胃酸が原因で歯に黄ばみができやすくなります
摂食障害や逆流性食道炎などの疾患がある方などは、胃酸が口の中へ逆流しやすいと言われています。
胃酸は酸性が強く、歯の表面を覆うエナメル質を溶かすリスクがあるのです。
エナメル質の奥の象牙質は淡い黄色をしており、半透明のエナメル質が薄くなると透けるので黄ばみが目立ちやすくなります。
さらに溶けて傷がついたエナメル質は汚れが付着し、細菌が繁殖しやすく黄ばみがひどくなる可能性もあるでしょう。
胃酸による歯の黄ばみをきれいにするには、人工歯を貼りつけるラミネートベニアなどの審美歯科の施術が効果的です。
目次
酸性の強い胃酸に歯が触れるとエナメル質が溶けるリスクがあります
歯は強い酸に長時間触れると、歯の表面のエナメル質からリン酸カルシウムが溶けてしまうことがあります。
エナメル質の奥は、柔らかくて淡い黄色の象牙質があります。
エナメル質が酸で溶けると、象牙質が剥き出しになり、歯が黄ばんで見えるようになるのです。
また歯の表面が削られると汚れが付着しやすくなることも、歯が黄ばむ原因となります。
酸によって歯が溶ける現象を、酸蝕歯と呼ばれています。
といっても、酸性ものが歯に付着しても、唾液が酸を洗い流してして中和が行われればエナメル質はさほど溶けることはありません。
しかし塩酸を主成分とする胃酸は、かなり強い強酸であり、胃酸が口の中へと入ってくることで、歯もかなりのダメージを受けることになるのです。
とくに逆流性食道炎や摂食障害など胃酸が頻繁に逆流して、口の中に入り込みやすい疾患を抱えていると、口腔内が酸性に傾きます。
その結果として歯を溶かして黄ばみを進行させる原因にもなるのです。
胃酸による黄ばみはラミネートベニアなどの施術が有効だとされています
胃酸により歯が溶けて象牙質が透け、歯の傷から汚れが中にまでしみ込んでしまうとホワイトニングケアできれいにするのは難しい場合もあります。
そういったケースでは、審美歯科で行われる人工歯を使った施術がよいとされています。
歯の表面を少し削って整え、セラミック製のネイルチップのような薄い人工歯を貼りつけるラミネートベニアもその1つです。
施術自体も短期間で済み、効率よく歯を白くできる方法だと言われています。
また歯を削って土台となる芯を作り、セラミック製の人工歯を被せて固定するセラミッククラウンという施術法もあります。
歯列矯正で用いられることが多いですが、胃酸による歯が広い範囲で溶けて欠損したしまった場合などに効果です。
人工歯は、形や色・大きさなどの形状をカスタマイズできるという特徴もあります。
さらにセラミックは陶器の素材でもあり、丈夫で劣化しにくいので長持ちしやすいとも言われています。
まずは審美歯科で施術について相談されることをおすすめします。
胃酸による酸蝕歯を防ぐには食後すぐのうがいなどを習慣化させましょう
胃酸が頻繁に口の中に流れ込むと、歯を溶かす酸蝕歯が進行しやすくなります。
審美歯科で歯をきれいにしても、繰り返していてはまた歯が黄ばんだり、傷ついたりする可能性があります。
まずは胃酸が口へと逆流する原因となる疾患を治すためにも、消化器内科などを受診することが大事です。
また胃酸をできる限り口の中に留めないようにする必要もあります。
胃酸が逆流してきたら、時間を置かずに口から吐きだして、すぐ口をすすぐことができれば歯磨きもしておきましょう。
たとえ少量であっても、口の中に胃酸が触れたままだと歯を溶かしてしまいます。
通常であれば唾液がある程度胃酸を洗い流してくれます。
しかし睡眠中は自律神経のうち、身体がリラックスする時に優位になる副交感神経の作用により、唾液の分泌量が減るので胃酸が口に残りやすくなるのです。
しかも寝ている時のフラットな姿勢だと、余計胃酸が口への逆流しやすくなります。
枕を高くして、胃酸が逆流したらすぐに口をすすげるように水を準備するなど対策を採りましょう。
(まとめ)胃酸で歯に黄ばみが生じるの?
病気などで胃酸が頻繁に逆流して口に入ると強い酸により歯のエナメル質が溶け、傷がつきます。
奥の象牙質は透けて見えたり、汚れが付着して黄ばみが目立ちやすくなったりするのです。
審美歯科でラミネートベニアなどの施術で改善するとよいでしょう。
歯のエナメル質は酸に弱く、強酸である胃酸に触れると溶けて薄くなってしまうリスクがあります。
中の黄みがかった象牙質が透けて見えたり、エナメル質についた傷に汚れが入り込んで歯が黄ばんだりする可能性があります。
胃酸で歯が溶けたことによる黄ばみに対し、通常のホワイトニングを行うのが困難な場合もあります。
審美歯科で行う、人工歯を貼りつけるラミネートベニアや人工歯を被せるセラミッククラウンなどの施術法がよいとされています。
胃酸による歯の黄ばみ進行を防ぐには、胃酸が逆流したらすぐに口をすすいで、できれば歯磨きもしましょう。
寝ている時は唾液の分泌量も減り、胃酸がとくに口に残りやすいのですぐに口をすすげるように水などを準備しておくとよいです。