保険診療で歯科矯正ができる?

外科的施術を含む指定の症状に対しての歯科矯正は保険診療で行うことができます


顎変形症や定められている疾患に対して、噛み合わせの悪さなどの改善を行うために行う歯科矯正であれば、保険診療となる場合があります。

歯科矯正の施術が保険適用になるためには、歯科矯正診断料算定に関する施設基準を満たしている医療機関で歯科矯正を受けたときに限られています。

また、顎変形症の場合にはさらに顎口腔機能診断料算定の施設基準まで満たしている医療機関で歯科矯正を受けたときに適用になるといえるでしょう。

限られた症状のときに歯科矯正の保険診療が認められます

歯科矯正の施術に保険が適用される場合もあります。

基本的には、厚生労働大臣が定めている先天性疾患が原因となって歯並びや噛み合わせに異常が生じている場合や、顎変形症で顎の骨格などに原因があるため歯並びに異常が生じているときに、外科的施術を含めて歯科矯正を行う場合がこれに該当するのです。

厚生労働大臣が定めている先天性疾患には、唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)やゴールデンハー症候群などさまざまな疾患があり、保険改正のたびに疾患が追加されているため、平成26年の改定時点ではおよそ50の疾患数になっています。

そして、歯科矯正を受ける医療機関は指定自立支援医療機関か、顎口腔機能診断料算定施設の施設基準を満たしている必要があります。

顎の骨の変形や骨の位置がずれているために噛み合わせの不具合などが生じている顎変形症の場合には、指定された医療機関で顎変形症に認定された後に、定められた外科的な施術を合わせた歯科矯正の施術を受けた場合に健康保険が適用されることになります。

保険診療で歯科矯正を行うためにはさまざまな条件が定められているので、施術内容や病院選びも確認しながら決めるといいでしょう。

顎変形症とは先天的に顎の骨格が変形して歯並びが悪くなっている状態です


顎変形症は生まれつき顎の骨格が変形しているなどの問題から生じます。

前歯が前に出ている出っ歯の状態や、下の歯が上の歯よりも前に出ている受け口などの噛み合わせの状態は顎の骨の大きさが上下で異なっている場合や上下の顎の位置がずれている場合に生じることがあります。

とくに上下の歯の噛み合わせが5mm以上ずれているというような場合には、顎の骨格が原因となっている顎変形症の可能性が高いでしょう。

また噛み合わせが左右非対称となっている場合や、歯を噛み合わせても上下の前歯の間に隙間が空いているなどの状態も額変形症の可能性があります。

歯科矯正は基本的には自由診療のため高額な費用がかかります。

たとえば、歯に小さな器具をつけてワイヤーで固定するブラケット矯正は100万円程で、透明なマウスピースを装着するマウスピース矯正は80万円程、歯に被せものをして歯並びを改善するセラミック矯正には1本7~15万円程が大体の相場です。

しかし、顎変形症と診断され保険が適用になると、歯並びや噛み合わせの改善を行うための歯科矯正費用も比較的安く抑えられることになります。

歯並びの悪さや顎のズレが気になっているときには、顎変形症として認定されて保険が適用になるかどうか医師に診てもらうといいでしょう。

保険が使えない場合でも医療費控除で費用を抑えることができます

保険適用になる歯科矯正の施術には当てはまらないという場合でも、確定申告をすると所得税が返ってくる医療費控除が受けられる場合があります。

歯科矯正の施術は基本的には自由診療なので、高額な歯科矯正費用を全額自己負担で支払わなければならず経済的に負担が大きいといえるでしょう。

医療費控除は施術の種類がそれほど限定されないため多くの方が控除を受けられ、費用の負担軽減に役立てることができます。

1月から12月までの1年間の世帯医療費が総額で10万円を超えたときに、10万円を超えた部分の金額を確定申告で申請すると控除された分の所得税が返還されるのが医療費控除です。

たとえば60万円の歯科矯正を行った場合には10万円を超えた部分の50万円が医療費控除顎で、50万円に確定申告年度の所得額に応じた所得税率(5%~45%)を掛けた金額が返還されます(5%の場合には2万5000円)。

また、住民税の軽減や保険料、年金額などの支払額が下がるというメリットもあります。

単に美容目的のための歯科矯正では医療費控除の対象にならないのですが、「子供の歯科矯正」のほかにも「噛み合わせが悪い」「正しい発音ができない」など機能面で問題がある場合に行った歯科矯正は控除対象となる場合が多いといえます。

(まとめ)保険診療で歯科矯正ができる?

1.外科的施術を含む指定の症状に対しての歯科矯正は保険診療で行うことができます

顎変形症や定められた疾患などによる、噛み合わせの悪さを改善するための歯科矯正は保険が適用になる場合があります。

歯科矯正の施術が保険適用になるためには施術を受ける医療機関なども限定されてくるのです。

2.限られた症状のときに歯科矯正の保険診療が認められます

歯科矯正の施術に保険が適用されるのは、厚生労働大臣が定めている先天性疾患や顎変形症が原因となっている歯並びの悪さを矯正するときだけとなります。

指定の医療機関や指定の施術内容に沿っているかなど確認して決めるといいでしょう。

3.顎変形症とは先天的に顎の骨格が変形して歯並びが悪くなっている状態です

顎変形症は生まれつき顎の骨格に問題があるため歯並びや噛み合わせが悪くなっている症状です。

噛み合わせのズレが大きい場合には顎変形症の可能性が高く、顎変形症のため保険が使用できる歯科矯正を受けるときには高額な歯科矯正費用を抑えることができるでしょう。

4.保険が使えない場合でも医療費控除で費用を抑えることができます

保険が適用にならない場合でも医療費控除を利用する事で費用を抑えられる場合があります。

噛み合わせなどの機能面を改善させる歯科矯正の医療費は、年間10万円を超えた部分の金額を医療費控除として確定申告することで所得税が還付されます。

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