歯科矯正後のリテーナーの種類には取り外し式と固定式があります
歯科矯正が終了し歯並びが改善された後には、歯が安定するまでリテーナーを装着して、しばらく歯を固定しておくことが必要です。
矯正後の歯が元どおりにならないように装着するリテーナーは、取り外し式のものと固定式の2種類があります。
取り外し式のリテーナーには床タイプ(しょうタイプ)とマウスピースタイプがあり、固定式のリテーナーにはワイヤータイプがあります。
リテーナーの種類とその特徴を確認しましょう
リテーナーには、固定式のワイヤータイプと取り外し式の床タイプの2種類がありますが、それぞれ審美性や装着の仕方などに特徴があります。
ワイヤータイプのリテーナーは「フィックスタイプ」とも呼ばれ、歯の裏側に約0.5mmの細いワイヤーを接着剤で固定して歯を保定させます。
前歯の6本にしっかりと固定されるのでもとに戻る心配が少ない方法です。
取り外し式の床タイプは「プレートタイプ」「ベッグタイプ」ともいわれています。
上顎にプレートを固定して、プレートについているワイヤーを歯に引っ掛ける形で前歯を保定するリテーナーです。
床タイプは主に上の前歯を保定するときに使用されます。
噛み合わせの邪魔にならず、正しい歯並びの状態を保つことができますが、口を開けたときに前歯にワイヤーがかかっている状態が見えるため、審美上の問題が生じる場合もあるでしょう。
取り外し式のマウスピースタイプは「クリアリテーナー」とも呼ばれます。これはプラスチックでできている透明なマウスピースを装着するタイプです。
マウスピースタイプは強度が低く、歯の保定力が弱い点や耐久性がないという点がデメリットですが、透明で周りからは見えにくいリテーナーです。
リテーナー使用時には注意点があります
リテーナーを装着しているときには手入れ方法や取り扱い、装着時などに注意が必要なことがあります。
固定式のワイヤータイプのリテーナーは、細い針金をしっかりと固定しているので装着時の違和感がほとんどありません。
しかし取り外すことができないため、歯磨きなどのケアが十分でないと虫歯になりやすいといえます。
床タイプは、プレートが口の中にあるためはっきりとした発音がしづらくなることもあるでしょう。
またワイヤーで歯を正しい位置に保定しているので、取り外したときに誤って針金を曲げてしまう可能性もあります。
マウスピース矯正は、プラスチックでできていることから強度が低く、使用中に破損する可能性があるのです。
また細菌が増殖しやすいため、清掃が十分にできていないと虫歯や歯周病になりやすいという注意点もあります。
リテーナー装着時には、虫歯などを避けるため取り外し時の歯ブラシでのケアと定期的な専用洗剤でのお手入れ、歯科医院でのケアを怠らないように気をつけましょう。
リテーナーを取り外した時に気をつけたいのは破損です。
破損したリテーナーをそのまま使っていると、正しい歯の保定ができず、装着していても歯がもとに戻ってしまう場合もあります。
早めに医師に相談して修理や作り直しをしてもらう必要があるでしょう。
リテーナーを装着しないと歯並びが元に戻る可能性があります
歯並びの悪い状態から正しい位置まで移動を続けてきた直後の歯は、通常歯を固定している歯槽骨という骨がまだ完全に再生されていないためぐらぐらと動きやすい状態になっています。
その動きやすい状態の歯を固定して後戻りを防ぐために歯科矯正後にはリテーナーを装着します。
このリテーナーを装着する期間はおよそ1年から3年といわれていて、装着期間には個人差がありますが、矯正にかかった期間が長いほどリテーナーを装着する期間も長くなるといえるでしょう。
また取り外しができるリテーナーの場合でも、装着を始めて1年から2年の間は食事や歯磨きのとき以外は24時間ずっと装着しておく必要があります。
歯が安定してきたら医師の指導のとおりに徐々に装着時間を減らしていき、歯の後戻りの心配がない状態になったところではじめてリテーナーの装着が完了になります。
矯正が終了したときに歯並びは改善されているのですが後戻りしないためには、リテーナーを装着する期間を十分にとる必要があるでしょう。
自分でかってにリテーナーの装着をやめたりせず、医師の診断を受けながら最後までリテーナーの装着を正しく行うことが大切です。
(まとめ)歯科矯正後のリテーナーにはどんな種類があるの?
歯科矯正の後で歯並びが改善されたらリテーナーで歯を固定しておく必要があります。
装着するリテーナーの種類としては、取り外し式の床タイプとマウスピースタイプ、固定式のワイヤータイプなどがあります。
固定式のワイヤータイプは歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定する方法です。
一方、取り外し式のプレートタイプは上顎にセットしたワイヤーで前歯を固定します。
マウスピースタイプでは透明なマウスピースを装着して保定を行うのです。
リテーナー使用時には虫歯や歯周病にならないようにケアを行う必要があります。
リテーナーが万が一破損した場合には、そのまま使用すると後戻りの心配があるので早めに医師に診てもらいましょう。
歯科矯正を終了した直後には歯がまだ安定せず戻りやすい状態です。
歯を矯正後の正しい位置に安定させるためには、個人差はありますが1年~3年ほどリテーナーを装着する必要があります。