表面のざらつきは銀歯が劣化しているサインです
銀歯は使い続けるうちに腐食したり、表面に細かい傷がついたりします。
表面がざらざらした銀歯は汚れがたまりやすく、虫歯の原因になりがちです。
そのままにしておくと虫歯が進行してしまい、残っている歯にも悪影響を与えかねません。
長く使用している銀歯があれば、状態を医師にチェックしてもらうことをおすすめします。
経年劣化した銀歯は虫歯の原因になります
銀歯を舌で触れると、ざらつきを感じるということはないでしょうか。
もしあれば、その銀歯は治療しなおすことをおすすめします。
虫歯治療で一般的に使用される銀歯は、銀のほかに金やパラジウムなど複数の成分から構成される合金です。
酸に弱く、腐食しやすいという性質があり、普段の食事でも少しずつ腐食が進みます。
毎日の歯磨きでも細かい傷がつきます。
銀歯の表面にざらつきを感じるのは、こうした劣化によるものです。
ざらつきが出た銀歯には汚れがたまりやすく、丁寧に歯磨きをしても落としきれません。
また、金属は熱伝導率が良く、熱によってわずかに膨らんだり縮んだりを繰り返す物質です。
歯と銀歯を接着しているセメントにも負担がかかり、すき間ができて、そこから虫歯になってしまうケースは少なくありません。
そのままにしていると銀歯の下の歯がボロボロになってしまい、気づいたときには抜歯せざるを得ない状況になってしまうのです。
長く使用している銀歯があれば、もしかしたら経年劣化による不具合が発生しているかもしれません。
一度、医師に相談してみてはいかがでしょうか。
古い銀歯が原因で湿疹などのアレルギー症状が出ることがあります
保険適用で安く治療ができるのは銀歯のメリットです。
その反面で、全身にさまざまな悪影響を及ぼす注意点があることをご存じでしょうか。
保険診療で使用される主な金属は、「金銀パラジウム合金」と呼ばれるものです。
金銀パラジウム合金は、銀が約50%、パラジウム約20%、そのほかに銅、金、イリジウム、インジウムから構成されています。
これらの金属成分は咀嚼や唾液などの影響でイオン化し、少しずつ体内に吸収されていきます。
この金属イオンに対してからだが過敏に反応するのが、「歯科金属アレルギー」と呼ばれる症状です。
歯科金属アレルギーの代表的なものに、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という疾患があります。
掌蹠膿疱症はウミをもった小さな水ぶくれで、手のひらや足の裏などによく現れる湿疹です。
良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか完治しない場合には、古い銀歯による金属アレルギーが原因かもしれません。
ほかにも肩こり、偏頭痛、関節痛、めまい、倦怠感など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
原因不明の不調でお悩みの場合、一度、銀歯のアレルギーチェックを行ってみても良いかもしれません。
健康のためには非金属の材料がおすすめです
銀歯が原因の金属アレルギーが見つかった場合、詰めものや被せものを別の材料でやり直すことをおすすめします。
その材料にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
材質は2ケイ酸リチウムガラスで、硬さは天然歯に似ています。
汚れがつきにくく、変色や劣化もほとんどありません。
金属の表面にセラミックを焼き付けた被せものを、メタルボンドクラウンといいます。
使用される金属はアレルギーの要因となるパラジウムを使用しない合金で、強度とセラミックの審美性を兼ね備えた素材です。
セラミックに、レジンというプラスチック状の材料を混ぜたものです。
セラミックよりも安価で、前歯の治療については保険適用になります。
ただし、セラミックほどの美しさは期待できず、変色しやすいという性質があります。
人工ダイヤモンドと呼ばれている物質で、非常に強度が高く、審美性にも優れています。
金属を使用しないため、安心して使用できる素材です。
汚れのつきにくさはセラミック以上といわれ、変色や劣化の心配ないでしょう。
歯科治療で使用される代表的な材料をご紹介しました。
部位や方法によって使用できないものもあるため、医師と相談して、より自分に合うものを選びましょう。
(まとめ)銀歯にざらつきを感じるのはなぜ?
長年使っている銀歯は細かい傷や腐食によって、表面にざらつきを感じるようになります。
劣化した銀歯は虫歯の原因にもなるため、そのままにしないで医師に相談するようにしましょう。
銀歯の腐食が進むと、舌で触れたときにざらつきを感じるようになります。
汚れがつきやすく、丁寧に歯磨きをしても落としきれないため、虫歯の原因になりがちです。
長く使用している銀歯があれば、違和感がなくても医師に相談してみましょう。
銀歯は保険で治療ができるというメリットがある反面、歯科金属アレルギーの要因となる可能性があるのです。
歯科金属アレルギーの症状には、湿疹、肩こり、偏頭痛、関節痛、倦怠感などが挙げられます。
金属アレルギーの原因が銀歯であった場合、別の材料で治療しなおすことをおすすめします。
銀歯以外の材料には、セラミック、ハイブリッドセラミック、ジルコニアなどがあります。
それぞれに特徴があるため、医師と相談して、自分に合ったものを選びましょう。