市販のマウスピースは歯科矯正用ではありません
スポーツ用のマウスピースは市販されていますが、歯を移動させて歯並びを整える歯科矯正の効果はありません。
歯科矯正用には専門の審美歯科を受診して、歯型を採取し作成してもらう必要があります。
また、マウスピース矯正よりも短期間でできるセラミック矯正も今や主流となっています。
そして大きく乱れた歯並びはマウスピースでは治すことができないので、セットバック法などの矯正法を用いる必要があるでしょう。
目次
歯科矯正用のマウスピースは、専門クリニックでの取り扱いとなります
マウスピースは歯科矯正でも、歯並びを整える手段の一つとして用いられることがあります。
マウスピースはスポーツ用品店などで市販されていますが、歯科矯正用ではないので、歯並びを整えることはできません。
市販のマウスピースは、あくまでもスポーツをする際に外部からの強い衝撃や転倒時に顔や顎を強打した際に、歯や歯茎を守るガードのような役割を担っています。
また、通販などでもいびきや歯ぎしり防止のために用いられるマウスピースは市販されています。
ただ、こういった誰でも気軽に購入できるマウスピースは、歯を移動させることはできないので、歯科矯正の効果はありません。
審美歯科では、歯並びを整えるためのマウスピースを取り扱っており、市販と同様にいびきや歯ぎしりに対応するものもあります。
またマウスピースは透明なので、矯正期間中も目立ちにくく、食事の際に外す必要もありません。
ただし、歯並びの乱れが酷く、また顎の骨格に問題がある場合は適応できなかったり、長期間装着していないと矯正効果が出にくかったりするといった面もあります。
審美性や耐久性に優れ、短期間でできるセラミック矯正が主流となっています
歯科矯正で気になる期間についても、マウスピース矯正は平均して約1、2年かかるのが一般的です。
できる限り短期間での歯科矯正を望むなら、セラミック矯正がよいと言えます。
セラミック矯正は、矯正器具を使わず人工歯によって歯並びをキレイにする施術法です。
歯列からはみ出した歯や隣り合う歯を削り、人工歯を被せるための土台を整えます。
そして歯型を採取して作ったセラミック製の歯を芯に被せて、接着して歯並びを調整していくのです。
人工歯ができるまではしばらくの間仮歯になりますが、マウスピースを装着するよりは短期間で済み、矯正が仕上がるまでは最短でも2ヶ月程だと言われています。
そしてやや大きく乱れた歯並びでも対応できる上に、何より審美性と耐久性に優れているのが特徴です。
人工歯は色の種類が豊富なので、周囲の歯に馴染む色が選べたり形状もカスタマイズできたりするので理想的な歯並びが実現できやすいと言えます。
また、セラミックは陶器に使われる素材で、噛みしめても破損しにくく経年劣化にも強いといったメリットもあります。
顎の骨格を治すには、セットバック法が適しています
マウスピース矯正は、極端な出っ歯や受け口などの症状でもわかるように、顎の骨が上下で大きくずれている、大きさが異なる場合などは、残念ながら適応されません。
こういった顎の骨が原因となっている歯並びの乱れには、顎の骨を歯や歯茎がついたまま切り、後方へ移動させるセットバック法が行われるケースもあります。
上下の顎骨のうち、片方だけ行う場合もあれば、同時に施術が必要な場合もあり、ケースバイケースと言るでしょう。
流れとして前歯から4番目の歯を抜き、スペースを作ってから顎の骨切りを行い、スペースを埋めるように移動させてワイヤーなどで固定します。
顎の骨は約半年で定着し、受け口や出っ歯も解消されるでしょう。
また骨が定着するまでにセラミッククラウンなどで、歯列からはみ出した歯をキレイに整えることもできるので効率よく歯科矯正を進められます。
外科的な処置となるので全身麻酔を使って行い、施術時間も約3時間半となりますが、入院の必要もなく日帰りできます。
(まとめ)歯科矯正で使うマウスピースは市販されているの?
市販されているマウスピースは、スポーツ用のものが多く、歯並びを整える歯科矯正の効果はありません。
マウスピースで歯並びを治すには、審美歯科を受診して作成してもらう必要があります。
市販のマウスピースは、スポーツの際に衝撃などから口腔内を守るためのものがほとんどです。
歯科矯正でマウスピースを用いる際は、市販されていないので専門医の診察を受け、歯並びに合うものを作り施術計画にそって矯正を進めることが大事です。
マウスピース矯正は、ゆっくり歯を移動させるので平均1年以上はかかりますが、セラミック矯正ならもっと短期間で歯並びが整います。
さらに、被せる人工歯の色や質感も本来の歯と区別がつかない位で審美性も高く、丈夫で劣化しにくいのも特徴です。
マウスピース矯正では対応しきれない、大きく乱れた歯並びは顎の骨を歯や歯茎ごと切り離して移動させるセットバック法が適しています。
重度の受け口や出っ歯なども顎の骨を改善することで、ほぼ解消できると言われています。