歯の形・色を短期間で美しくするセラミック矯正

前歯の一部など部分的な矯正に適している

歯の形・色を短期間で美しくするセラミック矯正

一般的な歯列矯正の治療法であるブラケット矯正は、歯につけた器具にワイヤーを通して歯を引っ張り、徐々に動かします。治療法として歴史があり、効果も確かですが、時間がかかる、装置が目立つという短所があります。治療期間は通常2~3年で、その間、人と話すときに装置が見える状態が続きます。歯みがきがしにくい、発音がしにくいといった不便も生じます。

そのため、そうした短所をできるだけ少なくした、さまざまな手法が考案されてきました。その一つがセラミック矯正です。器具を使わず、歯並びを改善したい歯やその周辺の歯にセラミッククラウンをかぶせることできれいな歯並びにします。この方法は、出っ歯やすきっ歯など主に前歯を中心とした部分的な矯正に適しています。

天然歯に近い美しい仕上がり

治療に用いるセラミッククラウンとは、セラミック製のかぶせ物のことです。歯科材料として用いるセラミックは、金属ではない無機材料を高温で焼き固めたもので、天然歯のような透明感のある白い歯にできることが最大の長所です。

治療期間の短さも、セラミック矯正の長所です。歯を動かさないので通常数か月、早ければ3週間で治療が終わり、その間の通院も数回で済みます。

患者が望む歯列に近づけられるのも魅力の一つです。クラウンは患者の顔のバランスをみながら、歯の大きさ、形、角度、位置などが最適になるようデザインされます。また、クラウンの材質をセラミックにすることで、歯の色も思い通りになります。隣り合う天然歯とほぼ同じ色調にできるので見た目が自然で、治療後に時間がたっても、基本的に変色することはありません。さらに、セラミックなら金属アレルギーを起こす心配もありません。

一方で短所もあります。治したい歯を削るだけでなく、場合によっては歯の神経を取ったり、治したい歯の周辺の歯を削ったりすることもあります。

どんな治療法にも一長一短があります。矯正治療を受けたいと思ったときは、複数の治療法のそれぞれの長所と短所をよく理解し、納得して選ぶことが大切です。

1 セラミック矯正とブラケット矯正の比較

  セラミック矯正 ブラケット矯正
治療方法 歯並びを治したい歯と、場合によってはその周辺の歯を削り、クラウンをかぶせる ブラケットとワイヤーによって歯を引っ張り、移動させて歯列を整える
治療期間 通常数か月、早ければ3週間 通常2~3年
治療中の不都合 特になし(歯を削った段階で仮歯を装着する) 歯みがきや発音が不便。装置がみえる
歯に対する処置 歯を削る。神経の治療や抜歯が必要なこともある 原則として歯を削らない。数本の抜歯が必要なこともある
歯の形や色 希望に近い状態にできる 元の状態を変えられない

 

《参考資料》

末瀬一彦(編著)ほか, 歯科衛生士ベーシックスタンダード 審美歯科. 医歯薬出版 2013

日本成人矯正歯科学会(編), やさしくわかる矯正科治療 歯並びコーディネーター入門書.医歯薬出版 2015

 

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