治療の主役はあなた自身

プラークや歯石を除去して進行を止める

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歯周病は歯肉の炎症に始まり、進行するにつれて歯を支えている歯槽骨が溶けていく病気です。溶けてしまった骨は、炎症が治っても自然に元に戻ることはありません。このため、歯周病治療の一番の目的は、病気の進行を食い止めることにあり、治療の主眼は歯周病の原因であるプラークや歯石などを取り除くことに置かれています。

プラークがつきにくくなるようにするために、正しいブラッシング法を身につけることや、口腔環境を清潔に保つ生活習慣が重要で、とくに初期段階での治療の主役は医師よりも患者様ご自身になります。

歯周基本治療と修正治療の流れ

歯周病の治療は「歯周基本治療」から始め、その成果を検査で評価し、治っていたら「メインテナンス」、治っていなかったら「修正治療」に移ります。

修正治療が終わったところで再び検査をして評価し、治っていたらメインテナンス、病状安定(ほぼ治癒)といえる状態なら「サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー(SPT)」に移行し、改善不十分であれば再び修正治療が行われます(図1)。

SPTとは、病状安定の状態を維持するために、歯科医や歯科衛生士が行う「プラークコントロール」、「スケーリング」、「ルートプレーニング」などを主体とした定期的な治療のことで、3~6か月ごとに行うものです。

主たる治療である歯周基本治療と修正治療の内容を簡単に紹介します。

図1 歯周病治療の流れ

歯周病治療の流れ

歯周基本治療

患者様と歯科医師・歯科衛生士が協力して取り組む治療です。

プラークコントロール

歯科医師や歯科衛生士からブラッシング指導を受けて、患者様ご自身が行います。口腔環境を清潔に保つことの意義を理解して日々のブラッシングを行うことが大切です。

歯周ポケット内の清掃

歯科医院で行う治療で代表的な方法が2つあります。1つは「スケーリング」で、スケーラーという器具を使って歯周ポケットにたまったプラークや歯石を取り除きます。もう1つは「ルートプレーニング」といい、キュレットという器具を使って歯根の表面についた細かい歯石や傷んだセメント質を取り除き、根面をなめらかに整えます。

生活習慣の改善

歯ぎしりや食いしばり、甘い物のとり過ぎなどの不適切な食習慣、喫煙、ストレスなど、歯周病の悪化要因をチェックし、必要に応じて改善のための指導をします。

修正治療

歯周基本治療では回復が見込めない場合に行われる、歯科医師による治療です。

 外科治療

歯周ポケットを浅くして歯肉の修復を図る「組織付着療法」と、失われた歯槽骨の回復を目指す「歯周組織再生療法」に大別できます。

〈組織付着療法〉

歯周ポケットの中の炎症を起こしている歯肉を除去する場合、ポケットの深さが4mm程度であれば、キュレットで歯肉を掻き出す「歯周ポケット掻爬術」と、メスを使って歯周ポケット内壁の歯肉を切除する「新付着術(ENAP)」があります。

ポケットの深さが4mm以上になると、メスで歯肉をはがして歯根面の歯石や傷んだ歯肉を取り除いた後に歯肉を縫合する「フラップ手術」が行われます。

〈歯周組織再生療法〉

歯肉と歯根の間に特殊な人工膜を挿入する「GTR法」と、特殊なたんぱく質が主成分のゲル状の再生材料を用いる「エムドゲイン法」があります。

口腔機能回復治療

咀嚼機能や審美面で改善の余地がある場合に行われる治療です。欠けた歯を修復するクラウン、失われた歯を補うブリッジやインプラント、かみ合わせを改善する矯正など、さまざまな方法が用いられます。

 

《参考資料》

日本歯周病学会(編), 歯周治療の指針2015. 医歯薬出版 2016

加藤熈(編著), 歯科衛生士のための最新歯周病学. 医歯薬出版 2018

 

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