受け口で顎なしの方でも矯正は可能といえます
受け口でさらに顎なしになっている方でも、矯正での改善は可能です。
ただし顎の骨格自体を改善しないとなりませんので、歯科矯正のみだと受け口の改善のみとなり、顎なしまで改善するとなると、外科矯正も必要です。
顎なしとなると、上下の顎の骨格バランスが悪くなっているので、これに伴い歯並びも悪くなっている方が多いです。
顎なしでは外科矯正を行ないます
近年の矯正技術は進歩しており、これは歯科矯正に限らず、外科矯正も同様に発展してきています。
その矯正のための分析技術は、上下の歯の分析のみでなく、上下の顎の骨の位置や大きさを、三次元の立体的に捉えられるようになってきています。
20年前ほどは、顎の矯正というと、歯を抜くなどしてバランスを取りカモフラージュするようなことがメインでした。
顎なしになっている方は、その顎の状態まで改善しようとなると、外科矯正を行ない顎の位置を動かさないとなりません。
しかし今の外科矯正では、顔の皮膚は切開せず、口の中からアプローチし、上下の顎の位置を動かすことができます。
これによって、良い噛み合わせにする、また顔のバランスを整えることもでき、審美的にも優れた矯正を行えます。
受け口と顎なしを改善する場合は、まずは外科矯正したときに、歯が噛み合うよう理想的な位置に動くように、予め歯科矯正を行ないます。
歯科矯正が完了したら、2~3週間程度入院し、麻酔して顎を動かす外科矯正を行ないます。
外科的な施術になりますが、口の中からメスを入れるので、顔の表面に傷が残ることはありません。
矯正期間中は虫歯や歯周病に注意しましょう
外科矯正を行なう前に、歯科矯正を行ない、ある程度歯の位置を動かしておきます。
この歯科矯正を行なうには、いくつかの方法がありますが、一般的なのはブラケット矯正です。
これは歯にブラケットを取り付け、ワイヤーで固定し歯を動かしていきます。
このブラケットを取り付けている間は、24時間外すことはできませんので、食事や歯磨きがしにくくなります。
このために、歯科矯正期間中は、虫歯や歯周病に注意が必要です。
歯磨きの時は歯だけでなく、ブラケットなどの装置も磨くようにします。
寝る前にブラッシングするときは、鏡を見て、奥歯や装置の隙間までよくチェックし、時間をかけて丁寧に磨くようにします。
小さなヘッドの歯ブラシや、フッ素入りの歯磨き粉、マウスウォッシュなどの併用をおすすめします。
食べ物に関しては、ガムやキャラメル、おもちなどの粘着性の食品は食べないようにした方が良いです。
これらは矯正が完了すればいくらでも食べられますので、それまでは我慢しましょう。
さらにはお煎餅などの硬い食べ物も、矯正が終わるまでは食べない方が無難です。
矯正後は歯の後戻りを防ぐ保定を行ないます
歯科矯正と外科矯正によって、受け口や顎なしが改善された後は、歯が元の位置に戻る後戻りを防ぐために、保定という施術に移ります。
これはリテーナーというマウスピースのような装置を口に装着して、歯が動かないように固定し、歯を矯正した位置で固定するようにします。
ただ虫歯や歯周病、さらに親知らずが生えてくるなどで、歯並びに変化が起こるため、それを防ぐ意味もあります。
個人によってこの保定期間は異なりますが、平均で2年ぐらいになります。
こうしておよそ2年間リテーナーを装着していると、歯が固定し後戻りしなくなります。
リテーナーはマウスピース型なので、食事や歯磨き、眠るときは外して良いので、それほど生活に支障は出ません。
保定期間中は、6ヶ月または1年ぐらいの間隔で定期検診に行くことをおすすめします。
また虫歯や歯周病がないか見るためにも、時間があれば月に1回程度は検診に訪れた方が無難です。
その他にも、加齢によっても筋肉が衰え歯並びが変わり噛み合わせが変わることもあるので、保定期間が終了しリテーナーを外した後も、定期的に検診に訪れた方が、長く歯を健康に保てます。
長く歯を健康に保つためにも、やはり半年や1年に1回の定期検診は受けた方が無難です。
(まとめ)受け口で顎なしでも矯正はできる?
受け口で顎なしになっている方でも、矯正での改善は可能といえます。
ただし歯並びのみならず、顎のバランスも悪くなっているので、歯科矯正と一緒に施術する外科矯正も必要となります。
受け口の方で顎なしを矯正して改善するとなると、外科矯正も行ないます。
まずは歯科矯正によってある程度歯の位置を動かしておき、その後に外科矯正を行ない、顎を動かします。
外科矯正の前の歯科矯正期間中は、虫歯や歯周病にならないように気をつけましょう。
歯磨きは歯のみならず装置の隅々までしっかり磨き、ガムやキャラメルなど粘着質の食べ物は食べないようにします。
矯正が終わり受け口や顎なしが改善した後は、歯の後戻りを防ぐためにリテーナーを装着します。
およそ2年間装着し、この期間を保定期間と呼び、保定期間中は定期的な検診をしていきます。