セラミック矯正では知覚過敏にならずに歯並びを整えることが期待できます
歯にブラケットやワイヤーを付ける矯正では、知覚過敏が起こりやすいといわれています。
知覚過敏は歯の象牙質が露出して、冷たいものや冷えた空気が触れることで「キーン」としみるような痛みを感じるものです。
セラミック矯正では知覚過敏を経験することなく、歯並びを整えることができます。
目次
歯の表面のエナメル質が削られてしまうと知覚過敏が起きるとされています
冷たいものや熱いものを口に入れた時、歯にキーンとするような痛みを感じることはありませんか?
「もしかして虫歯かな?」と思うかもしれませんが、実は知覚過敏かもしれません。
自己判断は難しいので、必ず歯科医師に相談するようにしましょう。
ところで、知覚過敏はどうして起こるのでしょうか?
知覚過敏の正式名称は「象牙質知覚過敏」といいます。
歯は歯茎よりも上に出ている部分では、表面がエナメル質に覆われています。
その下は象牙質になっていますが、象牙質には非常に細かな穴がいくつも空いています(象牙細管)。
その穴の大きさは、0.1ミクロン、つまり1000分の1ミリ程度で、この穴が無数に存在します。
そしてその穴は、歯髄にある神経にまで達しています。
虫歯になったり歯磨きで力を入れすぎるなどして表面のエナメル質が削られてしまい、象牙質が露出すると、口に入った食べ物や飲み物がこの象牙細管を通って神経を刺激することで、痛みを感じるのです。
歯の痛みが知覚過敏が原因であれば、フッ素ジェルを塗布することで症状を改善させることができます。
また、普段の歯磨きの方法を見直し、力を入れすぎているようであればそれも改善させましょう。
加えて、歯磨き粉には研磨剤が含まれているものが多いので、あまりゴシゴシ磨くとエナメル質を削ってしまう恐れがります。
歯磨き粉を使用する際も、特に歯ブラシへの力の入れ具合を加減することも必要ですし、歯磨き粉を使用しなくても歯垢などは除去できますので、歯磨き粉の使用を控えることも考えておくと良いでしょう。
ワイヤー矯正では知覚過敏を起こす可能性があります
歯並びが悪く、それを改善したい場合に用いられる方法には、ワイヤー矯正とセラミックなどの差し歯(かぶせ物、クラウン)による矯正とがあります。
このうち、ワイヤー矯正と知覚過敏の関係について、お話しましょう。
ワイヤー矯正とは簡単に言うと、歯にブラケットという装置を付け、それにワイヤーを通して、少しずつ歯を移動させることで歯並びを改善させる方法です。
1ヶ月で移動させられる距離はわずか0.5㎜と言いますから、歯並びを改善させるためには2年以上を要します。
ところで、ワイヤー矯正では知覚過敏が起こりやすいと言われますが、それはどうしてなのでしょうか?
ワイヤー矯正を行うと、歯の移動に伴って歯の根元の部分が露出しやすくなります。
あるいは、歯の傾きの変化に伴って、歯茎と歯との間に隙間が開きます。
歯の根元の部分、歯茎に埋まっているところは、表面がエナメル質では覆われておらず、象牙質が露出した状態です。
そのため、飲み物や冷たい空気が触れることによって、象牙細管を通って神経が刺激され、痛みを感じるようになるのです。
特に、ワイヤー調整を行った直後に知覚過敏は起こりやすいと言われてますが、時間がたつと徐々に落ち着いていくようです。
ワイヤー矯正には、知覚過敏はつきものともいわれていて、ワイヤーによる歯の締め付け、移動と共に、知覚過敏による痛みは、ワイヤー矯正では避けられないものともいえるかもしれません。
セラミックによる矯正では知覚過敏とは無縁といわれています
ワイヤー矯正では知覚過敏はつきものだとお話しましたが、ではセラミック矯正ではどうでしょうか?
答からお話すると、セラミック矯正は知覚過敏とは無縁といわれています。
セラミック矯正の方法からご説明しましょう。
まず、歯並びの悪さの原因となっている歯、あるいはその周辺の歯を削ります。
削られた歯は土台とするためわずかには残すのですが、歯並びが悪い歯というのは虫歯になりやすいため、決して状態が良いとは言えないものもあります。
その場合には歯の神経を抜き、歯茎より上の部分は削り取って、歯髄があった部分に土台となるファイバー製などのコア(土台)を埋め込みます。
そして、歯の傾きを調整するように、かぶせ物(クラウン)を装着するのです。
元の歯を土台として残す場合は、削った後でその日のうちに仮り歯を入れます。
神経を抜いた場合でも、そこに詰め物をすることで対応しますので、知覚過敏の原因となる象牙質の露出はこの施術過程では起こりません。
ですから、セラミック矯正では、知覚過敏を起こすことはないといえるのです。
(まとめ)セラミック矯正では知覚過敏にはならないって本当?
ワイヤー矯正では歯を動かすことに伴って歯の根元部分が露出し、知覚過敏を経験しやすくなります。
一方、セラミック矯正の場合は、知覚過敏を起こす原因自体を起こす危険性が少ないため、知覚過敏を起こしにくいといわれています。
知覚過敏は、露出した象牙質にある無数の小さな穴を飲み物などが通って神経を刺激することによって起こります。
象牙質が露出する原因には虫歯の他に、歯磨きの際に力を入れすぎてしまうこともあります。
ワイヤー矯正では、エナメル質で覆われていない歯の根元部分が露出しやすくなり、特にワイヤー調整をした直後には知覚過敏を起こしやすいようです。
ワイヤー調整直後は歯茎との間に隙間が開きやすいことが原因としては多いようです。
セラミック矯正では、元の歯を削った後にすぐ仮り歯をいれますし、神経を抜いた場合には詰め物をして押さえますので、知覚過敏の原因となるような象牙質の露出や神経への刺激を防ぐことができます。