます。
歯と歯茎の隙間から膿が出るのは歯周病の代表的な症状になり、さらに進行すると歯を支える骨が溶けてしまうこともあります。
歯周病は放置していても症状が改善されないため、クリニックで適切な施術を受ける必要があります。
全身疾患と歯周病には相互関係があると考えられていますが、特に関連性が指摘されているのが糖尿病です。
糖尿病になると免疫機能が落ちるため歯周病が悪化しやすく、歯周病による血糖値のコントロール不全で糖尿病に悪影響を与えます。